山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

秋が深まってきた

2024年11月04日 | キノコ採り

 11月に入ったので、晩秋キノコの終着駅、『O』方面の様子を見に行くことにした。

 同行者は、A氏。 この採り場の開拓者だ。

 この採り場は、マタギたちが通うキノコ採り場のうちで最も海抜が低いので、秋の訪れは最も遅いのだが、『ナラ枯れ』の森が広がっているため、ナメコやムキタケが発生する確率が高い(ナメコもムキタケも枯れ木に出る)。

 おかげ様で、『最後まで、沢山採れる』という、ありがたい場所なのだ。

 あらためて言うと、11月に入ったのだから、もうシーズンの末期だ。

 であるからこその、『様子見』ということになる。

 さて、キノコたちは出ているのか、いないのか。

 ワクワクしながらの探訪となった。

 先ずは、この山域のエースと言うべき倒木を探査。

 全く発生の気配なし。ま、仕方ないべ。今年は全体に遅れ気味なのだから。

 代わりに見付けたのは、

       ムラサキの君

 こんな山奥にも生えているんだと、感心。

 場所を変えて、もう少し海抜を上げてみると、

       ナメコのつぶや

       ムキタケが出始めています

 ナメコは、この木だけだったんだけど、ムキタケは他の木でも、それなりに出てます。

       このぐらいあれば

       美味しい料理が作れそう

 少しだけですが、戴きましょう。 おや?

       これは、クリタケ?

 まあ、疑わしきは罰せず。ということで無罪放免とさせていただきます。 

 A氏いわく、

「今日は、ウォーキングだね。」

賛成、この地のキノコは、出ていることは出ているけど、本番はもう少し先みたいです。

 代わりにと言ってはなんですが、

       美しく色づき始めた森を歩き

       山の空気と景色を楽しみましょう!

       雨上がりの朝ということもあり

       すごく空気が澄んで心地よかった

 秋の深まりを実感できる、素敵なウォーキングになりました。

 山の神様、ありがとう。

 近いうち、また、遊びに来ますね。


ちょっとブルーな紅葉狩り

2024年10月29日 | キノコ採り

 キノコ山のカラマツ林で、ハナイグチがわずかしか採れなかったので、採り場の海抜を上げてみることにした。

 今度出掛けたのは、月山に広がるカラマツ林。

 海抜は、キノコ山よりも200mほど高い。

 その分、秋の深まりも早いと考えたのだ。

       出かける時は月夜

 風も穏やかな月夜で、かなり寒い。

 最上川周辺の低地は霧に包まれていたが、海抜を上げるにつれて、霧の世界から抜け出した。

       紅葉はキノコ山よりも大分進んでいる

       モミジも美しい

       こちらのカラマツは黄葉が始まっている

 もう少しすると、金色に山を染める美しい季節になるだろう。

       カラマツ林の中に潜り込む

       朝日を浴びて頭上は美しい

 しかしだ、 まったく出ていないじゃないの!

 こちらの方が、間違いなく季節は進んでいる。

 それなのに、ハナイグチの気配が皆無なのだ。

 季節が進み過ぎているのなら、老けたキノコを見ることができるはずなのに、それもない。

 もしかしたら・・・。

 先日のキノコ山でも、ちょっと感じたんだけど・・・。

 ハナイグチというキノコ、カラマツの落ち葉に菌糸を伸ばして『シロ』を作るキノコだ。

 このシロが、ある程度の低温刺激を受けるとキノコを発生させて胞子を飛ばすのだが、キノコを発生させるだけの勢いがなくなってしまったんじゃないのか?

 去年、全く見られなかったのは異常気象のせい。

 そのダメージを、まだ引きずっているのかもしれない。

 特に、『シロ』が浅いハナイグチのようなキノコは、被害も大きいのかもしれない。

 そう考えると、なんだか納得がいくのだ。

       すっかり秋の空

 確かにすっかり秋の気配だけど、生き物の種類によっては、例年のように季節を迎えることができないものもあるのかもしれないな。

 そんなことを考えながら、鮮やかに色付いた秋の森を歩くだけの一日になってしまいました。

 何年かかるか分からないけれど、元通りの自然が戻ることをお祈りします。


キノコ山はビミョウに端境期

2024年10月27日 | キノコ採り

 先週のK川探訪から、ほぼ1週間。今度は、キノコ山の様子を見に出かけた。

 豊かなキノコの名産地であるキノコ山だが、K川の採り場と、ほぼ海抜が同じ。

 位置的にも、そんなに遠くないから、キノコの出方も似ているのだが、全く同じはずはない。

 夏場のトビタケでも、先日までのマイタケでも、生えてくる場所や木が一本一本違うんだから、発生の仕方も当然違ってくる。

 「こっちの山はどうかな?」

みたいな気分で、毎年お世話になっている木々を巡ってみることにしたのだ。

 山道に入ると、黄葉が進み始めたことが分かる。

       定点観測地の木の葉

マイタケの時期よりは、少し進んでいるが、まだ、『さわり』と言う感じ。

        珍しい場所でマスタケ

 こんな手前の地点でマスタケを見たのは、初めて。

 やっぱり山の幸は、豊作なのかもしれない。

       あちらにも

       こちらにもサワモダシが生えている

       しかしながら、老け気味

 3日前ぐらいが盛りかな。

 でも、この日は、台所中がキノコだらけだったから、この地を訪れるということはなかっただろうね。

 これは、仕方がない。 巡り合わせが悪かったということだ。 サワモダシは諦めましょう。

 さて、この地も、先日、氷点下の最低気温を記録したので、晩秋のキノコはどうかな?

 期待を込めて探ってみたが、全く気配なし。

 かろうじて、

       ブナシメジが1本だけ

 「これは、あと1週間以上かかるね。」

「うん。11月になってからだな。」

同行のM氏と確認しあう。

       黄葉一歩手前のブナの森

「考えてみれば、この辺りが黄色く染まった頃にナメコも生えるんだよな。」

「うん。そこから葉が落ちて、雪が積もるまでだ。」

「山の空気が吸えたんだから、いいことにすっか。」

「うん。ただよ。あっちのキノコも、ちょっとだけ見ていかね?」

それから向かったのは、

       カラマツ林

遅れ気味とは言っても、出ているかもしれないからと、歩き回ってみると。

        ハナイグチがちょっとだけ

「やっぱり、もう少し先だな。」

「後で日程調整すっべ。」

「あいよ。連絡するんで、よろしく!」

 キノコ山は、丁度、端境期に入っているようでした。

 これは、仕方ないね。

 おかげで、次への目途が立ったと捉えましょう。

 もう一つ。1週間に3回山歩きをしたら、身体が軽くなった感じ。

 やっぱり歩いてみるもんだ。 収穫があってもなくてもね。

 ・・・って言うか、これが一番の収穫かも。

 山の神様、次回もよろしくお願いいたします。


中秋キノコの季節だ

2024年10月18日 | キノコ採り

 本日は、久しぶりのキノコ採り。

 前回が大雨のため断念してしまったので、ほぼ2週間ぶりの山業となる。

 この間に、朝の最低気温が10℃を下回る日が増えてきた。

 だとすると、中秋のキノコが発生するための条件が整ったということになる。

 天気予報では、降水確率が高いのだが、ここで行かないわけにはいくまい。

 気象庁が発表している『今後の雨』の予報で詳しく見ていくと、断続的に降ることは降るが、大雨になることはなさそうだ。

 同行者は、向かいのM氏。

 当初はA氏も同行する予定だったのだが、体調を崩しているらしく、本日はお休み。

 目的地は、K川。

 キノコ山に残してきたマイタケへの未練が、全くないわけではないのだが、中秋のキノコの代表、ナラタケ(サワモダシ)を採るんなら、こちらの方が期待値が高いので、そうなった。

 そして、もう一つが、去年、大変お世話になったブナカノカの木。

 行けなくなってしまったA氏からの情報によると、盛りになっているかもしれないとのこと。

 やっぱり、今回の目的地はK川ですね。

 A氏には申し訳ないけれど、『旬』は待っていてくれないので行ってきます。

 日の出時刻が遅くなってきたので、それに合わせて出発。

 午前6時前の行動開始となった。

 間違いなくずぶ濡れになるので、合羽で完全装備して山に分け入る。

        『ご神木』にご挨拶

 杉の林を抜けてブナの原生林へ。

 聳え立つ巨木にご挨拶をする。

 その根元に、

       あらら、もうナメコが出ている

 奥部への期待が高まりますね。

 目的の木その1が近づいてくると、

「ほれ、あそこ!白くなってる。」

M氏の声に目を凝らしてみると、出てますね。

       美しきブナカノカ

        食べ頃に育っていました

 二人して、倒木を挟んで採る。

 欲しいだけ採ったら終了。

 途中から雨が降り出したようなのだが、全然気づかなかった。

 夢中になるっていうのは、心のセンサーが一点集中しているということなのだろう。

 それはそれでいい面もあるのだが、リスクの大きい場所では、警戒心まで解除してしまわないように心掛けるべきでしょうな。反省。

 さて、この場所だけで十分に満足してしまったのだが、

「やっぱり、自分の目で確かめておいた方がいいんねが。」

というM氏の声に背中を押されて先に進んだ。

すると、そこから先は、

       おおおおおっ!

       なんと、サワモダシが真っ盛り

       こちらのキノコも採り放題状態でした

 ついでに、

       ワサビ根を少々戴いて(M氏だけ)

 もう十分です。 堪能させていただきました。

       少し進んだ紅葉

 重たくなったリュックを背負いながらも、軽い足取りで山を下りました。

 ありがとう、山の神様。

 また、遊びに来ますね。


森の女神が微笑んだ

2024年10月09日 | キノコ採り

 『キノコ山』は、とても豊かな山で、森や渓流の景観は、勿論超一級の美しさなのだが、その豊かな環境に育まれる山菜やキノコもまた、超一級なのだ。

 で、今シーズンは、真夏の時期に訪れて、2年ぶりのトビタケを収穫させてもらった。

 そして、今、秋の訪れとともにマイタケ採りを楽しませてもらっている。

 ただ、これまでであれば、10月の声を聞いたら、中秋のキノコ採りに移行するのだが、今年はその気配がほとんど感じられない。

 モダシが顔を出さないのだ。

 そうして、マイタケも、一部の早生の木からは発生が見られるが、本命と言っていい木からは、何も出てきていない。

 やっぱり、近年の異常気象の影響が尾を引いているのだろうか。

 少々心配を抱きつつ、何日か置きにキノコ山を訪れている。

 本日が、3回目だ。

 本日もA氏との同行になるが、氏は、今シーズン超当たり年で、K川でもU川でも、過去最大級のマイタケをゲットしているので余裕だ。

 一方、マタギは、それほど収穫できていないので、もう少し出てくれないかなあという思いが強い。

 本日は、前回までの続きとともに、キノコ山で最大の収穫記録を誇る『オリンピックの木』が最終目的地となる。もし、ここで出ていたら万々歳だ。

 前回と同じ集合、出発時刻だったのだが、思ったよりも早くついてしまった。

 というか、夜明けが遅くなってきていることと、昨夜来の雨を降らせた雲が空を覆っていることが、大きいと思う。

 さすがにこの時間帯だと先行者はいない。雨のせいもあり、登山客もいないようだ。

 今回の天候だと、奥部の藪こぎでずぶ濡れになることは間違いないのだが、合羽を着てサウナ状態になるよりは、ましと考えて、軽装で出発した。

 そして、ミズナラの森。

       出てきたじゃない!

       あっちにも

       こっちにも

 可愛いサイズだけど、ようやく『ミズナラの森』にもマイタケが出始めました。

 来週までには採られてしまうかもしれないけれど、この状態だと『見置き』ですね。

 森の女神様、よろしくお願いしますね。

 運を天に任せて、奥に進む。

 前回まで、2回連続でお世話になってきた優良巨木を覗いてみると、

       おおおっ、いい感じじゃない

       この株は今シーズン最大です(手ブレ御免)

 この木は、本当に凄い。

 これで、3回、いや、その前のA氏の分も数えると4回連続、次から次へとマイタケを発生させている。

 我々の期待を裏切らないどころか、期待を上回り続けているのだ。

 ここでの収穫で、結構リュックが重たくなってしまった。

 それでは、最終目的地の『オリンピックの木』に向かってみますか。

 この木は、凄いマイタケを発生させる木なのだが、毎年出るわけではない。これまでの経験によると4年に一度、つまり、オリンピックのように間を空けて発生する木なのだ。

 今年は、前回の発生から3年目で出番ではないはずなのだが、念のために当たってみる。

 ・・・結果。やっぱり、オリンピックは4年に一度ということでした。ま、しょうがねえべ。

 でも、

       雨上がりの森は美しかった

       前回よりも僅かではあるけど黄葉が進んだ

       やっぱりマスタケは完全に『旬』を過ぎてた

 とても気持ちよかった。

 何と言っても、森の女神さまが、いよいよ微笑み始めたのだ。

 キノコ山も、いよいよ秋本番ですね。

 なんとか時間を作って、また遊びに来なくっちゃ。

 山の神様、本日もありがとうございました、

 次回もよろしくお願いいたします。