山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

夏にはやっぱり このキノコ

2024年07月26日 | キノコ料理

 昨日来の大雨で、県内でも各地に被害が出てしまった。これ以上被害が広がらないことを祈りつつ。

 

 「作ってもらっていた常備菜が、そろそろなくなりそう。」

「そうか。次、何にしようかな。」

「今回のメンマ美味しかったし、ワラビの煮物も最後まで美味しかった。それに・・・」

聞けば、夏野菜が出回るようになると、どうしても食べたくなる料理があるそうだ。

その名はトビタケとナスの炒めもの

数あるキノコ料理の中でも、我が家では、最上位に君臨する人気料理だ。

妻は勿論だが、マタギも大好きな料理だ。

「確かに。ナスが出てきたんなら作りたいね。でも、トビタケ残っていたっけ?」

 このキノコ『日照りトビタケ』と呼ばれるほど、猛暑の年に大量発生するキノコだ。

ただ、去年の夏が、あまりにも気温が上がり過ぎた上に雨が降らなかったために、全く収穫できなかったのだ。

「冷凍庫に残っていたの、見た気がする。」

「そうだっけ?」

認知症マタギは忘れていたが、妻は覚えていてくれたようだ。

調べてみると、まだ何食分か残っていた。

 じゃあ、作ってみますか。

 早速、調理に取り掛かる。

 下ごしらえ・調理の部

冷凍したトビタケの解凍から始まるのだが、多分、3年以上前に収穫したものなので、ちょっと気を遣って調理してみることにした。

 それは、なるべく採ってきた時の風味を逃がさないこと

 ・冷凍してあったトビタケを袋に入ったまま解凍

 ※ちょっと時間がかかるけど、トビタケ独自の味と香りを保つため

 ・解けたら、最低限の汚れを落として、食べやすい大きさに切り分けます

 ※物に触れると黒っぽく変色するのはトビタケの性質。下の写真のように、触れていないところは白っぽい。

 ・300gぐらいあります。既にすごくいい香り!!

 ・大型のナス3個を食べやすい大きさに乱切り

 ・使う具材は、この2つだけ。シンプルです

 ・ごま油適量で炒めて、酒醤油みりんに砂糖と顆粒出汁で調味します

 ・ナス全体に油が回ったら

 ・トビタケも加えて炒めます(ごま油を若干追加)

 ・全体がしんなりしてきたら調味料を加えます

 ※酒みりん大さじ3に砂糖大さじ2。醤油は後から大さじ2ほど入れました

 ・水分があらかた飛んだら出来上がり

       ただのまっくろくろすけに見えるけど、香ばしいいい香りです

       香りを伝えられないのが残念

 この料理。見栄えはしないけど、味と香りは無双です。

 それを知っている家族は、喜んで食べております。 ・・・マタギも、

 ああ、旨い!

 今年も猛暑になることは間違いなさそうだけど、ちゃんと発生してくれるかなあ。

 少々心配だけど、すごく楽しみなのであります。

 

 山の神様・天気の神様、よろしくお願いいたします。

 洪水も収まってくれよ。


モダシの佃煮で猛暑越え

2024年07月17日 | キノコ料理

 そろそろ次の常備菜が欲しいんですけど、台所全体を見渡してみれば・・・、これでしょうな。

       サワモダシの塩漬けです

 我が家の台所に本格的に保存されている山菜・茸のうちでは、この子がかなり早い順番でリセットされる予定です。

 他にも、材料がないことはないんだけど、今年も予想される猛暑を乗り越える料理には、これが最適と考えました。

 で、何を作るかと言うと、佃煮

 まあ、常備菜としては普通なんだけど、モダシの場合、色々な変化を加えて楽しめそうな気がするんですね。

 つまり、モダシ君には、マタギの思いつく色々な課題をクリアして、立派な猛暑越えの料理に成長してもらいたいわけなんですよ。

 では、始めますよ。

 下ごしらえ・調理の部

 塩漬けなので、例によって、しっかり塩抜きしておきます。

 ・軽く洗って塩を流し落としたら

 ・沸騰したお湯に入れて、冷めるまで一晩

 ・翌日、もう一度水を入れ替えて、更に半日水にさらします

 ※水を切って重さを量ったら300g強ありました

       調味料は濃い目に

 ※高温多湿下なので濃い目の味付けに(酒醤油みりん各50ml)

 ※顆粒出汁もちょっと入れて

 問題は、次。

       暑さを越えるなら『鷹の爪』で浄化

 最初、威勢よく1本入れようと思ったんだけど、辛さが怖くなってきて半分にしました。

 ・種を抜いて小口切りに

 これでも怖いです。・・・どのくらい辛くなるのか。

               

 ・ごま油で軽く炒めたら

 ・調味料を全部(鷹の爪も)入れて煮詰めます

       おうりゃあ!煮詰まれ煮詰まれ!!

 ・汁気が殆どなくなったら火を止めて

       器に盛って一晩待ちました(味を馴染ませる)

 翌朝です。

 いよいよ、ご飯にかけて食べてみたら、

 旨・辛・しょっぱ!!!

 こいつは、なんぼでもご飯が進むぜ!

 うん。 これは、正に猛暑越えの料理だ。

 元気が出るぜ。

 このおかずで、しばらく楽しませてもらえそうですね。

 で、まだ桶にモダシが残っているから、なくなったら再挑戦ですよ。

 味付けとか材料に更に変化を加えられそうだしね。

 ・・・早速、妻がおろし大根に和えてくれました。これも、超旨かった!

 この夏の楽しみが、また一つ増えましたよ。


夏 食卓の友 『だし』の季節です

2024年07月01日 | キノコ料理

 まだ梅雨明けしていないはずなのに、連日真夏日の山形です。

 この季節になると食べたくなるのが、山形県民のソウルフード『だし』なんです。

 単純だけど、理にかなっているし、何と言っても、美味しくて食が進む無敵の料理と言ってよいでしょう。

 季節の進行とともに、自動的に「そろそろだ。」と思えてしまうから不思議な料理です。

 本年度の第一号を作ってみることにしました。

 超簡単なので、お勧めです。

 下ごしらえ・調理の部

 まずは、冷蔵庫にある夏野菜を適当に見つくろいます。

 ※ナス2個にキュウリと細ねぎとシソで行ってみます

 ・全てみじん切りです

       ナスは一応アク抜きのため水にさらしました

       かなり大雑把だけど気にしない

 ・キュウリとネギに続いて、シソもみじん切りにして

 ・全部まとめたら、それだけでOKなんだけど、謎の瓶詰め登場

 ・去年作っておいたナメコのナメタケです

 ・鰹節と出汁醤油で味付けしたら

       ほぼ完成と言って良いんだけど

 これをキンキンに冷やして使いたいので、

 ・塩を一つまみ加えて、ちょっとだけ濃い味に

 あとは、冷蔵庫で冷やしておいて、

       ご飯に好きなだけかけて戴きます

 これが旨いのよ!

 爽やかにトロトロで、夏野菜の精気が身体中に溢れていく感じ。

 夏の暑さと梅雨の湿度のため、食傷気味になりやすいこの時期、この料理からは、元気をもらえます。

 ついでに言うと、お好みで唐辛子なんかを加えると、更に食欲が進むこと請け合い。

 本当に、元気が出ました。

 ご馳走様でした!

    ちなみに、今回作った『だし』は、数食分あるので何日間か楽しめます。

 なくなった頃に、新しい夏野菜(ミョウガとかオクラとか色々)を組み合わせて楽しむのです。

 山形の先人は、素敵な料理を発明したもんだ。

 これから暫く、楽しませてもらおうと思っています。


隙間時間にキノコパスタ

2024年01月22日 | キノコ料理

 本日(1/21)は、都道府県対抗男子駅伝。

 事前に入手した情報を読み解くと、長野県の圧勝。これは揺るぎないだろう。各世代に隙がない。

 そして、我が山形県チームの上位進出は全く見込みなし。

 結果は目に見えている。

 それでも、少しは健闘して県民の心を盛り上げてほしい。

 そんな思いで応援を始める。

 で、困ったことに、この駅伝の時間設定って、まともにランチタイムなんですよね。

 だもんだから、こちらもランチの区間配置を考える。

 食事時間は、一番距離の長い最終7区。

 ここは、タスキの受け渡しからゴールまで最低でも30分以上かかる。

 そこをめざして食事を作ればよいのだ。

 で、5区が狙い目。この区間もそれなりに長いから、ここまでで目途が立っていれば焦る必要がなくなる。

 はい、決まりました。

 本日は、駅伝観戦仕様ランチです。

 作るのは、キノコとベーコンのパスタ

 朝食が終わったら準備が始まりました。

 下ごしらえ・調理の部

 ・冷凍しておいたサワモダシを常温で解凍しようとしました

 失敗。

 この季節は、常温では全然溶けません。ジップロックごとぬるま湯につけ直し。

 3区(ここも長い)に入ったところでベーコンを短冊に切り分けます。

 調味料も準備しておきました。

 ・オリーブ油で肉キノコを炒める予定です

 ※あとは完全和風なので酒醤油と和風出汁で行く予定

 タスキが5区に渡ったところで、具材炒めに取り掛かります。

 ・滑りの良いフライパンでベーコンを炒めたら

 ・キノコも加えて炒めます

 ・酒醤油各大さじ1と顆粒出汁小さじ1を加えます

 ※パスタを茹でるための塩水を火にかけて6区の状況を確認。7区にタスキが渡ったら、

 ・時間通りに茹でたパスタを具材に合流させて

       はい、出来上がり

 当初は、塩を足して味を整えるつもりだったんだけど、全く必要なし。

 粉チーズもタバスコも不要で、十分に美味しいんです。

 これは、家族全員の共通見解。

 多分、キノコ(サワモダシ)の風味とベーコンの塩味がいいバランスで絡み合っているおかげだと思います。

 なんだか、駅伝の合間に食べるには勿体ない美味しさです。

 そう言いながらも大急ぎで食べ切って駅伝のゴールを見にテレビの前に戻りました。

 それぞれのランナーが、それぞれの想いを胸に走り切る姿は尊い。

 順位が付くのは仕方がない。

 我が山形は下位(それでも去年よりだいぶ上)だったけれど、よく頑張っているのが伝わってきた。

 皆さん、お疲れ様でした。

 また来年も楽しませてください。

 そして、山の神様にも改めて感謝ですね。

 本日のキノコパスタもすごく美味しかったです。

 こちらは、来年じゃなくて、来たる秋に収穫し、また、楽しませてもらいたいと思います。願わくば、自然界が戸惑わない、落ち着いた天候でありますように。

 ということで、

 ご馳走様でした!


ナメコの最終保存は瓶詰めに

2023年11月26日 | キノコ料理

 今年最後(?)のキノコ採りも、非常に楽しかった。

 同じ方面に4回目なのだが、毎回、コースが少しずつ変わる中で新たな発見がある。

 ある意味、ゲームのストーリー中に身を置いて、自分の頭と身体を使いながらクリアしていく感じ。一つのステージをクリアする度に、キノコの報酬をゲットできるのだ。

 今回いただいてきたキノコは、

       ナメコと

       ムキタケです

 どちらも高品質なので料理が楽しみなのですが、ナメコが多すぎます。

「冷蔵庫に、まだまだたっぷりあるのよ。」

確かに、即戦力用としては、多すぎるほどのナメコがある。

「でも、ナメタケがもうすぐなくなるかも。」

ああ、ナメタケをご希望なんですね。

 確かに、今回作ったフードプロセッサーナメタケは、非常に美味しいし使い勝手が良い。

 だったら・・・ 

  ポクポクポクポク チ~ン

     長期保存用瓶詰めナメタケ

 これで行ってみましょう!

 ただし、冷蔵庫に入れており、おつゆなどに使っていたプレーンナメコをナメタケにしてしまいましょう。

 そうして、今回採ってきた新鮮なナメコをおつゆ用にすれば、どちらも、より長く楽しめるはずです。

 調理の部(と言っていいのかな?)

 ・まずは、本日のナメコを洗って茹でて冷蔵庫へ

 で、今まで冷蔵庫に入っていた分をナメタケにします。

 ※重さを量ったら、1.5kgありました

 ・4回に分けてフードプロセッサーでみじん切りにしたら

 ・酒醤油みりん各1カップと、砂糖と酢を大さじ2ぐらい入れて煮込みました

 ・その脇で保存用の瓶(お湯入り)を並べた鍋でお湯を沸かしておきます

 ※並べておくことが大事。その際、瓶にお湯が入っていないと、浮いて倒れてしまいます

 ・火傷に気を付けながら1本ずつ瓶のお湯を抜いて、代わりに沸騰したナメタケを注いで戻していきます

 ※瓶の口ギリギリまで注ぎます

 ・軽く蓋をして暫く沸騰させたら(多分15分ぐらい)、蓋を閉めて消火

 ※トングと濡れ布巾で作業しました。ここも火傷注意

 ・取り出した瓶の蓋が閉まっていることを確かめたら一晩裏返し

 ※上にできた空間は水蒸気なので、冷めれば水に戻って真空になるはずです

       翌日には冷めて、蓋がへこんでいます

       多分、これで1年はもつはずです

 さて、1.5kgのナメコですから、まだまだたっぷりあります。

 ・残りの分は、即戦力として冷蔵保管します

「このぐらいあると、丁度いいわ。」

とのことでした。

 確かに、このぐらいあれば、今年中ぐらいは十分に楽しめるでしょう。思い切って大量生産して良かった。

 ところで、左下の瓶の文字、読めます?『ナメ辛』と書いてあります。

 これだけ、マタギ専用の瓶で、切込み南蛮風味になっています。こちらも楽しみ。

       この日の夕食

 やっぱり、今回の新ナメコは(も?)軸が太くて風格がありますな。

 極めて美味しかったです。おひたしにかかっているナメタケは、以前のものです。今回の作品を実際に食すのは、2~3日あとになるでしょう。

 大量のナメコも、これでひとまずけりがついたかな。

 その美味しさを、今年一年の収獲の喜びとともに、じっくりと味わいながら食べていきたいと思います。

 山の神様、ありがとうございました。