Takekida's log

千里の道も一歩から

星間商事株式会社社史編纂室

2015-05-05 00:50:17 | Books
GWも雨で中休み。
星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房


川田幸代。29歳。独身。腐女子(自称したことはない)。社史編纂室勤務。彼氏あり(たぶん)。仕事をきっちり定時内にこなし、趣味のサークル活動に邁進する日々を送っていた彼女は、ある日、気づいてしまった。この会社の過去には、なにか大きな秘密がある!……気づいてしまったんだからしょうがない。走り出してしまったオタク魂は止まらない。この秘密、暴かずにはおくものか。社史編纂室の不思議な面々、高校時代からのサークル仲間、そして彼氏との関係など、すべてが絡まり合って、怒濤の物語が進行する。

三浦しをんさんの小説。タイトルは真面目そうな感じですが主人公はボーイズラブ=BLが好きで同人誌まで発行してしまう腐女子といわれるような女性です。中身はその名の通り社史編集に伴うミステリーですが主人公にしろキャラクターが非常に濃いので読んでいて飽きることなし。よくこの濃いキャラというか少し引いてしまうようなキャラをミステリーという枠に押し込んだなと非常に感銘受ける内容でした。
BLの市場自体は日本でも数万人規模ということなので決してマイノリティとは言えないのかと思うのでそういった意味では「どこにでもいる」女性が描かれたといういい方もできるのかと思います。
この趣味はキャラクターを際だ立てるためのスパイスのようなものと思ってしまいますが物語の中で作られる「裏社史」の内容とも一部リンクし表裏一体となって進行していきます。三浦さん自体もこの趣味があるということで小説内でどう表現するかは苦心されていたようですがそういった点からもうまくできた小説だと思ってしまいます。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 志摩とスペインと | TOP | 2015年GW 名古屋エキトピア  »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books