かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(14)――朝日歌壇・俳壇から(2014年6月8日~6月23日)

2014年06月23日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

また一人ましな現場を求め去る浪江の空の渡り鳥のごと
             (南相馬市)池田実  (6/8馬場あき子選)

原発を逃れ来し人桜島の陽を消すほどの火山灰(よな)を楽しむ
             (西之表市)島田紘一  (6/16 高野公彦選)

ほんとうに心配なことは知らされないそれすら知らず送る毎日
             (上田市)笠原幸子  (6/16 永田和宏選)

「吉田調書」やはりてんでんこ逃げていた危険感じたその場にいた人
             (盛岡市)堀米公子  (6/16 佐佐木幸綱選)

衝撃の吉田調書が明らかに特報なくば未だ知られず
             (千葉市)鈴木一成  (6/16 佐佐木幸綱選)

福島に住むなは天の声として他に住む人の永遠のご無事を
             (福島市)山田毅  (6/16 佐佐木幸綱選)

わが首長らは避難者側と対座する国の職員の横に並びて
             (田村市)久住秀司  (6/16 佐佐木幸綱選)

巨き輪を内から外へと越せばまた同心円の続くふくしま
             (福島市)青木崇郎  (6/16 佐佐木幸綱選)

使用済み燃料棒は釜の外プールで白む「五重の防御」
             (宇部市)崎田修平  (6/16 佐佐木幸綱選)

三百坪の土地と六十五坪の家を捨てて惜しみ離れつわが福島を
             (国立市)半杭螢子  (6/23 佐佐木幸綱選)

よどみなくアベノミクスと唱え居り休耕田は汚染土の山
             (福島県)山崎圭  (6/23 佐佐木幸綱選)

 

ヒロシマナガサキそしてフクシマ田水張る
             (さぬき市)野崎憲子  (6/16 金子兜太選)

聖五月被爆マリアの海青し
             (川口市)青柳悠  (6/16 金子兜太選)