●6月12日(木)13-00 外苑前<GAGA試写室>
M-063『ジゴロ・イン・ニューヨーク』"Finding Gigolo" (2013) QED international, Antidote films / zuzulicensing.llc.
監督・脚本・主演・ジョン・タトゥーロ、共演・ウディ・アレン <90分> 配給・ギャガ ★★★☆
マンハッタンのノース・ブロードウェイで3代も続いていた稀少古書の老舗が、とうとうウディ・アレンの代で倒産閉店となった。「希少な本を求めるひとが稀少になった」という理由だ。
家族はどうにか、それぞれ生活しているが、高齢者のウディは仕事がなくなり、ま、これもご時世さ、と嘆いている。食うには困らないが退屈な余生だ。
そんな時に、旧知のレズビアン有閑マダムのシャロン・ストーンから、内緒でダンヂィーな男娼を紹介してよ。と高額で相談を持ちかけられた。
で、友人の造花屋で女房に逃げられた伊達男のジョン・タトゥーロにアルバイトを紹介したのだ。渋々だが、暇だし、という理由で、この<緊急ジゴロ業>を引き受けてしまったが、これが案外にアマイお仕事。
斡旋マネジャーとしても、無職のウディに10パーセント、プラス・ボーナスの紹介料が入るので、高齢者にも「おいしい生活」の再来なのだ。
噂は広がって、ウディのところには、ジゴロ宅配のお仕事が増えて来たのはいいが、実はジョンには好きな未亡人のヴァネッサ・パラディがいたものだから、業務は煩雑になってくる。
ま、この予想されたトラブルを、<おかしな二人>は抱えてしまい、またしても人生の挫折を迎えることになる。「アメリカン・ジゴロ」のリチャード・ギアが演じたら、もっと面白くなったろう。
タトゥーロが書いたというシナリオは、ウディ・アレンの共演を取り付けてから書かれたように、かなりウディのセックス・コメディの影響を受けているが、ご本尊のようにシャレていない。
おまけに、ニューヨーク名人のウディを横にして、かなりやりづらかったように、演出のテンポも、どうも照れているのか、ギクシャクとしてオゾマシイのだ。
台詞にもあったように、ジョージ・クルーニーでも主演なら、もっとこのアブナい話は面白くなっただろうが、ジョンにはどうもいつものシャイなイメージがあって、大胆さが見られない。
カメラもバックのスタンダード・ジャズも要所要所にウディ・アレン・タッチが伺えるが、いかにも照れくさそうな演出と、タトゥーロの演技は遠慮がちで笑えないのが残念だ。いっそ、これは大先輩に任せた方が懸命だったろう。
■代打の送りバントがショート前でイレギュラーして、どうにかヒット。
●7月11日より、日比谷シャンテ・シネほかでロードショー
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