放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

時計台と運河紀行6

2022年11月27日 00時23分19秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 2022年8月21日・日曜日
 お宿を出て札幌駅へ向かう。
 目指すのはホントの目的地・小樽。
 函館本線に乗って西へ向かう。
 市街地をぬけてしばらく走ると、やがて右手に石狩湾の景色が見えてきた。太平洋側のギラギラな海とは違って、少し黒くて険しい色をしている。そもそも広い砂浜などはなく、線路のそばまでゴツゴツの岩場が迫っている。海面から顔を出している岩もあるので岩礁だらけなんじゃないだろうか。かと思うと小さなコテージが数件建っている小さな海水浴場が車窓越しに通り過ぎていった。なんか小ぢんまりしていていいな。
 少し陽が出てきた。すると暗かった海の色がみるみる青く輝き、夏の海らしい明るい表情を取り戻す。見れば遥か遠くまで湾曲しつつ続く海岸線の向こうに小さな突端が見えてきた。岬だろうか。それなりに大きな山塊のようだ。
 列車はその山塊の根本めがけて進んでゆく。小樽築港、南小樽と駅を通り過ぎる。不思議なことに南小樽で乗客の乗り降りがたくさんあった。ここは何かあるの?

 やがて小樽駅到着。
 なんか、雰囲気ある。プラットホームの屋根が「昭和」って感じ。H鋼鉄の腕木にぼってりと厚い塗装がされており、港町の厳しい寒さを想像させる。
 改札を抜けてロビー広場に進むと、中央に小さな木枠のドームがある。そこにガラス風鈴がいっぱいぶら下がっている。見上げれば高窓の格子枠にはいっぱいのランプ。ランプには横一列ごとに同じ色ガラスの笠を揃えてあり、まぁるいガラス火屋一つ一つに陽の光が照り映えて柔らかく屈折している。ステンドグラスみたい。それがレトロなランプで出来ているってのがいかにも昭和っぽくていい。
 キレイだ・・・。これはテンション上がるなぁ。



 実は小樽に捜しに来たのは「小樽ガラス」。

 大切な喪くしモノを求めてここまで来た。
 でも同じものが果たしてあるかと言うと、望みはかなり薄い。販売していたお店は判っているが、同じ製品を扱っている可能性はむしろ皆無と言って良い。そもそも手作りのガラス製品なのだから、基本一点モノばかり。似たような雰囲気の製品を見つけて買えたとしても、却ってオリジナルとのギャップに苦しむことになるかもしれない。
 
 さて、小樽駅を出て、明るく晴れた街にあるき出す。
 小樽は駅から港まで下り坂である。急坂ではないが、そこそこの傾斜、しかも長い。ロサンゼルスみたい(行ったことないけど)。これは行きはいいけど、帰りは上り坂だからコロコロ引っ張って地獄だね。
 どーする?お宿までバスで行く?タクシー?いやいや歩こう!
 というわけでコロコロ引っ張って坂道を下りてゆくことになった。
コメント
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