細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『クライマックス』で、美女の立ちションを見たい方は・・どうぞ。

2019年09月04日 | Weblog

●8月22日(木)12-30 六本木<キノ・フィルム試写室>

M-066『クライマックス』"Climax" (2018) Rectangle Productions / Wild Bunch, Les Cinemas De La Zone 

監督・脚本・ギャスパー・ノエ 主演・ソフィア・ブテラ、ロマン・ギレルミク <97分・シネマスコープ> 配給・キノフィルムズ

多くのタレントと、多額の製作資金をもとに撮影されて、カンヌ国際映画祭にも出品されて、監督週間の芸術映画賞を受賞している作品だから、愚問は無駄。

いつも不思議で不可解でふしだらな映画を撮る事で存在感のあるギャスパー監督の新作なので、それなりに覚悟は決めて見たのだが・・・いやはや。

1996年というから、20年以上も前の設定なのが、どうゆう意味なのかは判らないが、とにかく作品の設定は、その時代の、フランスのある夜のことらしい。

アメリカへの出張公演を控えた22人のダンサーたちが、山奥にあるらしいスタジオで最後のリハーサルのあと、打ち上げのパーティが始まった、という設定。

作品は、それからの97分の間、そのスタジオでのパーティの様子をドキュメンタリー風にスケッチしていくが、飲み出したワインの中にはドラッグが混入されていたらしい。

はじめはそれぞれに踊ったり談笑しているダンサーたちは、酔いが廻り出してからは自覚を失い、所謂、野放図なる乱痴気パーティとなり、まさに地獄図となっていく。

全編に当時の人気ロックサウンドが流れていて、これはそのパーティのディスクジョッキーが背後でコントロールしているらしいのだが、踊っている若者たちは乱痴気となる。

ま、ギャスパー・ノエの作品だから、「カルネ」や「カノン」「エンター・ザ・ボイド」同様に、少しずつ狂気の世界となり、映画はラストまで狂騒していくのだ。

フロアでは同性愛でセックスしたり、女性なのに立ちションしたり、派手な殴り合いのケンカの末に殺人をしたり、・・・とにかくロックの轟音の中は狂乱地獄となる。

これも<ヌーヴェル・ムービー>と評価するのは勝手だが、わたしはヴィンセント・ミネリの「バンドワゴン」のダンサーたちの解散パーティの方が居心地が良い。

 

■強烈なピッチャー・ライナーが弾かれてファースト・アウト。 ★★☆

●11月1日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などでロードショー


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