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学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

将来の学芸員に

2022-07-16 22:16:43 | 仕事
私が学芸員という仕事を知ったのは高校生のときで、大学に入ってからは美術館の学芸員を目指しました。ただ、実際に学芸員として働いている方と話をしたことはなく、その職業に対しては、本などから得られるぼんやりとした印象しか持っていなかったのが正直なところです。

先日、美術の勉強をしている大学生が授業の一環でいらっしゃいました。将来は学芸員を目指しているのこと。インタビューの中で、学芸員を目指すには、大学時代からどんなことを勉強しておけばいいのでしょうか、と質問を受けました。難しい質問ですが、私の経験を踏まえて話をしました。まず気になる企画展があれば、できるだけ足を運び、本物を見る機会を増やすこと。そして、展示室にも目を向け、展覧会の構成を確認すること。作品の配置、導線、キャプションの位置、文章のわかりやすさなどですね。このほかにも、美術に関する文章を書く力を付けることも必要など。

退館する学生の後ろ姿を見ながら、私の時代と比べて、学芸員と学生との距離も随分近くなったなあ、と感じ入ってしまいました。私も学芸員から色々な話を聞いてみたかったものです。将来の学芸員さん、頑張れ!と心の中で送り出した日常の一コマでした。
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仕事をたくさん抱える

2022-07-15 21:38:16 | 仕事
仕事をたくさん抱えてしまったとき、私は紙に気になることのリストを書き、なるべく視覚化して冷静さを保つようにしています。

7月も半ば、今年は例年になく仕事をたくさん抱えていて、リストに書きだして見たところが、目を覆いたくなるような有様になりました(笑)そして書き出してみてわかったのは、ほとんどの仕事が他のスタッフから頼まれたものが多いということ!要するに、美術館全体の仕事量が多すぎて、それをこなせなくなったスタッフからのSOSに対応しているというのが、今の現状のようです。そんなこともあってか、どうも頭に血がのぼることが多くて、そういう感情はもちろん心の中にとどめておくわけですが、このままでは心身ともに良くないなあと思う今日この頃。

今のリフレッシュ方法は、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、寝る前に少しばかりの筋トレとヨガと瞑想をする。これだけでもだいぶストレスが流れていきます(笑)1年間このまま続くわけでもなし(と思いたい)。心身には気を付けて過ごしたいものです。
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年譜をつくる

2022-01-23 21:04:54 | 仕事
このごろ寒い日が続きます。私が住むところは、あまり雪の降らない地域ですが、それでもときどき風花が舞い、ただでさえ寒いのにますます寒くなるような気がします。

休日の今日は寒さ厳しいこともあり、そして新型コロナウイルスの感染が再び拡大してきたこともあり、家で美術の論文を書いていました。私の場合、書きものは家で集中してやるのが一番良し。仕事中はどうしてもバタバタしてしまいますから。

私は調査した資料がある程度まとまってきたら、テーマに応じて簡単な年譜を作ります。その年譜に美術史や歴史(地方史)、社会の主要な出来事を埋め込んでいく。そうすることで、項目が時系列でわかるし、どんな社会のなかで作家たちが活動してきたのかが立体的にわかるようになります(自分流の年譜を作るのがポイントで、人が作った年譜ではなかなか頭に入らない)。それから文章を書き始めるのですが、筆が進まなくなったら、その年譜に立ち返る。すると、これまで気が付かなかったことが頭に浮かんだりする。それで論文を前進させてゆく感じです。

今年は論文を2本抱えていて、なかなかのハードなスケジュールですが、こういうことが好きで学芸員になったわけですから、楽しみながら論文を書いていきたいと思っています。
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デジタルについていけない

2022-01-22 20:46:52 | 仕事
新型コロナウイルスのおかげで、リモートによる会議や研修が多くなってきました。ネット環境さえあれば、どこに居ても参加することができるのですから、ずいぶん便利な世の中になったものです。ところが、私はこのごろデジタルの進展についていけなくなってきた(笑)

例えばZoom。そもそもIDとパスコードを入れることがわからず、しかもカメラと集音マイクが必要なこともわからない、それに研修の参加側は音のミュートを切っておくというマナーも理解するのに時間がかかりました。そして、インスタグラム。そもそもこれがどんなアプリなのかわからない。みんなでそこへ画像を収めていくという課題もちんぷんかんぷん。もう情けないくらいデジタルについていけない…!(私は目が弱いので、オンラインの会議になると眼精疲労がはなはだしく、片頭痛が誘発されるのもつらい!)

私自身、デジタルにはまったく興味がないのですが、しかし、世の中の動きとして最低限のことは知っていなければならない現状がある。しぶしぶ、あああ、とため息をつきながら、今日もZoomやインスタグラムを適当にいじってみる。社会人というのはつらいものですねえ(笑)


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お金の問題

2021-11-30 21:39:39 | 仕事
私が勤める美術館は年々予算が減らされていて、来年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあって、さらに厳しくなる予定。今までは厳しいながらもなんとかやりくりをし、最後の本丸である企画展の事業費だけはキープしてきたのですが、それすらも危うい感じ。

この解決のために、シンプルに考えるならば、美術館の収入を増やすしかない。入館料を上げる、入館者数を増やす、新しいグッズを販売する、グッズを委託販売してもらうなどでしょうか。あるいは作品の貸出料を取るのも手かもしれません。補助金も考えましたが、これは根本的な解決にはなりませんね。きっと色々な方法があるのだろうと思いますが、いかんせん、そのあたり、私自身も民間企業に居た経験がありませんし、限られた学芸員の数で日々の業務を回すのが手いっぱいでなかなか頭が回らないのが現状です。いっそ、いくつかの民間企業にスポンサーになってもらい、美術館を資金面で応援していただくのはどうか…もちろん民間企業にとってもメリットになる何かを用意して…しかし、あまりにもご都合主義で甘い考えですね。

調査研究、そして展覧会の立ち上げをこなしつつ、こうした運営の部分も考えていかなければならないというのはなかなかにしんどいことです。もとい、やりがいのあることです。こういうことを考えるから自律神経がダメになってしまうのかな(苦笑)。学芸員やほかのスタッフの全員の知恵を絞り、あるいは他館からも情報を得ながら、今日の課題について考える毎日です。
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論文を依頼されるも

2021-08-05 21:33:42 | 仕事
先日、論文の執筆を依頼されました。浅学の私なぞに、わざわざ論文を依頼して下さるのだから、心からありがたいと思い、ひとつ返事で引き受けたものの、その後に、はて困ったなと。というのは、新型コロナウイルスの影響で、作品の調査に行くことがほとんどできないためです。

少し前、他の美術館学芸員の方と話す機会があり、そこで話にのぼったのがやはり調査のこと。私と同じように調査に行くことが出来なくて、嘆いていらっしゃいました。実際の作品を観たうえで、解説や論文を書くのが学芸員の大切な仕事のひとつ。それが制限されるのは何とも残念な限りです。

さて、どうにかならないものかと考えつつ、まずは少しでも前に進めようと、作品の調査は少し伸ばし、資料集めから始めることにしました(それすらも外に出なければならないのですが)。締め切りは来年の6月。そのころには、新型コロナウイルスの感染状況が少しでも良くなっていることを心から願います。
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君の夢はなに?

2021-06-26 21:38:22 | 仕事
みなさんは何か夢を持っていますか?私には、新人のときからお世話になっている業者さんがいました。初老の男性で、仕事の合間に必ずと言って良いほど「君の夢はなんだ?」と聞いてくるのです。そうして「俺の夢はベンツに乗ることだ!」と言い、なぜベンツにあこがれるのかを延々と話します。私は、学芸員になるのが夢でしたから、人生は充分満足なのですが、その後の展開に悩み、次の夢を探しているうちに、随分と時が経ちました。先の業者さんも亡くなり、「君の夢はなんだ?」と聞いてくれる人もいません。近頃、メディアに接すると、夢をつかめ、かなえろ、という論調が多く見受けられます。夢があれば、人生に張り合いがでますよね。私の夢探しのゴールは、1日を大切に生きること。社会のために仕事をし、家庭のためにやるべきことをやる。大きなことを成し遂げることだけが夢ではないはず。地味ではありますが、大切にしていきたい私の夢です。
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展示作品に迷う

2021-03-10 19:00:55 | 仕事
新しい企画展の開催準備も大詰めになり、チラシも配り始め、展示で使うパネルなどもほとんど出来上がった段階で、まだ私が悩んでいるのが自館が所蔵する作品の出品について。ある程度、もう決めていたのですが、作品のリスト(未完成)や図面(未完成)を眺めていると、この展覧会の趣旨ならこちらのほうがいいかな、いやこれもあるぞ、と一向に答えが出ません(笑)。他館から借用する作品ではないから、余計に思い悩むのでしょうね。ところどころ修正をしつつ、自分が考える理想的な展覧会を作っているような状態です。悩みと言っても、嬉しいほうの悩み。あと少し、精一杯悩みたいと思います(笑)。
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美術館のスパイ

2021-03-05 19:09:08 | 仕事
仕事柄、私は他所の美術館を見に行ったら、展覧会そのものを楽しむのはもちろん、その展覧会のために書かれた挨拶文やテーマ解説、作品解説などの内容、書き方、分量、文字の大きさ、レイアウトなどにも意識を向けています。それらを見て、自分の美術館に取り入れられるものがないかどうか、スパイ、ならぬ、勉強のために見ているのです。

これらの文章は、お客様に作品をより楽しんでいただくために書かれるものです。ですから、お客様の立場で言葉を考えなくてはいけません。私が歴代の館長から教わったのは、単純明快に書け、ということでした。文章が長すぎては疲れる、内容が難しすぎても疲れる、字が小さくても疲れる、とにかくお客様を疲れさせるなと。確かにそのとおりで、私もそれを念頭に置いて、文章を書き、パネルをつくっています。今までで、特にそれらが見やすく面白いと感じたのは板橋区立美術館、栃木県立博物館あたり。もちろん、展覧会によって内容は違うのですが、作品や資料の見どころをいかに優しく楽しく伝えられるかを、館全体でかなり意識して取り組んでいるように見受けられました。両館からは、私も随分学ばせてもらいました。

本を読むことだけが勉強ではなし。(ジャンルを問わず)他所の美術館をどんどん見に行き、刺激を受けることが大切、と私は考えています。来年度の新しい企画展に向けて、どうすればいい展示になるのか、今、展覧会の準備が佳境に入っているところです。
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作家との調整中

2021-03-01 20:39:11 | 仕事
仕事柄、展覧会開催のために現役の作家の方々とお話をさせていただく機会が多くあります。ちょうど今、私が企画している展覧会も、作家とこまめにコンタクトを取りながら進めている最中です。

展覧会の実現のためには、美術館側の意見と作家の意見をすり合わせる必要があります。お互いにとっての理想的なかたちを求めて、何度も打ち合わせるわけですね。今はコロナ禍のため、直にお会いすることがはばかられるため、電話やメールを使ってのやり取りが続きます。私の場合、作家とのやり取りで特に勉強になるのは、作品展示の方法です。私自身、展示方法がどうしてもセオリー通りの無難な配置を組んでしまいやすいのですが、その点、作家のみなさんはやはりすごい。作品を五感で体験してもらうために、あえて作品に触ってもらえるようにしたり、壁面全体を作品で埋め尽くして存在感を出したり…様々なアイディアを提案して下さり、いつも驚かされます。

私は展示方法の勉強のために現代美術の展覧会をなるべく見に行くようにしてはいるのですが、それがなかなか自分の仕事へ消化するまでに至っていないのがくやしいところ。まだまだ勉強が足らないということですね。今度、企画している展覧会ではどういう展示をすれば、作品が生き生きと見えてくるのか。開催まで、作家と相談しながらの調整がしばらく続きそうです。

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