さいしゅうけいたい ぐらすらんど そう
これが
ぼくらの
さいしゅうけいたい
はるの ぼくたちは
かわいくて
なつには
ちからがいっぱい
あきになったら
やさしくなって
いまは
あじ が あるでしょ
このすがたも
たのしんでね
いまだけだよ
ゆきが つもったら
りせっと しちゃうからね
散歩道にある広場の草が
ほとんど枯れてしまいました
エノコログサも
ススキも立ち枯れて冬を待つばかり
「ちょっと待ってよ。」
「えっ、どうしたの?」
「今、枯れ野原って思ったでしょ。」
「うん。それがどうかした?」
「よく見てよ。きれいな色合い、分からない?」
言われてみると、
全部同じ色と言うわけではないみたい
「なるほど。きれいなものだね。」
「分かってくれればいいんだよ。これが僕らの最終形態だからね。」
「多分、こういうのを草紅葉って言うんだと思うよ。」
「おっ、なんか、いい名前だね。気に入ったよ。」
「ぼくも君たちの最終形態、気に入ったよ。」
「うれしいな。」
「じゃあ、またね。」
雪が積もらない今年の広場は、いつもの年なら倒れてしまったり埋もれてしまったりするはずの枯れ草がそのまま残り、今まで見たことのない景色が広がっています。
これはこれで、天の恵みと考えて楽しませてもらおうと思います。
またね、『そう』君。
雪が積もるまで、楽しませてもらうよ。