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いま、そのとき、かんがえつつあること。

映画『ビューティフル・ピープル』

2005-11-12 | 映画
『ビューティフル・ピープル[うつくしい ひとびと]』。ひさしぶりに いい映画をみた。

こりかたまった肩を、わらいと涙で ときほどいてくれるような映画だ。

民族浄化、内紛、決別と憎悪の応酬。とかく権力者は対立をうみだし、もっとも よわい立場にあるひとたちを傷つけ、くるしめる。

イギリスの不良青年が、足を麻酔なしで切断される人のためにヘロインで麻酔をするシーンで、もーれつに みるものの ちゃぶ台=固定観念をひっくりかえす。あの瞬間がたまらない。

最後のお医者さんのセリフも印象的だ。だけど「英国で内紛がおこったのは400年前だ」という、上流階級のおっさんの いかにも にくたらしい発言だけは、うつくしくない(笑)。あの おっさんだけは、すくわれてないね。

まごまごれびゅというサイトでは、あのセリフをもって映画そのものを批判しているが、あれは監督のメッセージだろうか。はなはだ疑問だ。

いつものようにamazonのレビューみんなのシネマレビューをよんだ。

めずらしいことに英語のamazonレビューまで よんだ。「この映画は、人種、ジェンダー、階級に関係なく、すべての人にみいだせる うつくしさについてのものだ」というレビューが、なかなか いい。あの したり顔おやじには、みいだせなかったのだが(笑)。もういちど、あのあたりのシーンをくわしくみてみよう。

ま、映画であれマンガであれ、「素材」をいかすも ころすも、うけて次第でございますよ。あと、まじめな話は「まじめくさってやろう!」という潔癖主義は、いっつも しかめっつらしている人のセリフです。その人の、その人による、その人だけのための。

教条主義でもなく、かったるい中身のない やわらかばなしでもなく、その境界をさまよう表現に期待したいし、自分もそんな表現をしていきたい。

「ビューティフル・ピープル ヘロイン」