恋忘れ草
***
とつぜん 本当に突然
あなたはつぶやいた
つらい恋をしたことある?
なぜそんなことを?
彼はゆっくりと話し始めた
内容は
彼の友人が大失恋をして
かなり落ち込んでいるから
なんとかしてやりたいと・・
やさしさにふれた言葉だけれど
つらい恋をしたときは
そっとしておくしか他人に出来ることなど
何もない気がすると・・
口まで出掛かったけど
飲み込んでただうなずいた・・
***
つらい恋をしたときは・・
恋忘れ草は
萱草(かんぞう)の異称です
初夏から夏にかけて咲く
ユリに似た美しい花で
昔から
つらい恋を忘れさせてくれる花として
和歌にも詠まれてきました
漢方薬で使われる甘草(かんぞう)と
同じ音ですが
甘草はマメ科、萱草はユリ科の植物です
~忘れ草 我が下紐(したひも)に つけたれど
醜(しこ)の醜草(しこぐさ) 言(こと)にしありけり~
(「万葉集」大伴家持)
(忘れ草を下着に付けたけれど、ひどい草だ。全然違うじゃないか)
醜(しこ)の醜草(しこぐさ)とは
よほど腹に据えかねたのでしょう~
つらい恋を忘れさせる効き目はなかったようです
また
恋忘れ貝というのもあるようです
昔は
恋を忘れたい人が多かったようですね
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