山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

何はなくてもイヌドウナ

2024年04月30日 | 山菜採り

 我が家のフジの花が、

       ほぼ満開になりました

       花穂も伸びて半分以上開花

 このことが意味するのは、遥かに離れたT川の山菜も最盛期を迎えるということ。

 この法則は、山形県の温暖化が進んでも変わらない感じ。

 いよいよ、T川も本番ですよ。

 本日も同行するのはT氏。そして、去年の秋以来のA氏。

 3人で行動するのは、1年ぶりだ。

 年々老境に近付いている3人だが、こうして今年も同行できるのは、何よりも喜ばしいことだ。

 「やっぱり、クワダイ(イヌドウナ)欲しいね。」

「俺も。他はいらないからクワダイ。」

車中でA氏と近況報告しあいながら、本日の目標も確認しあう。

 途中から合流したT氏も、

「今日はクワダイ。」

と言う。

 この山菜、キク科の多年草(?)で、独特の風味があるせいか、コゴミやワラビみたいなメジャーではないのだが、その美味しさを知ってしまうと病みつきになる魔力を持っている。

 そして、我が家のフジが花盛りと言うことは、T川のクワダイも盛りと言うことなのだ。

「先週当たれねっけ斜面な。」

「まず、あそこまで行ってから、次、考えっぺ。」

先週の目的地は、下流のコゴミ畑。 今週はクワダイが目的だから、上流の斜面をめざすことになった。

その辺は、何十年と一緒に通っている3人だから、余計な説明はいらない。あそこと言えば、あのクワダイパラダイスの斜面に決まっているのだ。

 

       あの斜面を登る

 そこは、

       クワダイが

      いくらでも生えている

       正にパラダイス

       コゴミも生えてるね

でも採りません。

       フキも大きくなってきた

でも採りません。

       欲しいのは、先の尖った貴婦人のような

クワダイだけ。

       「つい採り過ぎてしまった」と言うA氏はリュックに詰め替え

 マタギは、ものの15分で打ち止め。

 出ている山の幸を観察しながら散策します。 

 おや? あれは?

       ウドですね

初物につき、ゲット。

 ついでに、木の枝につかまりながら崖を下って、

       これも初物なので

 ウルイ(オオバギボウシ)もゲット。

 ついでのついでに、

       せっかくアイコも出てるからゲット

 何だか、品数が増えてきましたよ。

 でも、このぐらいなら何とかなるよね。

 これでも、自制したんです。

 ゼンマイもちょうど盛りだったけど手を出さず、ミズも大分大きくなってきたけど手を出さず、帰宅後の下処理に困らないくらいの収穫です。

 ・・・まあ、このほか、フキノトウの雌花とシドケも少々もらってきたけど、何とかなるでしょう。

 まだ、午前6時半前なんだけど、もう十分です。

 T氏もA氏も同じ心境のようです。

 ああ~、面白かった!

 収穫もさることながら、今年もこの3人で山遊びを堪能できたことが何よりも嬉しい。

 自然界からの恵みと、我々の健康に乾杯!

 山の神様、本日もというか、今年もありがとうございました。


二匹目のドジョウに代わって新境地パスタ

2024年04月29日 | 日記とレシピ

 本日は、先週に引き続いてアジを連れ帰る予定だったんだけど、連れて帰ったのは、

       アサツキちゃんでした

 とにかく色々あって、釣りを諦めたのが午前5時過ぎ。

 二匹目のドジョウは手に入らなかったということです。

 ただねえ、退散するには、あまりにも早すぎる時間帯なので、場所を変えて、ちょっとアサツキを戴いて、連れて帰ったというところでしょうか。

 さて、アサツキと言えば酢味噌和えが我が家の定番なんですが、妻は、

「あの、パスタも食べてみたいわ。」

と、のたまわれる。

 確かに、これまで紹介しているように、アサツキはオリーブ炒めとの相性が非常に良い。

 そんでもって、今年は、パスタとしての調理は、まだ一度もやっていない。

 そう言えば、大きな宿題があったことを思い出した。

 これは、試してみるチャンスですね。

 やってみましょう、一年ぶりのパスタ・チポリーナ・オーリオ

 要するに、オリーブベースのアサツキ風味パスタね。

 去年の今頃に作って好評だったんですけど、作者としては大きなわだかまりが一つ残っている。

 で、多分この方法ならクリアできるかもしれないと思いついた調理法を試してみるのだ。

 それでは、いってみます。

 下ごしらえ・調理の部

 ・汚れやひげ根をしっかり落としたアサツキ(30g)を

 ・寸切りの半分ぐらいに切って(すんごくいい香りです)

 ・ベーコン80gを短冊に切っておきます

 ・大き目のフライパンにオリーブオイル50mlを敷いて熱したら

 ・ベーコンに火を通して

 ・アサツキも投入、オイルを絡めて

 ・球根が透明になってきたところで火を止めます

 ここからが、本日の勝負どころです。

  

 ・火を止めたアサツキベーコン炒めに、薄力粉大さじ1を塗しておきます

 ・パスタを熱湯(3ℓ+塩大さじ1)で表示時間マイナス1分間 茹でて

 ・パスタはザルへ、湯切り

 ・ゆで汁のうち1カップは、右のフライパンへ

 ・再度加熱して沸騰させると

       全体が混じりあってトロミがついてきます

 この過程を『乳化』といって、パスタでも、特に『・・・オーリオ』と名のつく料理では非常に大事なんだそうだ。

 簡単に言うと、汁とオリーブ油とが一体化して馴染んで、全体の食味がまろやかになる。

 これが、普通に書いてあるやり方だと、なかなかできなかったんです。

 そこで考えついたのが、今回のやり方。

 本日は、化学です。

 要するに、水分と油分を仲介する界面活性剤は何か、という話です(正確かどうかは分からんが)。

 で、思いついたのが『クリームシチュー』

 炒めた食材と牛乳なんかにトロミをつけて、全ての食材を馴染ませるために『小麦粉』を使っているじゃん。

 オリーブ炒めに、パスタのゆで汁を入れるのも同じ理由じゃないの?

 ただ、市販のパスタのゆで汁だと、溶け出す小麦粉が足りなくてトロミがつきづらい。

 だったら、クリームシチューみたいに、必要量を前もって足しておけばいいのでは。

 そう考えて、小麦粉をあらかじめオリーブ炒めに馴染ませておいたんです。

 一応、パスタなので、普通の小麦粉ではなくデュラムセモリナ粉を使ったけど、多分、普通の薄力粉でも目的は達成出来ると思います。

 ここに茹でかけのパスタを絡めたら、

       出来上がりです

 オリーブオイルがしっとりとパスタに馴染んで、これまでに食べたことがないほど極めて美味でございます。

 もちろん、家族の評判も極上でございました。

 ホントは、アジを連れ帰るはずだったんですけど、アサツキに代わったおかげで、パスタ料理のレベルを上げることができました。

 とってもラッキー!

 これも、海と山の神様のおかげでしょうな。

 ありがとうございました!


職場まで『ゴールデン』が広がった!

2024年04月28日 | 山菜料理

 N川に春が来たと思ったら、近場の山にも春が来ていた。

 念のために下見に出かけたはずのT川も『旬』を迎えていた。

 更に、海には、回遊魚たちが南海から遡ってきている。

 これは、いよいよもって、山形の山海にも、自然界のゴールデンウィークがやってきたと見るべきでしょう。

 ・・・だったら、我が職場でも、山の神様がかけた魔法が効き始めるんじゃないかい?

 もしかして、出始めてるかも。

 昼休みに、敷地内の竹林を歩いてみた。

 タケノコ(孟宗竹)の場合、伸びたものは、見ればわかるのだが、出始めを探すのが極めて面白いのだ。

 この場合、ほとんど目に頼らない。

 竹林の周りや中を歩き回りながら集中するのは、足の裏だ。

 歩いていて、足の裏に何か固いものが触れたら、ここで初めて目視で状況を確かめる。

       分かる? タケノコの頭

 これが見つかったら、周りの土を丁寧に掘ってみる。

 すると、出てくるんですねえ、かわいいタケノコちゃんが。

 喜んで掘りたいところなのだが、本日、手持ちの道具が、アサツキ掘りの時に使った移植ベラしかない。

 なんだか頼りないんだけど、やってみます。

 ・・・しかし、残念。竹林の土やタケノコ本体には、とてもでないけれど太刀打ちできない。

       グンニャリと曲がってしまいました(これは修理しかけの状態)

 困った挙句に、こんなものを使用。

       タイヤのナット交換に使う道具です

 これだと、曲がったりはしないんだけど、非常に難儀させられました。

 かろうじて掘り出したのが、この子たち。

       本日の収穫物

 申し訳ないぐらい中途半端な掘り方になってしまった。

 次回は、しっかりとした道具を準備しましょう。

 さて、せっかく掘り出したお宝です。

 美味しく調理しなければなりません。

 孟宗竹の場合、生産地である職場にも還元する必要があるので、今年も土佐煮にしましょう。

 下ごしらえ・調理の部

 タケノコの汚れを洗い落としたら、

 ・根元のイボイボを削り落として、頭の部分に切れ込みを入れます

 ・ヒタヒタの水に、お米を適量入れて

 ・落し蓋をして、沸騰40分(アクを抜きながら柔らかくする)

 ・柔らかくなったのを確かめたらお湯から出して冷まします

 ・皮を剥いて、食べやすいサイズに切り分けてみたら

       600g強ありました

 ・醤油60、みりん80、砂糖40g+顆粒出汁で調味

 ・弱火で煮詰めて、煮汁がなくなってきたら

 ・鰹節2パックを加えてもう一煮立ち

       職場用を確保したら

       残りは家族でいただきましょう♡

       本日の夕食にも参加

 食べてみては、大変美味しかったです。

 ただ、ほんのちょっとだけエグ味が残ったかも。

 これは、最初の茹でる段階の問題でしょうな。

 時間?下処理?

 次回、もうひと工夫してみたいと思います。

 それにしても、ついにタケノコの季節が始まってしまいましたねえ。

 すわわち、ワクワクがピークに達するということです。

 山の神様、今年もよろしくお願いいたします!


めざせ山海の膳(後編)

2024年04月27日 | 日記とレシピ

 T川探訪からの帰宅後、妻の助けもあって、なんとか山菜の下ごしらえが終わった。

 おかげで、ちょっと休憩がとれる。

 ひと眠りしてから後半の部を始めた。

 後半戦で作るのは、アジ料理

 また美味しく食べたいと思っているし、そうなるように鮮度を保ってきた。

 ただ、昨日の料理で気にかかっていたことがあったので、それを確かめることが、もう一つの目的。

 まずは刺身を作って確かめてみます。

 アジの尾から頭に向かって、皮を包丁で撫でてみました。すると、やっぱり。

       かなりの鱗がはげ落ちてきました

 恥ずかしい話なんだけど、これまで何十年もアジの料理をしてきたのに、気づかずにいた。

 アジの皮に関しては、『ゼイゴ』を外せばOKと思っていたのだが、昨日の刺身で、ウロコのようなものが身にまとわりついており、気になっていたのだ。

 普段、ほとんど気にならないのに、これだけしっかりウロコを纏っているのは、長距離を回遊してきたせい?

 よく分からないんだけど、今回のアジに関しては、ウロコ落としの作業が必須なようだ。

 ・このウロコを丁寧に削ぎ落してから三枚おろしに進みました

       2日目でも、かなり良い状態です

 ・腹骨と血合い骨とを丁寧に外してから皮を剥きます

       まだまだ最上級の鮮度を保っています

       刺身の準備OK

 多分、これで昨日食べたときの違和感は解消されると思います。

 続いて塩焼き、参ります。

 ・ウロコは勿論、ゼイゴを外して、エラとワタを抜いておきます

 ※化粧塩も、焼くときに忘れないように

 さて、1匹だけ残ってしまいましたよ。

 これは、タタキにしましょう。

 ・細切りの刺身を刻んで、粗みじんのショウガとネギを和えます

       爽やかな辛味と旨みが堪らん!

 食事の直前に塩焼きを仕上げます。

 ・コンロの加熱を始めたら、薄く塩して飾り包丁を入れて、ヒレとエラブタに化粧塩

 ・両面焼きコンロで強火2分 + 弱火7分加熱してみました

       さあ、『山海の膳』が出来ましたよ

 今回はアジ料理3種と、コゴミ・シドケ・クワダイのおひたしが並びました。

 それぞれの料理が、それぞれの美味しさで味覚と心とを満たしてくれます。

 このことは、家族も同様のようです。

 そして、これは、収穫者だけの特典だと思うんだけど、一つ一つの料理を食べるごとに、収穫のシーンが蘇ってくるんですよ。

 魚のアタリにアワセて引き寄せるときの手応え。寄せた獲物を抜き上げて手にした時の喜び。

 増水中の川を渡った先、目の前に広がる山菜パラダイスの感動。

 そんな絵が浮かび上がる中で戴く『山海の膳』、この上ない美味しさです。

 山の神様、海の神様ありがとうございました。

 これからも、この感動を楽しませてください。 よろしくお願いいたします。


めざせ山海の膳(前編)

2024年04月26日 | 山菜料理

 思いがけずと言うか、予想以上に成長していたT川の山菜。

 途中で収穫を止めて帰ってきたんだけど、これが正解だったかもしれない。

 なぜなら、山菜の下ごしらえが終わったら、クーラーボックスで待機しているアジの料理も進めなければならないから。

 『旬』の山菜や魚は、『旬』のうちに食べるのが一番いいのだ。

 だから、出来るだけ早く山菜の下ごしらえを済ませておかなければならない。

 ちょっと厄介な山菜もあるので、少々不安。

 スーパー朝仕事が2日続いたから、いつ睡魔と疲労に襲われるかも不安。

 だったら、出来るだけ早く山菜の下ごしらえを済ませてしまい、余裕をもって魚料理を進めましょう。

 そうして、目指すのはスペシャル料理、『山海の膳』です。

 それでは前半戦、山菜の下ごしらえから。

       ラッキーなことに、ほんのわずかなシドケとクワダイ

       チャチャッと茹でて

       クワダイ

       シドケのおひたしです

 続いて、フキノトウも簡単に。

       花と葉を落とし

       8分ほど茹でたのは、これまでで一番太かったから

       寸切りにして

 あとは、いつものようにごま油で炒めて、調味料を加えて煮詰めて、

       三丁目上がり!

 ラスボスは、コゴミです。

 下ごしらえにかなりの手間がかかります。

 今回は、妻が覚えて手伝ってくれたので、かなり助かりました。

       汚れを落としたコゴミを茹でたら

 妻が親戚に配りに行ってくれました。

 残りは短時間湯がいて、

 ・1%の塩を塗して

       真空パックして冷凍庫へ

 あとは、下ごしらえの済んだ天ぷら用が少し残っているだけ。

 ここまでで、なんとか昼飯前に終わりました。

 ちなみに、

       夕食時には3色盛りになりました 美味しかった!

 午後からは、残っているアジの料理です。

 さあ、今度は、海の神様にご恩返しをしなければ。

 それでは続きは、また明日。