飲み込むそばから消えてゆく(たとえばあまりにも膨大な嘘が)
擦り切れた中指の軋む音を聞きながら吐いた唾に溺れ込む夜だ、晩夏の中に在りなが...
ただ真夜中が流れ落ちていくだけの
とある感触はおそらくは動脈からの血液を不規則に浴びるシャワーのような...
どうして時々どこかに出かけるのだろう
安いキャリーバッグの 硬質プラスチックの車輪が まばらな拍手のようなリ...
あの灰が零時になるとき
溶鉱炉の 中で どろどろに溶けた 灰色の自我を 化粧水の ように 皮膚の上に 塗りたくる 熱さというよりは 痛みの連なりで 焼けていく おれの上面...
メディシン・ボトルの中の動脈の色彩
自家中毒の記憶が熱をもって現れるとそのまま今ともつれ合って連なり転がって床...
嘲笑的な薄闇の中で強制的に見開かれた目を
神経のからくりは解かれたのか、夜は沈殿する記憶のように膨大で心許ない、...
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