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いま、そのとき、かんがえつつあること。

映画『マンダレイ』

2007-04-26 | 映画
ラース・フォン・トリアー監督。『ドッグヴィル』につづく第二作。つぎの『ワシントン』であわせて「アメリカ三部作」ということらしい。

前作の主人公「グレース」を演じたのはニコール・キッドマンだったが、こんどはブライス・ダラス・ハワードというひと。カリスマ性は そんなにないけど、いんじゃないでしょか。

1933年、アメリカの南部のある村(マンダレイ)で70年前に廃止された奴隷制が のこっていた。グレースは父親の権力(ギャング)をかりて、黒人奴隷を解放する。というはなし。

ま、ハッピーエンドじゃ おわらないんだけど。

奴隷解放なんて いっても、ハンデをつけられた状態でのスタートなんだから どうしようもないやね。白人は にげることも、再スタートもできる。黒人はそうではない。

ところでリンカーンは奴隷解放の功績をたたえられている。リンカーン記念館 - ウィキペディア

リンカーンの しろい石像を、黒人が掃除する。象徴的な風景。映画の最後に、さしこまれた一枚の写真。しろいリンカーン像をきれいにする黒人。

人種差別、奴隷制、多数決、民主主義、自由、自己責任。そんなテーマについて かんがえさせられる。名作。

この映画をみたあとに、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をみると、また ちがった見方ができるかもしれません。あと、トリアー監督が脚本を担当した『ディア・ウェンディ』は、展開が わかりやすすぎるきらいはあるが、アメリカの「武装する自由」問題をえがいた映画として紹介しておきます。