山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

磯香溢れる生海苔料理

2023年12月26日 | 日記とレシピ

 石巻に住む叔父叔母からお歳暮が届けられた。

 恒例の『石巻からの挑戦状』だ。

 この『挑戦状』には、毎回、こちらが予想もしていなかった魚が入っており、その度に右往左往させられてきた。

 ただ、そのおかげで、「大抵の物が来ても調理できる!」という自信と技術を身に付けることができたと感謝している。

 妻が聞いた話によると、

「今年は、おとなし目にしたわ。」

と言っていたとのこと。

 さて、何が入っているかな?

 発泡スチロールの箱を開けてみると、

       おお~! 色々入ってますよ

 ノドグロ、カレイにドンコにクジラ、タラにタラコにと来たところで、「何だ、これは?」

 生のりだって。

 普通の海苔はもちろんずっと食べ続けてきてるし、フノリにも大分お世話になってきている。

 でも、生のりって初めてだ。

       パックを開けてみると

 確かに海苔のようだけど、どうやって食べると美味しいのか分からない。

 ただ、冷蔵庫に保存してあるワサビ根と組み合わせたら、とてつもなく美味しくなる予感がしてウズウズしてきた。

 でも待てよ。

 まずは、本来の美味しさを味わってからだよね。

 幸い、パックは2つあるので、このような実験ができる。

 さすが叔母様、いつものことながら、こういう細やかな心配りに感謝申し上げます。

 ネットでレシピを検索した結果、生海苔の佃煮に辿りついたので、それをもとにして作ってみます。

 下ごしらえ・調理の部

 ・「パック」に真水で洗うように書いてあったので、2~3度やってみました

 ※倍量ぐらい(320g)に膨らみました

       結構1本1本が長いです

 ・包丁で切り詰めていきました

 ・調味料は酒醤油75に、みりん150と、砂糖30gほど

 ※甘すぎじゃねえか?と思ったんだけど、最終的に適量だと分かりました

 ・一度煮切って

 ・生海苔を投入

 ・強火 ⇒ 中火 ⇒ 弱火と、混ぜながら丁寧に煮詰めていきます

 ※30分以上かかったけど、ここは仕方ないと思います

       はい、出来ました!

 これが、美味しいと言うか、いい香りと言うか、とにかく、半端ねえっス!

       夕食に添えてみたけど

 夕食の主菜はタラフライの予定だったんですけど、全く負けてません。

 磯香薫るとは、こういうことか!

 認識を新たにさせられる料理になりました。

 残り半分。 これは、ワサビじゃないような気がする。

 次、どうやって食べればいいか、悩みを深めるマタギでした。

 さすがは叔母様。『挑戦状』は、奥が深いわい。

 それにしても、美味しく面白くありがたき挑戦状、ありがとうございました。


マタギのクリスマスケーキ

2023年12月25日 | 日記とレシピ

 「ところで、今夜の料理、どういう分担にする?」

ほう、そう来ましたか。

クリスマスイブにあたって、誰が何を作るか。これは、なかなか民主的で素敵な投げかけだ。

みんなで作って、みんなでクリスマスを楽しむためには、こういう分担も大事だよね。

「私、鶏肉とスープやる。」

いいねえ。

「じゃあ、私はそこに添える飾り野菜とサラダ作ろうかな。」

これもいいねえ。・・・と言ってていいの?

マタギの作るものがないじゃありませんか。

「そう言えば、今年はクリスマスケーキ買うのやめたの。だって、必ず食べ切れなくなって余らせるから。」

その選択は、間違いではない。

普通なら、「それでいいんじゃない。」と言うところなんだけど、返事をせずに考える。

余らせるとは言っても、やっぱりクリスマスにケーキは欠かせませんよ。

ディナーの役割が全くなくなりそうなマタギだから、この際、作ってしまいましょうか。

 で、家族には内緒でちょっと買い物に出かけることにしました(途中でバレたけど)。

 買ってくるのは、イチゴその他のフルーツ。

       買ってきちゃった

驚くべきは、イチゴの値段。1パックに十数個入って千円近い。『あまおう』なんて更に倍の値段がついている。

まあ、今が一番の稼ぎ時だというのは分かるけど、皆さん商売上手やがな。

それでも買ってくれるマタギのような客がいることを、しっかり見込んでの値段ですがな。

しゃあないわ。もろうておきますか。1パックかごに入れて、ついでに他のフルーツにも目をやると、ほぼ同量のパイナップルが百円台。

何やねん、この値段の差は、と思いつつ、こちらもかごに入れて持ち帰りました。

 これで、準備OK。早速取り掛かりましょう。

 作るのは、イチゴとパイナップルのショートケーキ

 下ごしらえ・調理の部

 ケーキの場合、まずはここからですね。

 ・ケーキ型にクッキングシートを敷き詰めます

 ※実は、先日の『カレーまん』の時に使ったシートがきれいだったので洗っておいて、そのまま使いました

 ・・丈夫なクッキングシートのことですので、料理によっては、今後も続けたいと思います。

       生地の材料になります

 ・卵3個に無塩マーガリン40グラニュー糖80とはちみつ12に、薄力粉90g

 ・卵にグラニュー糖とはちみつを加えて、湯煎しながら混ぜていきます

 ・10分ほど続けるとペースト状になってきます

 ・ふるいにかけた薄力粉を混ぜたら

 ・300w1分で溶かしたマーガリンも加えて更に混ぜます

 ・型に流し込んだら、予熱済みのオーブンで180℃30分

 ・この隙にイチゴのヘタを取って、パイナップルを薄切りに

       さあ、いい感じに生地が焼けましたよ!

 ・ひっくり返してあら熱を抜いている間に生クリームです

 ・生クリーム300gに対して砂糖20gとバニラ3振り

       おおっ、さすがに冬至、しっかり固まるわい

 ・生地を横半分に切り分けたら生クリームを塗って

 ・パイナップルを敷き詰めて

 ・もう一度生クリームを塗ったら蓋をします

 ・実は、途中からだんだん怖くなってきて生地を縦半分に切りました

 ※後で考えると、ここで6等分なり8等分なりにすべきだったと思います

 ・全体に生クリームを塗ったら

 ・周辺部をしぼり器で飾り、イチゴとチョコをトッピング

 一応、出来たぜ。

 氷点下に近い廊下に置いて冷やしておきました。

       妻と娘が作ったディナーを堪能した最後に

       みんなで戴きました

 スポンジの間に生クリームをたっぷり挟んであったから、最後に切り分けるのが大変でした。

 でも、とりあえず形は保たれた。

 味の方は、生クリームのフワフワ感とフルーツの甘酸っぱさとがコラボして、秀逸ですね。

 皆さん、喜んで食べていました。

 よかった。

 ということで、イエス様と八百万の神様にメリークリスマス!


おぼえていてね(さんぽうた211)

2023年12月24日 | いきもの

  おぼえていてね    からすうり ようか

 

わたしは ここにいます

そのことを

おぼえていて ほしいんです

 

もうすぐ ゆきが

すべてをつつみ

すべての おもいでを

おおいかくしてしまう

 

でも

わたしがいたことを

わすれないでほしい

 

だから

あかりをともしました

 

おぼえていてね

 

そして

なつになったら

また あいましょう

 

       10月の『ようか』さん

ここにきて、

       色が変わり始め

       そちらこちらで

       目立つようになってきました

「きれいな色に染まりましたね。」

「ええ、今年は、色が変わらなくて心配していたんです。」

「早く変わりたかった。」

「ええ、だって、私がここにいることを忘れないでほしかったの。」

「そうですか。そのためのきれいな実なんですね。」

「はい。来年もここに咲きますから、是非遊びに来てください。」

「ああ、あのきれいな花ですね。是非見に来ますとも。」

「よかった。それじゃあ、お休みなさい。

「お休みなさい。良いお年を。」

       手持ちの画像としてはこのぐらいしかないんですけど

 本名は、キカラスウリの『ようか』さんです。

 暑さのせいでしょうか。

 今年は、実の色づきがとても遅くなってしまいましたが、『ようか』さんもホッとしているようでした。

 あの怪しくも美しい花を見るのが楽しみになる今日の散歩になりました。


イエス様に背かないように

2023年12月23日 | 日記とレシピ

 赤コゴミの炒め煮は、大変美味しくできてよかった。

 ただ、この料理の裏番組でもう一つの料理を作っていました。

 今回の赤コゴミの場合、手間はかからないけど、時間がかかるんですよ。

 それは、乾燥品を沸騰させてから、常温に戻るまでの時間。

 いかに寒い季節とは言っても、沸騰したたっぷりのお湯が冷めるまでには数時間かかってしまう。

 この間に具材も準備したけど、そんなに時間はかからない。

 その隙間の時間がもったいないと考えたわけね。

 で、考えたんだけど、さすがに洋風粉物はアウトでしょう。

 これだけ連続した上に、クリスマスが目前に迫っている。

 妻も何か考えているはずだから、そこに水を差すような料理は避けなければならない。

 それこそ、イエスちゃんに叱られるってもんだ。

 で、辿りつくのが中華

 点心でしょうな。

 先日まで、肉まん、餃子、ワンタン、シュウマイと来ているので別のものだ。

    ポクポクポクポク チ~ン

     みんな大好き カレーまん

 最初にも書いたけど、赤コゴミが戻るまでの隙間時間を使って作ってしまいましょう。

 下ごしらえ・調理の部

 まずは生地からなんですが、前回の肉まんと似てるんだけど、ちょっと違うのでその辺も含めてまとめておきます。

 ・材料は、薄力粉200、強力粉70,砂糖40、ベーキングパウダーとドライイーストとサラダ油各7g

 ※ここまでは前回の肉まんと全く同じだけど、ここにカレー粉小さじ1を加えてからよく練ります

 発酵に移ります。

         前回はアナログだったけど

 今回は、レンジの発酵機能を使ってみることにしました。

 ・ボールにラップをしたら、40℃に設定し30分間加熱します

 その間にを準備しました。ほぼ、「けゆあ」さんのレシピを使ってます。

 ・タマネギ1/2個とジャガイモ1/3個をそれぞれみじん切りにして、カレールーひと片を細かく砕いておきます(今回はジャワカレーの中辛。結構辛味が強い)

 ・主役のひき肉は130g、ニンニクチューブ適量

 ・調味料は、ケチャップとウスターソース各大さじ1と塩コショウ

 ・タマネギとジャガイモをしっかり炒めたら

 ・ひき肉とニンニクチューブを加えて色が変わるまで炒めます

 ・お肉に火が通ったら火を止めて、薄力粉大さじ1強をかけて混ぜます

 ・更にカレールーとウスターソースにケチャップと水大さじ2を加えて、再加熱

 ・ここまで来たら塩コショウするらしいんだけど、既に十分に美味しいからどうしていいか分からない。とりあえずちょっとずつ振りかけました

 ・ちょうどよく生地の一次発酵も終わりました

 ・3:2ぐらいに切って、それぞれを3等分してみました

 ※ホントは2次発酵させるみたいなんだけど、今回は省略。直行で餡を包みます

 ・強力粉の打ち粉を敷いて生地を伸ばしたら、たっぷりの餡を入れて

 ・端からひだを詰めるむように包んでいきます

 ・大が3個。クッキングシートに並べて蒸します

 ※強火2分、弱火18分にしてみました

  かなり膨らみました。勝手に二次発酵してくれたみたいですね

 小型の3個の方は、裏返して置いてみました。

       こちらは、2+13分間蒸してみました

       さあ、出来たんですけど・・・ 

これって、デザート?それにしては大きすぎ、という話になって、

  とりあえず夕食を控えめに戴いてから、小さい方を食べてみることにしました。

       画像じゃ伝わらないよね

 かなり美味しいです。香りも良い。しかも、ジャワカレーの辛味が効いて、刺激的。肉まんも美味しいけど、別次元の美味しさと言ってよいでしょう。

 いやあ、美味しかった。

 そして何よりも、これなら、イエス様やサンタさんからも叱られないでしょう。

 そう何度も作るものではないとは思うんだけれど、出来ることなら、他のカレールーと味を比べて楽しみたいものですね。

 クリスマスが過ぎたら、別のカレールーで試してみようかな。

 ご馳走様でした!


欠かせない常備菜、赤コゴミ

2023年12月22日 | 山菜料理

 常備菜、なくなりそう。」

「何残ってる?」

「大根のほろほろ漬けと赤カブの千枚漬け。」

「じゃあ、何か作っておかなくちゃいけないね。」

 この常備菜というもの、一般家庭でも、お茶請けや食事の副菜として大変重宝するので、やっぱり常備すべきものだと思う。

 だが、マタギのような弁当生活者にとっては、重宝という以上に、なくてはならない食料なのだ。

 簡単に言えば、お弁当の隙間を埋めて、朝の手間暇を少しでも減らすための必需品ですがな。

 さて、何を作りましょうか。

 と言いつつ、作りたいものはだいたい決まっている。というのも、そろそろ食べたくなっていたんですよ。

 その名は、 赤コゴミの炒め煮 です。

 年末年始に我が家で活躍する山菜のうちで、ゼンマイと双璧をなすのが、この赤コゴミなんですね。

 お茶請けお弁当のおかずはもちろん、お節料理の一品に加えても文句なし。秀逸な山菜料理なんです。

 本日は、年越しも念頭に置いて、少し多めに作っておきましょう。

 下ごしらえ・調理の部

 夜明けとともに準備に取り掛かりました。というのも、乾燥保存品なので、戻すまで結構時間がかかるため。

 ・赤コゴミを40g量り取りました(写真ので半分)

 ※乾燥品の赤コゴミは、戻すと10倍ぐらいに膨らみます。したがって400gになる予定

 ・暫く水にさらしておいてから(今回は30分ほど)

 ・加熱開始

 ・沸騰したら火を止めて冷めるのを待ちます

 この間に具材の準備を済ませておきます。

 ・油揚げ2枚と糸コン1袋はいずれも湯がいておきます

 ・ニンジンの千切りも軽く茹でておきました

 ・冷めたところでアクの出た水をきれいな水に入れ替えて

       すっかり戻りました(3年前の姿に近づきました)

       水気を絞って重さを量ると370g。やっぱり、ほぼ10倍です

 ・寸切りにしたら調理に移ります

 ・油をひいて熱した中華鍋で具材に火を通したら

 ・赤コゴミも加えてよく馴染ませます

 ・水2カップに、赤コゴミが00g弱なので、酒醤油みりんも大さじ弱加えて煮ていきます

 ・顆粒出汁を少々加えました

 ・煮詰まってきたところで味見をして、塩一つまみで微調整しました

       けっこうたっぷり出来上がりましたよ

 これが旨いんだわ。これだけ作っておけば、歳末までは楽しめると思うんですけど、もし、なくなったら、また作ればいいさ。ご覧のように、保存後の調理も難しくないしね。

 赤コゴミ、本当にありがたい山菜です。

 実は、去年は、採り場の疲弊を避けるために、仲間一同、赤コゴミ採り場への入山を控えたんです。

 新しい年には、どうなっているかな?

 そんな夢を見ながら、赤コゴミ料理を楽しんで、年を越したいと思います。