学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

私にとっての豊かな暮し

2010-03-29 18:58:22 | その他
ブログのテンプレートを「さくら」に変えてみました。今日は天気のいい一日でしたが、相変わらず風は冷たく、桜が咲くまでもう少し日数がかかりそうです。せめて、ブログだけでも、先に「さくら」を開花させてみようと思った次第です。

雑誌を買ってきました。『Discover Japan』です。特集は「ニッポンのいいモノ美味しいモノ」。伝統工芸品の今、が紹介されており、とても興味津々で読んでいます。こうした伝統工芸品は「民藝」とはまた違いますけれど、歴史のなかから生まれたもので、日本の文化には欠かせないもの。けれども、いつまでも昔のものばかりを作り続けていたのでは、やがて需要がなくなってしまいます。過去のものを維持するのではなく、過去のものを踏襲して新しいものを作り上げる必要が出てくる。この雑誌で取り上げられているのは、まさにそういうところなのです。「伝統を守ることが美しいのではない。伝統を作り上げることこそ美しい」。マルク・シャガールの言葉が頭をよぎります。

雑誌を読みすすめていくと、モダンによみがえる伝統工芸品に心がとらわれます。もう、どれもが欲しい(笑)工芸品は、使えば使うほど味わいが出て、美しくなるもの。自分だけのお気に入りの陶器や磁器を使って食事をする。相手にお土産を買って来たときには、センスのよい風呂敷に包んで持ってくる。手紙を書くときには、てざわりのよい和紙を使う。何気ないことですけれど、私にとって贅沢とはこうしたことです。

本当に豊かな暮しとは何か、雑誌を読みながら、ふと考えた本日の休日でした。