労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

【雇用・労働関係】2024年(令和6年)4月からの制度変更

2024-03-28 | 書記長社労士 法改正 労働関係

◇障害者の法定雇用率の引上げ ⇒https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001231885.pdf
 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、事業主に対して、その雇用する労働者に占める障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上になるよう義務づけている。
〇令和6年4月1日から以下の法定雇用率となり、今後、段階的に引き上げられる。
・民間企業 2.5%(従前2.3%)
・国、地方公共団体等 2.8%(従前2.6%)
・都道府県等の教育委員会 2.7%(従前2.5%)
〇週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになる。

◇裁量労働制の改正
 令和6年4月から、専門業務型裁量労働制における本人同意の導入や、専門業務型裁量労働制・企画業務型裁量労働制における健康・福祉確保措置のメニューの追加といった制度の適正化等に関する改正省令等を施行する。


◇労働条件明示事項の見直し ⇒https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156050.pdf
 無期転換ルールについて、無期転換申込権が発生する契約更新時における労働基準法に基づく労働条件明示事項に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件を追加するとともに、労働契約関係の明確化について、労働基準法に基づく労働条件明示事項に、就業場所・業務の変更の範囲を追加する。

◇時間外労働の上限規制 ⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
 これまで時間外労働の上限規制が適用猶予されてきた事業・業務について、令和6年4月1日から、時間外労働の上限規制を原則適用する。
・工作物の建設の事業
・自動車運転の業務
・医業に従事する医師
・鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業


◇自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の適用 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html
 自動車運転の業務について、令和6年4月1日から、時間外労働の上限規制が適用されるとともに、拘束時間、休息期間等を定めた自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)を適用する。

◇労災保険の介護(補償)等給付額の改定
 業務上の事由等により一定の障害を負って介護を要する状態となった労働者に対して支給される介護(補償)等給付の額について令和5年4月から、介護を要する程度の区分に応じ、以下の額とする。※()内は令和5年度の額
(1)常時介護を要する方
・最高限度額:月額177,950円(172,550円)
・最低保障額:月額81,290円(77,890円)
(2)随時介護を要する方
・最高限度額:月額88,980円(86,280円)
・最低保障額:月額40,600円(38,900円)

◇労災保険率等の改定 ⇒https://www.mhlw.go.jp/content/leaflet_r06.pdf
 業種毎の労災保険率等について、令和6年度から改定する。

厚生労働省関係の主な制度変更(令和6年4月)について⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198659_00017.html


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【メモ】水町勇一郎教授最終報告「日本労働法の歴史と課題」②課題

2024-03-21 | 書記長社労士 お勉強の記録

【メモ】水町勇一郎教授最終報告「日本労働法の歴史と課題」①歴史 からの続き
【21🏃Run5-12 5.70km 33:21 皇居】 東京大学社会科学研究所を年度末をもって退職をされる、水町勇一郎教授の最終報告が、3月15日、東京大学本郷キャンパス 法文 2 号館 31 番教室にて開催されたので、聴きに行ってきた。(4月から早稲田大学へ)
タイトルは「日本労働法の歴史と課題」。
その内容の【メモ】2回目。


Ⅱ 課題 ⇒工場労働を前提とした集団的保護ではカバーできない ⇒労働法の見直しが必要
1 世界(欧米先進諸国)の課題
〇グローバル競争と格差社会 ⇒低成長と社会的排除
□差別禁止政策(action plan,accountability,disclosure) ⇒罰則的なものではなく、PDCAを回しながら改善でアプローチ
□セーフティネットの整備(personal support service,mutual obligation,basic income) ⇒困った人にお金を出すのではなく ⇒パーソナルサポート(訓練➡就職活動➡働く)
〇経済と社会の連動・複雑化 ⇒デフレスパイラルが転機 ⇒格差是正・最低賃金アップ
□経済政策・社会政策と労働政策の融合(ex. アメリカ:EITC、イギリス:Universal Credit、フランス:RSA,prime d'activité) ⇒給付付税額控除
□市場と連動した労働政策(企業情報公表、優良企業認定、政策上の優遇) ⇒企業の努力を公表➡インセンティブを与える
〇デジタル化と労働法制 ⇒工業化でできた労働法=同じ場所で指揮命令➡ネットワーク(場所・時間が異なる、分散型、フラット化)
□労働法制の基盤の見直し(「労働者」概念、「使用者」概念等) ⇒労働法上の責任 ⇒事業場の概念
□プラットフォーム就業者等の保護政策 ⇒フリーランス⇒労働法の労働者でない場合
□デジタル化(AI・アルゴリズム)への対応(アルゴリズムによる監視・管理、個人情報・プライバシーの浸食、内在する差別からの保護等) ⇒ウェアラブルデバイス(スマートグラス・スマートウォッチなど)で情報がとられる、あるいはプロファイリング ⇒情報を身ぐるみ剥がされる ⇒労働法でどう対処するか? ⇒繋がらない権利

2 日本の課題
〇世界的課題と日本の対応 ⇒共通
□背景と政策の方向性の類似性 ⇒日本は諸外国と比較
□課題と対応の内容、速さ ⇒一周遅れ、二周遅れ
〇日本に固有の課題 ⇒労基法が守られていない! ⇒ほとんどの職場に労働基準法が存在していない
□労働法の実効性確保システム
・労使関係(企業別労働組合の限界と不存在) ⇒労働組合が現場で監視 ⇒しかし日本は呉越同舟(ストが少ない) ⇒フランスより日本は組織率高い、しかしフランスは産業別組織 ⇒日本の99人以下の中小企業の組織率は0.8% ⇒ネットワークの活用で改善できないか ⇒「企業内労組から産業別労組➡自発的展開で横に拡がる・デジタル化➡フリーランスが鍵➡労働協約の地域的拡張適用・労働者代表のあり方」
・行政監督(労働基準監督官等の人員の少なさ) ⇒ILO基準=労働者1万人で1人 ⇒日本は労働者6000万人で3000人 ⇒2万人で1人 ⇒日本には516万事業場 ⇒監督官が毎日1か所回っても(物理的に無理だが)7~8年かかる
・裁判所(裁判所利用率の低さ) ⇒日本では6500件/年の救済、仏で12万件、独で26万件 ⇒メンタリティの課題よりシステムの課題
□分権的社会秩序(企業共同体)を重視した労働法
・日本的雇用システム(正社員中心主義)がもたらした弊害 ⇒「過重負担⇔非正規」 ⇒格差、教育、低賃金、エンゲージメントの低下 ⇒同一同一
・労働政策決定におけるコンセンサス重視がもたらした弊害 ⇒共同体的決定 ⇒抜本改革ができない ⇒欧州なら「労使が反対してもマニュフェストで法制化」「法改正されなくても産業別労使で労協化」 ⇒だから日本と違って欧州は早い
・フィクションとしての労使関係と労働法の空洞化

3 労働法改革の方向性
〇世界的課題に対する機動的・動態的な対応
□山積する中長期的課題
□労働法学(社会法学)の役割と政治の役割 ⇒これまで出来ていない、やって来なかった
〇労働法の基盤(実効性確保システム)の整備
□現場での対等な交渉・調整の基盤となる労使コミュニケーションの場の構築
□働く人の健康や人権を守る行政や裁判所の機能強化 ⇒現場に任せられない
□市場やデジタル技術を生かした法政策の整備・構築
➡多様でスピードの速い社会変化に対応できる重層的な労働法の基盤の整備

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【メモ】水町勇一郎教授最終報告「日本労働法の歴史と課題」①歴史

2024-03-19 | 書記長社労士 お勉強の記録

【19🏃Run4-11 5.63km 34:22 五反田大崎品川】 水町勇一郎教授が東京大学社会科学研究所を年度末をもって退職をされるということで、3月15日、教授の最終報告が、東京大学本郷キャンパス 法文 2 号館 31 番教室にて開催されたので、聴きに行ってきた。(安中繁社労士、情報をありがとう!)
退職教員の最終講義ってのはたくさんあって、この日も各教授の退職講義を案内する大きな看板が何本も立っていたが、水町教授のはとても控えめで、そして水町教授の所属のところでは最終講義ではなく最終報告らしく、いろいろと趣が違う。
広い教室には、開始時間の関係か、開会前は空席の方が多かったが、最後の質疑応答の頃に会場を見回すと、かなり席が埋まっていた。
社会保険労務士や弁護士、運動や国の機関のお仕事などでご一緒した大学の先生方など、知っている方もたくさん参加されていたのも納得であり、驚きであり(せっかくやから皆さんにご挨拶はしたかったが多すぎて出来きれず…)。

 最終報告会は、福島大学の長谷川珠子准教授(行政政策学類 地域政策と法コース)の司会に始まり、東京大学社会科学研究所所長の玄田有史教授が、水町先生の人柄を目いっぱいいじり倒しての開会あいさつ(玄田先生は労政審職業安定分科会で一緒だった)。
水町先生の経歴のご紹介があって、いよいよ、普段着姿(笑)の水町勇一郎教授がご登壇!

 最終報告のタイトルは「日本労働法の歴史と課題」
「日本の労働法および労働関係の歴史を振り返りつつ、西洋諸国との比較を通してその特徴を描き出す。その上で、今日の社会変化のなかで日本の労働法が直面している課題について、西洋諸国の労働法との異同を踏まえながら分析する。」
その内容を①の「歴史」、②の「課題」の2回に分けて【メモ】しておく。 
 

日本労働法の歴史と課題
Ⅰ 歴史
1 労働法生成の歴史 ⇒労働者という統一した概念ができたのは150年前
〇農業を中心とした自給自足社会 ⇒農耕社会はムラ社会(共同体) ⇒雇用関係ないのが基本
〇そのなかでも「雇用に」に類似した形態 ⇒近代でない労働法 ⇒契約関係
□「身分」関係のなかでの「契約」的なもの(雇役、和雇、御恩と奉公、相対など) ⇒「雇役」諸国から成年男子を徴用し、一定の食料・賃金を支給して造都・造宮などの諸事業に使役したもの。「和雇」古代日本において行われた相場による功直(賃金)に基づいて定められた双方合意の雇用形態。奈良時代。石山寺。「御恩と奉公」鎌倉時代は武家と奉公人、江戸時代には士農工商と奉公人。長期的な片務的関係。
□「人身売買」とその禁止・制限(奴婢の売買の禁止、年季奉公の制限とその廃止) ⇒「奴婢」(①召使いの男女。下男と下女。②律令制における賤民。人格を認められず、財産として、売買、譲渡、寄進の対象となった。) ⇒ある意味、労働契約の斡旋 ⇒鎌倉時代に奴婢禁止 ⇒豊臣秀吉の検地・刀狩と人身売買禁止令 ⇒1625年(寛永2)「年季奉公の制限」10年 ⇒1698年(元禄11)には農業生産政策(小農より大農)により制限が外される。

2 戦前の労働関係と労働法 ⇒「近代=自由」を勝ち取った
〇「奉公関係」から「雇傭契約」へ ⇒民法(1898年(明治38))契約自由の原則
〇「期間制限」の意味の転換
□無期契約の意味が長期の人身拘束から解約自由へ=有期契約は人身拘束の制限から解約自由の制限へ ⇒19世紀~産業革命→大工場時代⇒大資本と労働者=契約自由 ⇒労働者が不利 ⇒選挙制度 ⇒近代国家(労働法制・社会保障)

3 戦後の労働法制の確立と展開
〇労働法制の確立と展開 ⇒3つに分ける
□戦後復興・経済成長と労働法制の確立(1945年~) ⇒鉱業法(1905年)・工場法(1911年)➡労働三法(労働基準法・労働組合法・労働関係調整法)+判例法理(解雇権濫用法理・就業規則の合理的変更法理)
□経済調整・社会構造の変化と労働法制の展開(1974年~) ⇒オイルショックが契機 ⇒雇用保険法、男女雇用機会均等法…立法の時代 ⇒日本的雇用システムを内在していく時期
□少子化・デジタル化と労働法制の転換(2013年~) ⇒働き方改革 ⇒日本的雇用システムを見直す ⇒経済政策と一体で
〇日本の労働法の特徴
□西洋諸国との類似性
□日本の特徴
・産業革命(工業化)と近代的労働法生成の遅れ ⇒英➡仏➡独➡米 ⇒鎖国➡明治➡戦後 ⇒共同体的労働関係
・分権的社会秩序(ムラ、イエ、企業共同体)の重視とそれと結びついた労働法
【英米=経済モデル(個人)、仏=政治モデル(国家)、独=社会モデル(労使(産業レベル))、日本=共同体レベル(企業別)
・その理由・要因:近代化の遅れ・不徹底?(共同体的なため)日本の歴史・文化?(共同体的なものが) ⇒過去に向けた問いでもあるが、未来に向けた問いでもある!
「【メモ】水町勇一郎教授最終報告「日本労働法の歴史と課題」②課題」に続く

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令和6年4月からの年金額の改定 新規裁定者(67歳以下の人)、既裁定者(68歳以上の人)ともに、前年度から2.7%の引き上げとなる。

2024-03-18 | 書記長社労士 法改正 社会保険
 令和6年度の年金額は、法律の規定により、新規裁定者(67歳以下の人)、既裁定者(68歳以上の人)ともに、前年度から2.7%の引き上げとなる。


 年金額は、毎年度改定されるが、昨年度は、初めて新規裁定者と既裁定者が別々の改定率で改定された。
これまでは常に物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回っていたため新規裁定者も既裁定者も同じ改定率(名目手取り賃金変動率を基準)で改定されてきたが、昨年度は名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回ったため、年金額は、新規裁定者は名目手取り賃金変動率を、既裁定者は物価変動率を用いて改定されることになった。
そして、令和6年度は従来通り物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回ったため、新規裁定者も既裁定者も同じ改定率で改定される。


①年金額改定のルールによる令和6年度の年金額
 年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、毎年度改定を行う仕組みになっていて、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定される。
令和6年度は、物価変動率(3.2%)が名目手取り賃金変動率(3.1%)を上回ったため、新規裁定者・既裁定者共、名目手取り賃金変動率(3.1%)を用いて改定される。
さらにマクロ経済スライドによる調整が行われるので、令和6年度の調整率(▲0.4%)を用いる。
その結果、令和6年度の年金額については、名目手取り賃金変動率(3.1%)から▲0.4%のマクロ経済スライドによる調整が行われ、令和6年度の年金額の改定率は2.7%となる。

令和6年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率(▲0.4%)=公的年金被保険者数の変動率(▲0.1%)+平均余命の伸び率(▲0.3%)

②新規裁定者と既裁定者
 老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給開始年齢は、法律上の原則は65歳とされている。
また、新規裁定者は名目手取り賃金変動率、既裁定者は物価変動率で改定されるときは、64歳に到達する年度に行われる年金額改定までは名目手取り賃金変動率で改定し、65歳に到達する年度以降の年金額改定は物価変動率で行うことになっている。
 なお、名目手取り賃金変動率については、賃金の伸びの実績を3年平均して取り、賃金の実績値は2年度前のものしか取れないことから、年金制度においては、67歳までの人たちが新規裁定者、68歳以上の人たちが既裁定者となる。

③令和6年度の年金額
 以上のような年金額改定ルールにより、老齢基礎年金・老齢厚生年金の年金額は、昨年度から新規裁定者と既裁定者に分けて改定されることになったため、昨年度の基準年齢である昭和31年4月1日以前生まれの者と昭和31年4月2日以降生まれの者に分けて改定される。

〇国民年金
●老齢基礎年金
(令和5年度額)795,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、792,600円
  ⇓
(令和6年度額)816,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、813,700円

●障害基礎年金(1級)
​(令和5年度額)993,750円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、990,750円
  ⇓
(令和6年度額)1,020,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、1,017,125円

●障害基礎年金(2級)
​(令和5年度額)795,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、792,600円
  ⇓
(令和6年度額)816,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は、813,700円

・子の加算(1人目・2人目)
​(令和5年度額)228,700円 ⇒ (令和6年度額)234,800円

・子の加算(3人目以降)
​(令和5年度額)76,200円 ⇒ (令和6年度額)78,300円

●遺族基礎年金(基本部分)
​(令和5年度額)795,000円 *昭和31年4月以前生まれの人は792,600円
  ⇓
(令和6年度額)816,000円 *昭和31年4月以前生まれの人は813,700円

・子の加算(1人目・2人目)
​(令和5年度額)228,700円 ⇒ (令和6年度額)234,800円

・子の加算(3人目以降)
​(令和5年度額)76,200円 ⇒ (令和6年度額)78,300円

〇厚生年金保険
・加給年金額(配偶者、1人目・2人目の子)
​(令和5年度額)228,700円 ⇒ (令和6年度額)234,800円

・加給年金額(3人目以降の子)
​(令和5年度額)76,200円 ⇒ (令和6年度額)78,300円

・老齢厚生年金に加算される配偶者加給年金額(老齢厚生年金受給権者が昭和18年4月2日以後生まれの場合)
​(令和5年度額)397,500円(228,700円+特別加算額168,800円)
  ⇓
(令和6年度額)408,100円(234,800円+特別加算額173,300円)

・老齢厚生年金(経過的加算部分)の計算式
​(令和5年度額)
1,657円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額795,000円×(昭和36年4月1日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月
*昭和31年4月1日以前生まれの人
1,652円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額792,600円×(昭和36年4月1日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月
  ⇓
(令和6年度額)
1,701円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額816,000円×(昭和36年4月1日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月
*昭和31年4月1日以前生まれの人
1,696円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額813,700円×(昭和36年4月1日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月

●障害厚生年金(3級・最低保障額)
​(令和5年度額)596,300円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は594,500円
  ⇓
(令和6年度額)612,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は610,300円

●障害手当金(最低保障額)
​(令和5年度額)1,192,600円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は1,189,000円
  ⇓
(令和6年度額)1,224,000円 *昭和31年4月1日以前生まれの人は1,220,600円

●遺族厚生年金の中高齢寡婦加算
(令和5年度額)596,300円 ⇒ (令和6年度額)612,000円

●在職老齢年金支給停止額計算における基準額
​(令和5年度額)48万円 ⇒ (令和6年度額)50万円

〇その他
●老齢年金生活者支援給付金
​(令和5年度額)月額5,140円 ⇒ (令和6年度額)月額5,310円

●障害年金生活者支援給付金(1級)
​(令和5年度額)月額6,425円 ⇒ (令和6年度額)月額6,638円

●障害年金生活者支援給付金(2級)
​(令和5年度額)月額5,140円 ⇒ (令和6年度額)月額5,310円

●遺族年金生活者支援給付金
​(令和5年度額)月額5,140円 ⇒ (令和6年度額)月額5,310円

●国民年金保険料
(令和5年度額)月額16,520円 ⇒ (令和6年度額)月額16,980円 ⇒ (令和7年度額)月額17,510円


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【文字起こし】枝野幸男タク議連顧問のご挨拶(ハイタクフォーラム国土交通省要請)

2024-03-13 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!
 3月7日、衆議院第一議員会館で、ハイタクフォーラム(私鉄総連・全自交労連・交通労連)は、全国から約150人が参加し、厚生労働省に「ハイヤー・タクシー運転者の労働問題に係る重点要請」、国土交通省に「タクシー関連法ならびにその附帯決議の厳格な運用および、白タク(ライドシェア)合法化反対の要請」を提出し、それぞれに、要請行動を展開した。
その国土交通省要請の際に、タクシー政策議員連盟を代表しての、枝野幸男衆議院議員のご挨拶を文字起こし。


 ハイタクフォーラムの皆さんお疲れ様でございます。
そして、国土交通省の皆さんには、連日ご多忙の中を、今日、こうした場を作っていただきましてありがとうございます。
議連の会長の辻元さんが、今、予算委員会の真っ最中だと思いますので、代表して挨拶をさせていただきます。

 私たちはそれが当たり前の中で生きてきましたが、日本では、誰もが安心して安全に、ハイヤー・タクシーを利用することができます。
現時点でも、世界の中で、こうした状況の国は決して多数ではないというふうに思います。

 今回の要請のタイトルにも「白タク合法化反対」という言葉が入っております。
ただ、おそらくもちろん業界の皆様はご存知だと思いますが、白タクという言葉は知っているのは多分、我々の世代が一番若い世代じゃないか。
逆に言えば、この30年、40年というのは、白タクというような危ないもののリスクを感じることなく、この国では生きてくることができました。
私は、こうした日本にとってのハイヤータクシー業界の、この30年、40年、いや、それは、おそらくこの制度がスタートした時からの努力の積み重ねの下で出来上がっている、安全に安心して利用できるハイヤー・タクシーというのは、日本にとって大事な公共インフラであり、ある意味では世界に誇るものであり、日本に今のところで観光客がこれだけたくさん来ていただけている、そのベースになっている一つの重要なインフラだというふうに思っています。
これを守って、しっかりと次の時代へと引き継いでいく、というのは、その職場で働いている皆さん、そして今、政治を司っている私たち、そして国土交通政策を担っていただいている国土交通省の皆さん、我々それぞれにとって大事な歴史的な役割ではないか、というふうに思っています。


 こうした歴史や実情というものを十分に理解をせずにですね、思いつきのようなライトシェアを強引に進めるということに対しては、我々もこの間、何よりも当事者であるハイタクフォーラムの皆さん方が全力で声を上げてきていただいている。
それに押されて我々も頑張ってきておりますし、国土交通省の皆さんにも最大限のご尽力をいただいてきているというふうに思っておりますが、まだまだ油断をしていい状況というよりも、むしろここからいよいよ、本当の最後の戦いが始まるというふうに思っております。

 これにより、国土交通省の皆さんには、各方面からいろんな圧力があって大変だということは、我々も十分理解をしておりますが、先輩方から引き継いできた、それによって作られてきた日本のハイタク産業をしっかりと守っていただくために、引き続き、さらなるご奮闘をお願いしたいと思います。
また、この思いつきのようなライトシェアが、これ以上変な方向で進んでいかないようにするためには、現場で大変なドライバーの皆さんご苦労されている、あるいは経営者の皆さんもご苦労されているという状況の中で、白タクを認めないという範囲の中で、タクシードライバー不足というものを、一日も早く解決をするために、先ほど運賃の話についてもお話ありましたけれども、具体的な要望も今日この後あると思います。
そうしたものを一個ずつできるだけ早く進めていくことで、しっかりと安全・安心を守るということに向けてご尽力をいただきたいと思います。
我々政治の側もそれを全力でバックアップさせていただきます。
そして現場の皆さんとしっかりと連携をして、最後まで戦っていくことを、議連の仲間を代表して、私からの挨拶とさせていただきます。



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【メモ】藤井聡京都大学教授「ライドシェア新法阻止」に向けたスピーチ

2024-03-12 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 3月8日には電通会館ホールにてハイタクフォーラムは、「危険な白タクを合法化する『ライドシェア新法』絶対阻止! 3.8総決起集会」を開催。
その集会で「ライドシェア新法阻止に向けたスピーチ」をおこなった、藤井聡京都大学教授(都市社会工学専攻)の発言をメモしておく。

 ライドシェアの導入、現行の制度の範囲で導入される場合なら、いろいろな秩序の混乱というものがなく、タクシーの事業を運営してきた供給力の力をもって、ライドシェアのシステムを活用することで適正に事業が運営され、適切なサービスを提供する可能性が残されているだろう。
しかし、いわゆるライドシェア新法では、その自由な規制緩和によって、タクシー業界の秩序が崩壊することになることは確実であることが危惧される。
まかり間違ってライドシェア新法ができてしまって、それが万が一にも問題がタクシー業界だけの秩序が崩れてしまうだけで、公益が確保されるのなら、その規制緩和は甘受されるかもしれないが、しかし、それに止まらず、タクシーサービスの質が劣化してしまい、最終的には地域の利益、公的な利益、そして国益を根底から損なうことは明らか。

 こういった理不尽かつ非合理的な、理性を全く顧みないイメージだけで、利用者等の国益や国益を棄損するような規制緩和が行われるという失敗は、これまでも何度も行われてきた⇒しかし、日本でタクシーにおける安全や公益は検討され強化されてきている⇒そこに、そういった失敗がまた一つ追加されれば、日本全体の秩序が激しく傷つく極めて巨大なリスクにつながる⇒今さら公益を損なうライドシェアなるものを是認できるものではない。
いわゆるライドシェアで、公益が増進することは極めて難しい、改定する理由がない⇒考え直していただきたい⇒政府関係閣議に心からお願い申し上げたい。

 岸田総理のライドシア解禁論がうんざりするほどに愚かし代物である。
残念ながら公益が増進することは極めて難しいどころか、公益が毀損してしまうことは確実だ。


①タクシー運転者の賃金が安いことが公益を棄損している。
 タクシーの業界の人間はこれについて深く理解しているし、私自身も国交省等の審議会でタクシー特措法なんかを作るときに議論をさせていただいた関係者として、

〇タクシー運転者の賃金が十分に高くない⇒運転者のなり手が不足する⇒供給が不足する⇒消費者の利益が、利用者の利益が毀損する⇒さらに、賃金が安いというのは、これドライバーの皆さんが不利益を被るわけでありますし、ドライバーのみならず日本経済から考えると、特定の業界の賃金が安いということでデフレ圧力になり、日本全体の賃下げ不況の圧力を加速することにもなる⇒高齢化を進めたり、いわゆるアウトサイダーと呼ばれる方々の脱法的な、コンプライアンスを逸脱するような危険な業態を加速させる⇒この10年20年なんとか規制緩和のせいでこれがもたらされた。
すなわち、運賃の引き下げ⇒運転者が不足する

〇ライドシェアを導入すると車両が増える⇒さらにシステムで運賃が安くなる⇒ライドシェアのほうが安くなる⇒全体のさらなる運賃の引き下げ圧力
「運賃上げる⇒賃金が上がる⇒供給力が上がる」⇒国土交通省をはじめ、政府の力も含めて、なんとか賃金を上げて、供給力を一定程度確保し、そして高齢化を防ぐ、そしてブラック業態をなくす、そして安全な輸送サービスを適切に提供する⇒このスパイラルに冷や水をぶっ掛けて、担い手不足が進む⇒そんなものは到底是認できないというのは真っ当な常識を持った人間、万人の共通認識ではないか⇒真逆のことをやろうとしている。

 運賃が少し上がり、賃金が少し上がるだけで数100人オーダーで乗務員が増えるということになった⇒逆に言うとライドシェアが不適切な格好で導入されれば、賃金が下がり、数100人オーダーで瞬く間にドライバーが失われていくということになる⇒ライドシェアを導入することで供給力を提供すると推進論者は言っているが、真逆の帰結を導く⇒ということは、バカが考えてもわかる。
だから、彼らが馬鹿でないとしたら、何も考えていないということ⇒状況を何も知らんということです⇒「ライドシェア、外国で乗ってきたで」とか思ってやってる⇒「いいんちゃいまっか」とか言うとる⇒まあ、バカでなければこういうのはアホということになるわけだ。
問題は、賃金が引き下がって、担い手不足がさらに加速するということ。

②タクシー業界は二種免許というプロライセンスを育てる教育機関にもなっている⇒ライドシェアを活用して人を集め二種免許を取らせて運転者増加につなげていく⇒業界の管理のもとソフトランディングさせていく⇒この4月からの制度はよいかもしれない。
 しかし、新法では、その管理を運転者個人に置きかえる⇒これ業界から完全に切り離されたものが運用されるわけだ⇒アメリカではそもそも業界というものがないし、タクシードライバーの管理がないからタクシーでもライドシェアでも同じで、日本とは状況が違う⇒日本の場合はそういう格好で秩序を守り、乗務員の皆さんをしっかりと教育し、安全安心をお届けするという格好で、これを戦前からやってきた⇒新法では日本でも運転者の管理がなくなる(誰が運行管理する?安全管理をする?)⇒その人は酒飲んだのかもしれへんし、2週間とか30時間だか連続でやっとるかもしれない⇒これはめちゃめちゃな話なわけだ⇒今の、タクシーサービスの質には到底及ばないものが提供されることになる⇒タクシードライバーが提供している安全安心は、ライドシェアでは提供できない⇒公共の福祉を毀損するものである。
 ライドシェア推進者は「この規制緩和が公益を増進する」これ一点だけ主張している⇒彼らが邪悪な人間ではないと一応仮定して、単に愚かな人間であると仮定して⇒何が問題か教えてあげなければならない⇒だから、かわいそうな人なんです⇒だから、あなたは優しく言ってあげたらいいんです⇒挙げしまったこぶしを下せるようにしてあげなければならない。

③京都ではインバウンドによるタクシー不足だと言われている⇒実はタクシーはたくさん並んでいる⇒山ほど並んでる⇒3台ずつ乗れるのに1人ずつ乗る⇒それで滞る⇒客がタクシーに乗り慣れていないだけ⇒これは乗り場の問題であってタクシー不足はデマ⇒だから、あなたが言ってる公益増進のポイントは間違っているんだということ。
 大阪万博でタクシーが足らなくなると言う⇒万博とは特別需要⇒そもそも足りるか足りないかきちんと計算したのか?⇒大阪でのタクシー最大実車率(乗客を乗せている時間の率)は55%と言われているが、現状の実車率は45%⇒需給(需要と供給)は10%余っている⇒しかし推進者は「需給ってなに?」そのレベル⇒今この賃金が上がっている状況をしばらく放置しておけば運転者は増える⇒ここでライドシェアなんか入れて、その流れが止まって、また賃金が下がってくるんだったら、また供給は減る⇒工学的に、需要と供給のバランスとはこういうことだ⇒担い手不足という話が疑わしい。
 過疎地にはライドシェアが必要だろう…⇒地域で安全・公益に増進の確保について慎重に検討しているのか?検討して乗合タクシーやデマンドタクシーになるのはしかたない⇒しかしなぜ、ライドシェア?
⇒万博なら、関西圏の広い範囲でタクシー車両を調達する等、特定期間の特別需要にだけ対応すればよい⇒ま、ほんとうに万博に客が来るならばだが…⇒いや、ほんとうに開催ができるのならだが…。
推進論者は「ライドシェア導入ありき」で公益は言い訳⇒郵政民営化ありきと一緒⇒アメリカのなんかといろいろとかあったんですけど…⇒不正義は許してはならない!

④岸田内閣の政策の一丁目一番地は「実質賃金の上昇」⇒今物価が上がってきて、賃金が上がらへんから、みんな苦しい⇒だから「物価上昇率を上回る賃上げを実現するのでありまーす」と言ってるんですよ⇒ライドシェア入れたら賃金下がるやないかということ⇒何やってるん?全く逆だ!
 ライドシェアってそもそも何かわかっているのか?⇒世界の流れにおけるライドシェアの、要するにアプリシステム⇒普通の人(ライドシェアを外国で利用して便利だったと言っている人)がライドシェアだと思っているものは日本でもすでに入っている⇒導入したタクシーサービス提供による利便性の増進というものは、業界の独自の取り組みによって相当程度進んでいる⇒システムがちょっと違うだけ⇒タクシーに乗ったことがあるのか?

⑤「ライドシェアだとかなんか新しいみたいな」⇒「デジタルトランスフォーメーションみたいな」⇒そんな中二病みたいな話は置いといて大人の話をしよう。
 タクシーの規制のあり方というものは不断の見直しが必要⇒緩和すべきは緩和し、強化すべきは強化し、形成すべきは形成し、撤廃すべきは撤廃したらいい⇒乗客の安全を守るために逆に規制強化しなければならないものもある⇒時代は変わっていく、新しい技術も入って来る⇒公益を増進することを考えればよい⇒最も適切なタクシーサービスの秩序を形成し、公益を最も増進するような仕組みを考えればいい。


 せっかく賃金が上がってきた⇒それによって供給力も上がってきた⇒まだタクシーの遊休車輛はある⇒さらに運転者を確保していく⇒適切なサービスを提供し、適切な都市活動・地域活動をサポートし、公益を最大化していく、そのことを考えればよい。

 ライドシェア導入論を言っている者に対して、しっかりした理論で説得していく⇒言論の府である国会で徹底的に論じていただければ、どんな案が出てきても、日本人が理性的である限りにおいて、数の力は無関係にそういう理不尽なものは認められないはず⇒ライドシェア推進論は人々に迷惑をかけていることを分からさなければならない⇒日本人の「民度」が試されている⇒日本人の理性を信じたい。

❶賃金はイコール供給力の確保、賃金が下がると供給は確保できない、❷「足らない」だけではだめで「足らない」はデマ、❸賃金・運賃を下げてはダメ、安全が確保できない、❹いわゆるライドシェアと同様のタクシーサービスは既に日本にもある。


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私鉄総連「24春闘推進地連中小組合会議」「24春闘勝利 3.5 私鉄総連中央総決起集会」ハイタクフォーラム「厚生労働省・国土交通省要請」「ライドシェア新法絶対阻止! 3.8総決起集会」

2024-03-11 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!


【11 💪4 -13 LiFETiCK LatPullDown51.75kg BentoOverRowD22kg ShoulderPressDTwist12Kg SietedRearDertoidRaize7kg LegRaize】 3月5日、東京グランドホテルで「24春闘推進地連中小組合会議」を開催したのち、日比谷野外音楽堂に移動し、


「24春闘勝利 交通政策要求実現
3.5 私鉄総連中央総決起集会」
賃上げで暮らしの安心を 人への投資で確かな未来
~交通政策要求実現・ライドシェア阻止~

を開催、あいにくの雨で、デモ行進は中止にせざるを得なかったが、それでも2000人以上の仲間が結集し、春闘勝利に向け体制強化を確認した!


 3月7日には、衆議院第一議員会館で、ハイタクフォーラム(私鉄総連・全自交労連・交通労連)は、全国から約150人が参加し、厚生労働省に「ハイヤー・タクシー運転者の労働問題に係る重点要請」、国土交通省に「タクシー関連法ならびにその附帯決議の厳格な運用および、白タク(ライドシェア)合法化反対の要請」を提出し、それぞれに、要請行動を展開した。


 厚生労働省要請では、タクシー政策議員連盟を代表して、福山哲郎参議院議員にご挨拶をいただいた後、①感染症対策について、②累進歩合制の完全排除(禁止)について、③給与体系・労働条件・運転者負担等について、④地域別最低賃金の遵守と労働時間管理の適正化について、の11項目を要請。
は厚労省が梶原輝昭・大臣官房審議官(労災、建設・自動車運送分野担当)など労働基準局監督課らが対応してくれた。
国土交通省要請では、枝野幸男衆議院議員にご挨拶をいただき、①ライドシェアについて、②運転者不足対策、③タクシー事業における適正化について、④タクシー事業の活性化について、⑤ハイヤー事業の適正化・活性化について、⑥タクシー運賃について、の43項目を要請、物流・自動車局の舟本浩審議官ら、旅客課などがそれぞれ対応してくれた。

 自家用車活用事業については9日までパブリックコメントを募集中で、流し営業、区域外営業の扱いなどについて国交省は「アプリ配車のみを対象としており、流し営業は認めない。区域外営業については道路運送法でドライバーを処罰する規定はなく、管理する事業者が負うことになる」などとし、その上で「(自家用車活用事業は)乗務員が不足しているエリアや時間帯に複数のアプリ業者によるマッチングで足りないところを補足する仕組み。こうしたデータは一定期間取り続けることになり、そのつど見直しも行う。恒常的なものではない」などと述べた。



 3月8日には電通会館ホールにてハイタクフォーラムは、「危険な白タクを合法化する『ライドシェア新法』絶対阻止! 3.8総決起集会」を開催。
主催者を代表し、溝上氏はライドシェア新法の動きについて「2002年のタクシーの規制緩和を超える危機だ」と訴え、「プラットフォーマーらによるライドシェアは安全・安心を崩壊させ、雇用と地域交通を破壊する。タクシーとしての自信と矜持を持ち、この闘いは絶対に勝ちぬかなければならない」と訴えた。
集会では、ライドシェア新法阻止に向けたスピーチとして、藤井聡京都大学教授(都市社会工学専攻)から、「ライドシェアは公益を棄損する」と述べ、「供給する車両を増やすことはタクシー乗務員の低賃金化、乗務員の退出を招き、結果的にはさらにタクシー車両を減らしてしまうことに繋がる」として「岸田内閣の一丁目一番地は実質賃金の上昇であるはずだが、ライドシェアは賃金を減らしてしまう真逆の取り組みだ」と、現状の問題提起と警鐘をお話しいただき、連合芳野友子会長、交運労協住野敏彦議長、ITF(国際運輸労連)浦田誠政策部長、タクシー政策議員連盟から小宮山泰子幹事長(衆議院議員)、立憲民主党逢坂誠二代表代行、国民民主党古川元久国会対策委員長、全国ハイヤー・タクシー連合会坂本克己最高顧問から連帯の挨拶をいただいた。
事業者を代表してあいさつした坂本克己・全タク連最高顧問は、ライドシェア新法によって「生活に役立っている公共交通のタクシー乗務員の生活が潰されてしまう」とし、「抗議のためには1日くらい全国でタクシーを止めてもよいくらいだ」と述べると会場から拍手が沸き、「110年以上続くタクシーとして自信と誇りを持ち、皆で守っていこう」と呼びかけた。
また、「利用者からみたライドシェアの問題について」ということで山根香織主婦連合会常任幹事からは、「利用者は何よりも安心・安全の輸送を望んでおり、それだけに丁寧な議論が求められるべきだ。ドライバーには豊富な経験と資質が求められる。一般ドライバーが気軽にやれる仕事ではない」などと指摘した。
そして、「被災地で活躍する『公共交通のタクシー』について」として、市野晃司全自交石川ハイタク連合会執行委員長から能登半島地震での現状を報告していただき、「被災地のタクシーは廃業寸前になりながら懸命に頑張っている。自宅が被災し、避難所から通勤し、エッセンシャルワーカーとして緊急事態に対応している。このような輸送をライドシェアが責任を持って行うとは思えない」として、公共交通としてのタクシーの役割について語った。


 政府は4月、タクシー会社の管理を条件に、地域や時間帯などを限定した「日本版ライドシェア」を解禁する。与野党や経済界の一部は新法制定を要求し、政府は6月までに是非を検討する。
集会には約300人が全国から参集し、会場参加者が「危険な白タクを合法化するライドシェア新法を絶対阻止!」と「雇用と安全を破壊するな!」のプラカードを一斉に掲げライドシェア反対をアピールした。


 一般ドライバーが自家用車を使い有償送迎する「ライドシェア」の全面解禁に向けた新法制定に反対するアピールを採択、タクシー不足は業界の努力や「日本版」の活用、運転手の待遇改善で解消できると指摘。新法制定は「絶対に認めない」と強調、「交通の安全と安心、雇用、地域公共交通を破壊する行為だ」と訴えた。


集会アピール(案)

 本日、ハイタクフォーラムは、全国で働くハイヤー・タクシー労働者の固い決意を示すため危険な白タクを合法化する「ライドシェア新法」絶対阻止3.8総決起集会を開催した。

 いま「ライドシェア新法」という愚かな法律が検討されている。

 自らの利益のみを追求するプラットフォーマーが、一般のドライバーを無責任に使い捨てにするライドシェアは、交通の安全と安心を破壊し、雇用を破壊し、地域公共交通を破壊する行為にほかならない。公共交通を担う私たちは、絶対に「ライドシェア新法」を認めることはできない。

 コロナ禍で私たちハイタク労働者は、自らの感染のリスクを抱えつつ、エッセンシャルワーカーとして、公共交通の責務を果たし続けたが、賃金は余りにも低く、多くの仲間が職場を去った。そのために観光地などで「タクシーが足りない」という声が起き、ライドシェア推進派に口実を与え、ついに「新法」という言葉すら現実味を帯びる状況となってしまった。

 しかし、局所的な「供給不足」は、タクシー業界労使の努力や、国土交通省が検討した様々な新制度の活用によって改善が可能であり、何よりもハイタク労働者の賃金・労働条件の向上により根本的に解消することができる。この1年間で、私たちの賃金は実感を得られるまでに回復しており、職場には新たな仲間が増えている。全国的な運賃改定の効果がしっかりと労働者に配分され続ける限り、他産業との賃金格差を逆転させることも決して不可能ではない。

 ここで拙速にライドシェアが導入されれば、この好循環も幻となって消え、低賃金・長時間労働の負のスパイラルが再び私たちを襲う。ハイタク産業は消滅し、後には危険なライドシェアだけが残ることになる。一体だれがそんな未来を望むというのか。

 ライドシェアを阻止する私たちの闘いは、この国で生きる全ての人々の安全・安心、この国で働く全ての労働者の生活、そして、この国で暮らす全ての人々の移動する権利を守る闘いである。この闘いは孤独ではない。労働者の仲間、利用者の方々から、私たちを応援する声は日増しに高まっている。私たちは自信をもって社会に主張し、ライドシェアとの闘いに勝利しよう。

 私たちは公共交通で働く者の使命と矜持を胸に、全力でライドシェア新法絶対阻止のために闘うことを、決議する。

2024年3月8日

危険な白タクを合法化する「ライドシェア新法」絶対阻止! 3.8総決起集会

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2024年2月に読んだ本

2024-03-08 | 📖いい本読んでます?
2月の読書メーター 読んだ本の数:7 読んだページ数:2649 1日のページ数:91ページ

ヒトコブラクダ層戦争(下) (幻冬舎文庫 ま 17-3)ヒトコブラクダ層戦争(下) (幻冬舎文庫 ま 17-3)
読了日:02月10日 著者:万城目 学
 自衛隊PKO部隊の一員としてイラクに派遣された榎土三兄弟。彼らの前に姿を現す、かつてメソポタミア文明が栄えた砂漠の地の底に潜む巨大な秘密、そして絶体絶命の大ピンチ。恐怖の襲撃者から逃れつつ、三兄弟はすべての謎を解き明かすべく戦い続ける。驚愕のラストまで一気読みの面白さ。アクションあり神話ありの超弩級スペクタクル巨編! ☆☆★ まさかまさかの展開で、ほんまに驚愕のラストが過ぎる❗自分の想像力が付いていけない場面が多くて頭の中のイメージが追いつかないもどかしさがあった。しかし、これを映画化するとしたら、かなりキツいやろうな…。

三国志〈3の巻〉玄戈の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)三国志〈3の巻〉玄戈の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
読了日:02月11日 著者:北方 謙三
 混迷深める乱世にひときわ異彩を放つ豪傑・呂布。劉備が自ら手放した徐州を制し急速に力をつけた呂布は、圧倒的な戦力を誇る袁術軍十五万の進攻を僅か五万の軍勢で退けてみせた。呂布の脅威に晒された劉備は、屈辱を胸に秘めながらも曹操を頼り、客将となる道を選んだ。そして曹操は、万全の大軍を擁して宿敵呂布を討つため闘いを挑む…。戦乱を駈け抜ける漢たちの生き様を描く、傑作「北方版・三国志」新装版第三巻! ☆☆★ 玄戈の星という名の通り、呂布を中心に話が進むが、呂布かっこよさときたらやばい!赤兎馬への信頼、妻(ヨウと李姫)への愛おしさ、部下への優しさ、戦場での勇猛さとは異なる呂布の人間らしさとともに、一人の武人として、「武」のみに全てを注力する姿が瑞々しく描かれている。呂布が劉備と組んでいたら歴史は変わったのだろうか…。

部長と池袋 (光文社文庫)部長と池袋 (光文社文庫)
読了日:02月12日 著者:姫野 カオルコ
 「いけぶくろ、ってさ、名前がへんだよ」佐藤部長は真顔で言う。ちょっと○○かも…。「部長と池袋」「慕情と香港と代々木」「青春と街」「夏と子供」など、ある光景の中の思い出、旅情を綴ったPART I。アイロニカルな「巨乳と男」「ゴルフと整形」「書評と忸怩」、パロディ「パソコンと恋」「秘密とアッコとおそ松くん」などで構成したPART II。書籍未掲載作品を大幅改稿した「蔵出し」文庫オリジナル。姫野カオルコの魅力がたっぷり詰まった一冊。 ☆☆★ 読みだしたときは作者の過去を描いたエッセイかと思っていたがそうでもない。独特の筆致と幅広い作風な作者らしい作品が満載。

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)
読了日:02月23日 著者:河野 裕
 11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凜々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。 ☆☆★ 先を読ませようとしない展開のせいで、先が気になって気になって一気読みさせられてしまった。主人公の語り口が、またいい。6編のシリーズらしいが、続編を読むかどうかは迷うところ。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 (光文社文庫 ひ 6-24)ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 (光文社文庫 ひ 6-24)
読了日:02月23日 著者:東野 圭吾
 故郷で父が殺害された。仕事と結婚準備を抱えたまま生家に戻った真世は、何年間も音信不通だった叔父・武史と再会する。元マジシャンの武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を見つけるという。かつて教師だった父を殺した犯人は、教え子である真世の同級生の中にいるのか。コロナ禍に苦しむ町を舞台に、新たなヒーロー”黒い魔術師”が手品のように華麗に謎を解く長編ミステリー! ☆★★ コロナ禍が濃厚に関わっている作品になっているが、それも謎解きには影響しているのかしないのか。しかし無駄に原稿用紙の枚数を費やしているような気もする展開で、ちょっと疲れた。

三国志 4の巻 列肆の星 (ハルキ文庫 き 3-4 時代小説文庫)三国志 4の巻 列肆の星 (ハルキ文庫 き 3-4 時代小説文庫)
読了日:02月27日 著者:北方 謙三
 宿敵・呂布を倒した曹操は、中原での勢力を揺るぎないものとした。兵力を拡大した曹操に、河北四州を統一した袁紹の三十万の軍と決戦の時が迫る。だが、朝廷内での造反、さらには帝の信頼厚い劉備の存在が、曹操を悩ます。袁術軍の北上に乗じ、ついに曹操に反旗を翻す劉備。父の仇敵黄祖を討つべく、江夏を攻める孫策と周瑜。あらゆる謀略を巡らせ、圧倒的な兵力で曹操を追いつめる袁紹。戦国の両雄が激突する官渡の戦いを描く、北方「三国志」待望の第四巻。 ☆☆★ 袁紹と、最大の最大勢力の曹操の対決の見せ場ながら、呂布が死んだあと、孫策という魅力的な武将が成長してきて、楽しみになっていたのに…。一方で、関羽、曹操軍に降伏した後、再び劉備軍に戻るという重要エピソードがこの巻なんだ。とは言え、あいかわらず劉備は燻っていて、ちょっと苛つくねんけど。

人間の顔は食べづらい (角川文庫)人間の顔は食べづらい (角川文庫)
読了日:02月28日 著者:白井 智之
 「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて――。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!?  ★★★ 食事中には読まないでください…って言うより、グロいのが嫌いな人は絶対読まない方がいい。凄まじい小説であるのだろうが、もちろん万人向けを狙っているわけでないことも理解するが、悪趣味要素が際立っていて、自分には無理や。

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【メモ】固定残業代制の有効性可否

2024-03-05 | 書記長社労士 労務管理

固定残業代(定額残業代)が時間外労働割増賃金、休日労働割増賃金、深夜労働割増賃金に対する有効な弁済と認められない場合
①割増賃金を一切払っていないことになる
②固定残業代部分が割増賃金の計算基礎となる賃金(労基法37条1項、労規則21条)に組み込まれることになるため、1時間当たりの単価が跳ね上がる
③裁判に至れば、未払残業代全額を上限とする付加金の制裁(労基法114条)を受けるリスクが生じる

固定残業代による支払いをめぐり裁判例で検討されてきた割増賃金支払いの有効要件、判断要素
①時間外労働や深夜労働の対価(割増賃金)の趣旨で支払われていることの合意がある⇒「対価要件」
②通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分が判別できる⇒「明確区分性」
③雇用契約書等の記載内容のほか、具体的事案に応じ、使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容、労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情を考慮して判断すべき

〇高知観光事件【最小判平6・6・13】
 歩合給で雇用されているタクシー運転手に対する時間外および深夜労働の割増賃金につき、歩合給にくみ込んで支払っているという会社側の主張に対し、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外および深夜の割増賃金に当たる部分とを判別できないとして、右割増賃金の支払いが命ぜられた事例。
 割増賃金不払いに対する附加金の請求につき、二年を経過したものを除き認容された事例。
〇テックジャパン事件【最小判平24・3・8】
 基本給を月額で定めた上で月間総労働時間が一定の時間を超える場合に1時間当たり一定額を別途支払うなどの約定のある雇用契約の下において,使用者が,各月の上記一定の時間以内の労働時間中の時間外労働についても,基本給とは別に,労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの)37条1項の規定する割増賃金の支払義務を負うとされた事例
〇日本ケミカル事件【最小判平30・7・19】
 雇用契約において時間外労働等の対価とされていた定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例


基本給や出来高給(歩合給や能率給など)を含め、通常の労働時間の賃金として支払われるべきものを固定残業代などの割増賃金に振り分けて支給することで割増賃金の支払いを抑えることは労基法37条の趣旨に反するといえる。
(労基法37条の趣旨⇒割増賃金を支払わせることによって時間外労働等を抑制し、労働時間に関する同法の規定を遵守させるとともに労働者への補償を行う趣旨)

国際自動車事件二次上告審事件【最小判平29・2・28】
 歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例


対価性の判断⇒当該手当の名称や算定方法だけではなく、労基法37条の趣旨を踏まえ諸手当の位置付け等にも留意して検討しなければならない
⇒使用者の労働者に対する当該手当等に関する説明の内容、労働者の実際の労働時間等の勤務状況など諸般の事情を考慮し、それが労基法37条の趣旨にかなる割増賃金として位置付けられるのかを実質的に検討し、同条の趣旨にかなわない割増賃金なるものは、その対価性を否定する
⇒割増金の額そのままが歩合給①の減額につながるという仕組みが、当該揚高を得るにあたり生じる割増賃金をその経費としてみたうえで、全額をタクシー乗務員に負担させているに等しいと評価


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2.29「ライドシェア解禁の問題を考える院内集会」と日本労働弁護団の「ライドシェア」解禁に反対する緊急声明

2024-03-01 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

【1 💪1 -10 LiFETiCK Cinning(asist32kg) RowM58.5kg RateralRaize10kg ShoulderPress30kg LegRaize Crunch】 2月29日、交通の安全と労働について考える市民会議~ライドシェア問題を考える~は、衆議院第一議員会館大会議室にて、「ライドシェア解禁の問題を考える院内集会」を開催。
一般参加者に加えて、多数の衆参国会議員(森屋隆参議院議員・辻元清美参議院議員・近藤昭一衆議院議員・福山哲郎参議院議員・枝野幸男衆議院議員・吉田はるみ衆議院議員・鬼木誠参議院議員・小宮山泰子衆議院議員・芝慎一参議院議員・田村まみ参議院議員・大河原まさこ衆議院議員・岸まき子参議院議員・落合貴之衆議院議員・堤かなめ衆議院議員・野田国義参議院議員・水野もと子参議院議員・小沼巧参議院議員・阿部とも子衆議院議員・牧山ひろえ参議院議員、など)と秘書の皆さん、東京都の区議会議員(遠藤みほ墨田区議会議員・久家しげる荒川区議会議員・門脇翔平葛飾区議会議員・青木のぶえ北区議会議員、など)が参加、国民の安全や従事する者の権利を置き去りにしたまま拙速に議論が進められている「ライドシェア解禁の問題」について、複数の視点から考えた。


 内容的には、前回1月16日に横浜で開催した集会と同様で、(「ライドシェア解禁の問題を考える市民会議集会@神奈川」で、拙速なライドシェア解禁論の問題を共有した。
①趣旨説明・情勢報告を木下徹郎弁護士(市民会議事務局)、②ライドシェア問題を考える~海外の事情と日本の課題を浦田誠国際運輸労連(ITF)政策部長、③ライドシェアと労働法について菅俊治弁護士(日本労働弁護団常任幹事)、④ライドシェアと利用者を主婦連合会の木村事務局長(消費生活アドバイザー)、⑤持続可能な公共交通とライドシェアを戸崎肇桜美林大学教授(ビデオメッセージ)、からの問題提起を行った。
議員発言では、田村まみ参議院議員、柴慎一参議院議員、岸まき子参議院議員、阿部知子衆議院議員、森屋隆参議院議員からのそれぞれの視点からの課題について思いや決意、そしてこれからの政治的取り組みについて言及していただき、最後に辻元清美参議院議員が、総括的に「ライドシェア解禁の問題」についてどう運動を展開するかについて発言していただいた。

 ところで、冒頭の情勢報告でも、触れられていたが、2月26日に、日本労働弁護団が「『ライドシェア』解禁に反対する緊急声明」を発表したので、ここに掲載しておく。
まさに、正鵠を得ている!

「ライドシェア」解禁に反対する緊急声明

2024年2月26日
日本労働弁護団 幹事長 佐々木 亮

1 はじめに
 政府の内閣官房において、 2023年10月6日に設置されたデジタル行財政改革会議は、同年12月20日、中間とりまとめを公表した(以下、「中間とりまとめ」という。)。その中では、ライドシェアに関して、タクシーが不足する地域や時間帯において「タクシー事業者が運送主体となり、地域の自家用車・ドライバーを活用し、アプリによる配車とタクシー運賃の収受が可能な運送サービスを2024年4月から提供する(道路運送法第78条第3号に基づく制度の創設)」としている。
 このような動きを受けて、一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会は、2024年1月10日 、東京23区・武蔵野市・三鷹市において、2024年4月から「ライドシェア」を実施すると発表した。報道によれば、普通第二種運転免許いわゆる「二種免許」を持たなくても、普通第一種運転免許を取得して1年以上の運転者であれば、タクシー事業者との間で雇用契約を締結することで、自家用車を用いて行うことができるとされ(以下、「東京版ライドシェア」という。)すでにタクシー事業者により運転者募集も始まっている。
 このような現在急速に進んでいる「ライドシェア」解禁の動きは、既存のタクシー運転者の労働条件を悪化させるだけでなく、公共交通 であるタクシーの安全性をも脅かすものである。

2 タクシー運転手の労働条件の悪化を招くこと
 もともと、タクシー事業は、2002年に道路運送法が改正され規制緩和政策に舵を切って以降、タクシ ー車両の供給過剰とこれによる運転者の賃金減少が問題となっていた。そのため、2009年には「 特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」(タクシー特措法)が成立し、さらに2014年には同法が改正されてタクシー事業の適正化が指向され、タクシーの供給過剰により生じてきた一台あたりの売上減少によるタクシー労働者の労働条件悪化を改善する政策が採られてた。
 しかし、「東京版ライドシェア」含め、あらゆる「ライドシェア」解禁は、これまでのタクシー事業の適正化に対する政策に対して逆行し、「白タク」によりタクシーの供給過剰を招いてタクシー労働者の労働条件を悪化させるのであり、断じて容認できない。

3 公共交通としての安全性を脅かすこと
 また、「東京版ライドシェア」では、二種免許を持たぬ運転者も認める。しかし、二種運転免許は、道路運送法において旅客自動車運送事業を実施する際に求められるものであり、よりによって交通量の多い都内で、二種免許を持たぬ一般の運転者に有償旅客運送を許すことは、利用者の利益の安全(道路運送法1条)を減殺させ、これによって確保されてきた公共交通の安全性を脅かすものである。

4 「東京版ライドシェア」も道路運送法の要件を充足しないこと
 さらに、中間とりまとめは、自家用車による有償旅客運送(白タクを可能とするため「道路運送法78条3号に基づく制度の創設」を目指すとされ、「東京版ライドシェア」も同号によって実施するとされている。
 しかし、同号は、「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき」という例外的な場面に限定し自家用自動車による有償旅客運送を許容しているのであり、安易に適用されるものではない。「公共の福祉」の確保に必要であるとの実証的な裏付けもないまま、東京都内のタクシー不足を理由に開始されようとする「東京版ライドシェア」は、「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合」との要件を充足し得ないのである。

5 タクシー事業者との雇用契約締結では弊害防止できないこと
 「東京版ライドシェア」は、運転者とタクシー事業者との間で雇用契約を締結することを要件とするようだが、これは、タクシー事業者の利益確保にはなり得ても、労働者の労働条件悪化と公共交通の安全を脅かすことの歯止めとはならない。
 事業者の看板で「白タク」の算入を許してしまえば、同じタクシー事業者の下で働く既存のタクシー労働者においては競争が激化して一 台あたりの売上減少を招き、タクシー労働者の労働条件を悪化させるのは必定である。
 また、とりわけ交通量の多い都内で、二種免許を持たない一般の運転者に有償旅客運送を許すことは、公共交通の安全性を大きく脅かすものといえる。

6 将来的にも雇用契約締結が確保され運用される保障はないこと
 中間とりまとめは、「ドライバーの働き方について、安全の確保を前提に、雇用契約に限らずに検討を進める」としているのであり、雇用契約締結の要件が将来的にも維持されるのか大いに疑問がある。世界各国で、「ライドシェア」に関して、本来は「労働者」として扱われるべきドライバーを「労働者」と扱わず労働法の保護を及ぼさないとしていることが問題となり、訴訟にまで発展している。日本でも、当初から「東京版ライドシェア」を足掛かりに して、遠くない将来、雇用契約ではない法形式による「ライドシェア」を拡大しようと意図されているのである 。

7 まとめ
 以上の通り、あらゆる「ライドシェア」は、タクシー運転者の労働条件を悪化させ、公共交通であるタクシーの安全性を脅かし、何よりも、プロフェッショナルとして日本の公共交通を日夜支えるタクシードライバーの労働者としての誇りを踏みにじるものであって到底容認できない。日本労働弁護団は、タクシー事業者を運営主体にするものも含め、あらゆる「ライドシェア」解禁の動きに断固反対し、労働運動・市民運動と連帯してこれを阻止するために取り組みを進める 。
以上

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