hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

第23番札所 音楽寺

2015-08-09 05:00:06 | 日記

『古刹を巡る』その36。秩父には札所は34カ所あるが、1番と34番を除き印象的だったのが、第23番札所の音楽寺である。

名前も中々珍しくその起源を思わず知りたくなる。実はたかが知れていて、この寺の創建に携わった13人の聖者が松風を菩薩の風と聞いたからと云われている。

この寺が脚光を浴びたのは明治初年、日本各地で庶民から自由民権の動きがはじまり、ここ秩父でも秩父事件という中央政府に物申した事件が発生した。1884年に田代栄助を総理に養蚕を行っていたが、その採算が合わなくなり、借金が返せなくなった農家を中心に蜂起行動に出た。



初めは地元警察などは手がつけられない状態までにしたが、最後は中央から派遣された憲兵隊などに鎮圧された。その蜂起の合図を行なったのが、音楽寺の鐘である。ちょうど秩父市内を見下ろす環境にあり、その鐘が打ち鳴らされたと伝えられている。

今は、寺の名前から曲のヒットを祈願する歌手、特に演歌歌手の願掛けが絶えないようで、申し訳ないが全く聞いたことのない演歌歌手のポスターが沢山貼られていた。

一方、静かな観音堂にはコスプレ写真を撮る若者たちに人気なようで、雨にもかかわらず、傘を差して可愛らしい女の子がレフ板を前にポーズを決めていた。

ただ、秩父市内を望むこの丘に佇むと秩父事件であろうが、コスプレであろうが、ゆったり受け止めてくれるこの大いなる自然に感動する。やはり、この地は何回訪れてもいいものである。