『日本そばにこだわる』3杯目。今回のネタは『花巻そばを食べたことはありますか。』である。前回の『しっぽくそば』の段でも書いたが、落語・時そばの蕎麦屋のメニューの一つにも『花巻』はある。
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一流どころの蕎麦屋のお品書きには必ずある『花巻そば』、かけそばに焼き海苔を乗せたメニューである。単にそれだけだが、江戸時代は板海苔は高価な食材であり、カツオや昆布で取った出汁にかえしを加えて作ったつゆのかけそばに海苔を乗せて香りを楽しみながら食べる。
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そのため、香りの強い七味唐辛子やネギは基本入れずに海苔と出汁を楽しむのが江戸風と言われてきた。ただ、かけそばに4枚板海苔が乗っただけで100円以上高いのは納得いかない向きには是非一度ご賞味して頂きたい。
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そこでまず、お邪魔したのは『浜町薮』、甘酒横丁を浜町方向に5分ほど歩いたところにある。店は新しいビルの1階、コロナ禍もあってかそれほど混雑はしていない。
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花まきそば(860円)を注文、お品書きの温かいそばにはたぬきやきつね、かけそばはなく、一番先にあるのが花まきそば、次いで卵とじ、月見、かきたまうどん、釜揚げうどん、おかめそばと続く。5分ほどで出されたそばには海苔が4枚、ちゃんと生ワサビが乗せられている。まずはワサビの乗った海苔と蕎麦を頂く。
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口の中で海苔とワサビ、さらにうまい出汁と蕎麦が渾然一体となり、香りも素晴らしい。出汁を一口、甘くはないが、鰹だしの香りがふーとする。海苔と蕎麦を一緒に食べ、出汁を飲む。単純ではあるが、じっくりと楽しめる。
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番外編として事務所の近くの『高松』で季節限定の生のりそば(800円)を食べに行く。こちらはかけそばの上にたっぷりの生海苔と蒲鉾2枚、ほうれん草が乗せてある。
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板海苔と違い、はじめからほぐれているから蕎麦によく絡む。海苔の香りも高く、出汁もいい味になり、中々美味い。いつでも食べられる訳ではないが、蕎麦の具としては生海苔もありだなあと認識した。
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