朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
また一人ましな現場を求め去る浪江の空の渡り鳥のごと
(南相馬市)池田実 (6/8馬場あき子選)
原発を逃れ来し人桜島の陽を消すほどの火山灰(よな)を楽しむ
(西之表市)島田紘一 (6/16 高野公彦選)
ほんとうに心配なことは知らされないそれすら知らず送る毎日
(上田市)笠原幸子 (6/16 永田和宏選)
「吉田調書」やはりてんでんこ逃げていた危険感じたその場にいた人
(盛岡市)堀米公子 (6/16 佐佐木幸綱選)
衝撃の吉田調書が明らかに特報なくば未だ知られず
(千葉市)鈴木一成 (6/16 佐佐木幸綱選)
福島に住むなは天の声として他に住む人の永遠のご無事を
(福島市)山田毅 (6/16 佐佐木幸綱選)
わが首長らは避難者側と対座する国の職員の横に並びて
(田村市)久住秀司 (6/16 佐佐木幸綱選)
巨き輪を内から外へと越せばまた同心円の続くふくしま
(福島市)青木崇郎 (6/16 佐佐木幸綱選)
使用済み燃料棒は釜の外プールで白む「五重の防御」
(宇部市)崎田修平 (6/16 佐佐木幸綱選)
三百坪の土地と六十五坪の家を捨てて惜しみ離れつわが福島を
(国立市)半杭螢子 (6/23 佐佐木幸綱選)
よどみなくアベノミクスと唱え居り休耕田は汚染土の山
(福島県)山崎圭 (6/23 佐佐木幸綱選)
ヒロシマナガサキそしてフクシマ田水張る
(さぬき市)野崎憲子 (6/16 金子兜太選)
聖五月被爆マリアの海青し
(川口市)青柳悠 (6/16 金子兜太選)