『改めて日本語を考える』その18。日本語は実に面白いが、外国人にはわかりにくいだろうと思われる言葉は多い。例えば『あべこべ』、例えば『君、靴が左と右があべこべだよ』と使うが、簡単に言うと(物事の順番や位置、関係が)ひっくり返っている様を言う。
では漢字で書くとどうなるか、諸説あるが『彼辺此辺』、『彼方此方』などとなる。つまり、直訳すると『あちらとこちら』となり、あっちがこっち、こっちがあっちと解するのだろう。『あ』と『こ』を使った同じような言葉が『あれこれ』『あちこち』といくつもあるのが面白い。
2つ目は『とんちんかん』だが、間抜けた答をされた時や見当違いな話をした時に使うのだが、当てる感じが思いつかない。調べると『頓珍漢』となるが、これは当て字らしい。語源を調べると鍛冶屋が鉄などを鍛える時に槌を打つがこれが揃わず、ずれて聞こえる様を言う、つまり擬態語というより音から来ているのである。
3つ目は『ちんちくりん』、意味は背が低いことを嘲ったり、着物の丈が短く可笑しい様を言うが、これを漢字にすると『軽尺』『酷零』と2つに分かれる。前半は単に小さいこと、後半はひどく小さいこと、つまりこれを重ねてひどく小さいことを強調していることのようである。似たような言葉に『つんつるてん』があるが、こちらは本来は禿げ頭だけの意味をもつ言葉で着丈が短く可笑しい様に使うこともある。
音感や語感だけで何となく可笑しく聞こえる言葉だが、調べてみるとその語源もなかなか面白い。