goo blog サービス終了のお知らせ 

学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

2024/02/01

2024-02-01 20:32:00 | 仕事
 昨日から先日依頼された原稿を書き始めました。毎日1時間書くことをノルマに設定。それ以上は書かないことにしています。なぜなら、そういう縛りをつけておかないと他の仕事に支障をきたすのと、ダラダラと文章を書いてしまうから。どの仕事もそうですが、メリハリは大事、と思います。
 この頃は4月の展覧会に向けた準備をしていて、主にイベントの段取りです。自分の勤める美術館がガラパゴス化しているのではないか、という懸念から、初めて美術団体や市民などと連携しての開催を準備しています。準備は大変ですが、色々な方々と知り合えるのが楽しくてたまりません。今からイベントが楽しみです。


2024/01/26

2024-01-26 22:33:00 | 仕事
 突発的な事務処理の仕事で1日が終わる。不本意ではあるが、私も社会人の端くれ。学芸員だからといって、自分の好きなことばかりして食べていけるほど、甘い世の中ではなし。淡々とこなす。
 夜、このところ、本ばかり読んでいたので、食器を洗ったり、掃除をしたりして、のんびり過ごす。本も読みすぎると、頭の中がごちゃごちゃになっていけない。体を動かして、頭の中を整える。そのバランスが大事、と最近思う。

2024/01/25

2024-01-25 19:32:00 | 仕事
 いま5つの仕事を同時並行でこなしている。展覧会4本、寄付の受け入れである。いくつかの仕事を同時並行でこなさなければならない時は、優先順位をつけて、全ての仕事をコツコツと毎日続けるのが私のやり方。例え10分だけだとしても、常に仕事が進捗することで精神的にも安定する。今日はそんないつも通りのやり方で仕事を進める。
 夜、エリア随想抄の「除夜」と「古陶器」を読む。過去、今、未来のことについて、エリアが語る、といってもエリアは過去にとらわれるタイプの人間だったようだ。私もそう。いや、きっと、過去にとらわれる人はエリアや私だけではないはず。エリアは19世紀、私は21世紀の人間だが、時間を経ても、人間の考えることなどそうは変わらないのかもしれない。

2024/01/24

2024-01-24 21:49:00 | 仕事
 北風が強く冷たい1日。
 先日の新聞記事によると、社会人になると勉強をやめる人が、海外では18%いるが、日本では54%にものぼるという。
 どの仕事もそうだろうが、学芸員も勉強をしていかないと話にならない職業である。本を読んだり、画集を見たり、作品を調査分析したり、それらを積み重ねて、展覧会を企画するからである。私の場合、勉強をしているという意識はなく、もはや習慣化していて、ご飯を食べることとあまり変わりがない。学生のときはインプットばかりだったが、社会人になるとアウトプットの重要性が増す。そこに楽しさ、面白さがあるのではないかと思う。私としては社会人こそ、勉強したほうが、人生豊かになる気がするし、何より退屈しない。何も机に向かうだけが勉強ではなし。体を動かしてあれこれやってみたり、行ってみたりするのも、学生の頃とはまた違う勉強の味わい方だろう。数十年、社会人をやって来た私の感想である。
 

2024/01/23

2024-01-23 20:07:00 | 仕事
 朝から頭重たく吐き気あり。昼休み、外で空を見ていたら、どうも気圧のせいがして、頭痛薬を服用したら回復。体が弱すぎてもはや笑うしかなし。
 今日は1日だけの展示替え作業。この仕事は頭も体力も消耗するので、私の場合、午前をローペース、午後からハイペースにすると安定的に仕事がこなせる。それで今日も無事に仕事が終了。
 夜、『美術の窓』1月号を読む。装飾美が特集で、玉蟲敏子氏のインタビューが嬉しい。誌面は現代作家の装飾性を豊富な図版と質の良い写真版で紹介している。ただ、近年の装飾性において、似通ったある傾向を示した絵が多いことに気づく。それが今のトレンドなのだろうか。頭の片隅に入れておきたい。

文献の調べものに

2023-03-28 21:48:51 | 仕事
私が住む地域は、今が桜の真っ盛り。桜が咲くと、街全体が明るくなったような感じがしますね。先日はいわゆる桜の名所へゆき、お花見を楽しんできました。何も飲み食いなどしなくても、ゆっくりと桜の下を散歩するだけで、心持ちが愉快になります。

さて、依頼されていた査読も済み、今度は自分が原稿を書く立場になりました。といっても、まだ締め切りまでは間があるので、それまではまだ文献の調査を続けることにしているのですが、今日ではインターネットの存在が欠かせません。これはインターネットの文章を参考文献にする、というのではなく、文献にあたるためのヒントを得るために使っているという意味です。特に私が重宝しているのが、googleの書籍で、キーワードを入力すると、そのキーワードが掲載されている本や雑誌の一部分(場合によってはページ数まで)を、引っ張ってきてくれるのです。これは本当にありがたくて、文献を正確にたどっていくうえで、もはやなくてはならないツールです。それまでは、本の参考文献から芋づる式に調べるのがオーソドックスなやり方でしたが、どうしても時間がかかるし、調べたいことが掲載されていないケースもあるので、今にして思えばなかなか難儀なことでした。

今回、私が書こうとしていることは、ある人物の昭和初期の動きについてで、その人物は社会的な立場としては政治家なのですが、一方、プライベートの部分ではパトロンの役割を果たしていた人物なのです。政治家としての実績は文献として結構残されているのですが、このパトロンの部分についてはほとんど残っていない。よし、誰も書いている人がいないなら、いっそ私が書いてみよう、と思い立ったものの、まだまだ道のりは遠く。先のgoogleのツールを利用しつつ、周辺の人たちの書簡類から、彼の動きを辿ってみようと試みています。どんなことがわかるのか(思ったよりも分からないかもしれないけれど)、とても楽しみな仕事に取り組んでいます。

作品の寄贈を受け入れる

2023-03-26 06:38:47 | 仕事
先日、一般の方から作品の寄贈の申し出があり、美術館として数点をお引き受けしました。

美術館が自館の収蔵品を増やすためには、2つの方法があって、それは作品を購入することと寄贈を受け入れることです。今日、なかなか予算が厳しい状況ですから、作品を寄贈いただけるというのは大変ありがたい話で、そういった作品が積み重なることで、コレクションの充実へとつながっていきます。

寄贈を受け入れるためのプロセスを紹介しますと、まずは作品そのものの目視による確認(作品の状態も含め)と、その作品を手に入れた由来を聞き取ります。その後、その作品が美術館の収集方針に基づくものかを確認、さらに館長や学芸員による作品の評価(外部の評価も含めて)をしたうえで、それが適切であれば寄贈の受け入れとなります。この中でも特に作品の評価がなかなか難しいところ。日頃から作品を見る目を養っておくことは必要ですし、寄贈を受け入れるにふさわしい作品であることの根拠を固めるために、様々な資料をかき集めて対応することになります。以前、100点近い寄贈の申し出があったときは、評価まで半年くらいかかりました。

こうして寄贈を受け入れた作品については、当館の場合ですと、2、3年に一度、寄贈作品展として、一般のお客様に公開しています。当館にとっては美術館活動の成果をお示しできるものでありますし、なにより、一般のお客様にも、このたび作品を寄贈された方にも喜んでいただける展覧会として、とても好評です。美術館がいろいろな方から支えられて、その活動ができていることに心から感謝し、今日も仕事に取り組んできたいと思います。

査読を引き受ける

2023-03-22 07:02:30 | 仕事
私はある学誌の美術部門を担当させていただいていて、今、3件の論文について査読を進めています。査読とは、文章の内容を査定することで、それが学誌に掲載するのに問題がないかをチェックすること。

自分のような者が査読をするなどと、大変恐れ多いことなのですが、何事も経験と思って、4年程前から引き受けています。美術部門という大きな枠のなかを担当しているため、自分の専門分野以外の部分もチェックしなければならず、なかなか骨が折れますが、学生時代に戻ったつもりで、日本美術史や各分野ごとの研究を再勉強して対応しています。自分が査読を受けていたときには、指摘されたところに弱点があって、それを補うために勉強をしたものですが、査読をする立場になると、当然それなりの責任が生じて、やはりきちんと指摘するためには勉強は欠かせない。査読を引き受けたことが、自分にとってもまたいい刺激になっています。また、その論文自体から色々と吸収できることもあって、内容そのものから新しい視点が学べるとともに、人それぞれの筆の運び方や文体も参考になります。査読を通し、自分が論文を書くときにも、できるだけ客観的な視点を持つ、という意識づけが得られている気がしています。とてもありがたいことです。

ただ、こうした査読で多々感じることがあって、その論文の目的や先行研究の問題や課題が明確にされないまま、突如として文章の書き出しが始まるケースが多いこと。少なくとも、論文とは筆者のなかに何かの目的意識が生まれ、それを明らかにしたいという思いで書かれるものですから、それをはじめにきちんと書いておく必要があります。論文は書き出しから始まる、が私なりの考え。他者が読んで、スッと納得できるような筆の進め方が大切かな、と思うわけです。

さて、かくいう私も今は原稿を執筆中。今日は査読をしつつ、自分で原稿を書く仕事に取り組む予定です。皆さま、良い一日を。

将来の学芸員に

2022-07-16 22:16:43 | 仕事
私が学芸員という仕事を知ったのは高校生のときで、大学に入ってからは美術館の学芸員を目指しました。ただ、実際に学芸員として働いている方と話をしたことはなく、その職業に対しては、本などから得られるぼんやりとした印象しか持っていなかったのが正直なところです。

先日、美術の勉強をしている大学生が授業の一環でいらっしゃいました。将来は学芸員を目指しているのこと。インタビューの中で、学芸員を目指すには、大学時代からどんなことを勉強しておけばいいのでしょうか、と質問を受けました。難しい質問ですが、私の経験を踏まえて話をしました。まず気になる企画展があれば、できるだけ足を運び、本物を見る機会を増やすこと。そして、展示室にも目を向け、展覧会の構成を確認すること。作品の配置、導線、キャプションの位置、文章のわかりやすさなどですね。このほかにも、美術に関する文章を書く力を付けることも必要など。

退館する学生の後ろ姿を見ながら、私の時代と比べて、学芸員と学生との距離も随分近くなったなあ、と感じ入ってしまいました。私も学芸員から色々な話を聞いてみたかったものです。将来の学芸員さん、頑張れ!と心の中で送り出した日常の一コマでした。

仕事をたくさん抱える

2022-07-15 21:38:16 | 仕事
仕事をたくさん抱えてしまったとき、私は紙に気になることのリストを書き、なるべく視覚化して冷静さを保つようにしています。

7月も半ば、今年は例年になく仕事をたくさん抱えていて、リストに書きだして見たところが、目を覆いたくなるような有様になりました(笑)そして書き出してみてわかったのは、ほとんどの仕事が他のスタッフから頼まれたものが多いということ!要するに、美術館全体の仕事量が多すぎて、それをこなせなくなったスタッフからのSOSに対応しているというのが、今の現状のようです。そんなこともあってか、どうも頭に血がのぼることが多くて、そういう感情はもちろん心の中にとどめておくわけですが、このままでは心身ともに良くないなあと思う今日この頃。

今のリフレッシュ方法は、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、寝る前に少しばかりの筋トレとヨガと瞑想をする。これだけでもだいぶストレスが流れていきます(笑)1年間このまま続くわけでもなし(と思いたい)。心身には気を付けて過ごしたいものです。