Blog・連句の部屋

みんなで楽しく歌仙を巻きましょう♪

せっかち歌仙・その57「流星群の巻」が満尾しました

2024年12月26日 | せっかち歌仙

昨日、せっかち歌仙・その57「流星群の巻」が満尾しました。
ちょうど3ヶ月で巻き終わりましたが、私たちの連句は、このくらいのペースがいいと思いました。

HPの「連句の部屋」の歌仙のところには、おいおい今回の歌仙をアップします。

また見直して、自分の句で直したいところは、コメントなり、メールなりで送ってください。

今回、反省会をしたいと思っていますが、調布にいるので可能かと考えましたが、ギブスはしていても、あまり出歩くと骨がずれると、おどされました。

1月の半ば過ぎには、今後のことが決まるので、またご連絡いたします。

 

反省会まで間があくので、今回の歌仙について、忘れないように書いておきたいと思います。

なんの問題もなくすーっといかなかったけど、それはそれで面白いと思いました。(あくまで私的にです)

最初、第3句、永井さんがいつもの決まり事ではなく「て止め」「らんどめ」をしなかったときに、永井さんに句を返すのではなく、このままいってみようと思いました。

句はちゃんと転じていたけど、それを無理矢理「て止め」にすると、ちょっと変わってしまうと考えたためです。

そうしたら、多摩のO脚さんが4句「いずこへ」、つぎの逐電さんが5句「盗まれて」と体言止めでなく詠んでくれたために、その後うまく流れていきました。

 

もう一つは、最後の名残折表の山八訪さんの句です。

29(月)..年の瀬に下弦の月と千鳥足  

このときに、パソコンを持って行ってなかったので、スマホの小さい画面でみて、つけたので、全体像が見渡せなかったかなあと反省しました。

つけたのは、私の句で、

30........秋天見上げ足を滑らす   

骨折したときのことを、連句に残そうと考え、そして、前句が月の句なので、秋で詠みました。

でも、ちょっと迷ったのは、年の瀬と月で、季節が二つ入っていたこと。けれど、月はなんにも増して強い季語なので、秋以外考えませんでした。

今思うと、この月を冬の月の季語にした方が、自然だったかもしれませんね。そう思ったときには、もう何句も進んでしまっていたので、変えるのはできなくなっていました。

ちなみに、右ブックマーク、一番下に「月に関する季語」をリンクさせてあります。

冬の季語だと、以下のものがあります。

冬の月(ふゆのつき)
(類) 寒月(かんげつ),寒三日月(かんみかづき),月氷る(つきこおる),月冴ゆる(つきさゆる)

月は、何もついてなければ、すべて秋の季語で、他の季節の月をあらわす言葉は、案外少ないですね。

 

 

 

 


せっかち歌仙・その57「流星群の巻」

2024年09月24日 | せっかち歌仙
参加者=紅蓮・山八訪・永井人生・多摩のO脚・逐電・茶目猫・晩菊・長者巻・良流娯・



発句........子どもらと寝転んで待つ流星群  紅蓮     
脇句........ふと気がつけば虫の音の闇  山八訪       
3(月).........古老にも大志ありけり月見酒  永井人生      
4...........白山麓のとびはいずこへ 多摩のO脚        
5...........尼寺で銀の食器が盗まれて 逐電     
6............刺草(いらくさ)干して食籠を編む  茶目猫      
(初折裏)
7............おさまりて秋の野菜はにこやかに  晩菊    
8............他人装おう老いらくの恋  長者巻       
9............すれ違うただそれだけにときめいて  良流娯     
10...........みんな仲良しブラック企業       永     
11...........ゾンビ魔女髑髏溢れるハローウィン  山        
12...........夜長にひとり映画愉しむ  紅      
13(月)..満月や自転車漕げば宙に浮く  茶  
14...........選挙に落ちて沈む重鎮  逐   
15..........歩をすすめ思いめぐらす鞍馬寺  O   
16..........鯖街道を経日本海へ  良   
17(花)..大伽藍いぶし瓦に桜舞う  長 
18..........心地良いのはやはり春風  晩   
(名残折表)
19..........初午祭太鼓の音が近づきぬ  紅   
20..........薄揚げ供へ二拍一礼  山   
21..........厄年といえど年末宝籤  永   
22..........雪見の露天さるもまったり  O   
23..........装束をサスケ真田でからかわれ   逐    
24..........井戸の抜け穴囲みを潜る  茶    
25..........何となく一息つけば情けなや  晩   
26..........伴にいる今不思議な出逢い  長   
27..........片恋に終止符打つや一人旅  良   
28..........紅白見つつ聞く父母の愚痴  永   
29(月)..年の瀬に下弦の月と千鳥足  山   
30........秋天見上げ足を滑らす  紅    
(名残折裏)
31..........銀鮭や遡上の傷を全身に  茶    
32..........すもうに負けて通う外来  逐   
33..........半年の胃カメラ忘れ大慌て  長    
34..........どうするべきかしばし考え  晩    
35(花)..花見避け静けさの山ふっくらと  O   
36..........春の雪踏み全快祝ふ  良

<2024 年9月 25日~2024年12月25日>


せっかち歌仙・その56「風光るの巻」

2024年05月11日 | せっかち歌仙
参加者=良流娯・永井人生・逐電・長者巻・紅蓮・多摩のO脚・山八訪・茶目猫・晩菊



発句........山の声拾ふ補聴器風光る  良流娯     
脇句........母と旅する新入社員  永井人生       
3..........春の泥父に地蛸を供えたく  逐電      
4...........庭越しに聞く団欒の声  長者巻        
5(月)..今はなき生家をしのぶ月清か  紅蓮     
6............身にしむばかり四つ葉マークが  多摩のO脚      
(初折裏)
7............放牧の羊の集ふ秋の暮  山八訪    
8............送りオオカミ途中で撒いて  茶目猫       
9............気がつけば恋の笑顔が待ちかねし  晩菊     
10...........駅ピアノ弾き受ける喝采   逐     
11...........風鈴の流るるようなラブソング  永        
12...........厄年なんぞ気にもせず過ぐ  良    
13(月)..庭先の熊の足跡月さして  O  
14...........サトイモ・柿・栗そっと下げる  紅    
15..........里の秋白寿の母は歌い逝く  長   
16..........遠い国にもまた楽しみが  晩   
17(花)..青空に一水を引き糸桜  茶 
18..........権瑞玉の群れをなす磯 山   
(名残折表)
19..........霾(つちふる)や陸と海とが溶け合って  良   
20..........水平線の先が故郷  永    
21..........さあ泣けと蕩児還れば風が言い  逐   
22..........齢重ねてなお五里霧中  長   
23..........道迷い足止めじっと考える  紅    
24..........真白き世界前も後ろも  O    
25..........庭隅にいつのまにかの実万両  山   
26..........面影しかと心に結び  茶   
27..........なつかしき想ひ尊しいつまでも  晩   
28..........シゲは打ったり天覧ホーマー  逐   
29(月)..すやすやと眠る球児や月涼し  永   
30..........家族総出の朝の草刈り  良    
(名残折裏)
31.........気を遣う夕暮れ時の手花火も  O    
32..........島の楽しみ祭りに神輿  紅   
33..........顔役の付かず離れず列を追ふ  茶    
34..........冬を凌いだ浮世も春だ  山    
35(花)..舳先ゆく河面彩る花筏  長   
36..........流れる水も少し温みて  晩

<2024 年5月11 日~7月26日>


せっかち歌仙・その55 「豊の秋の巻」が満尾しました

2024年03月14日 | せっかち歌仙

みなさまへ

本日3月14日、せっかち歌仙・その55 「豊の秋の巻」が満尾しました。

おつかれさまでした。

自分の句や、他のみなさんの句をよく読んで、変えた方がいいところなどありましたら、お知らせください。

来週中には、歌仙のページに載せたいと思います。

反省会については、また連絡いたします。


せっかち歌仙・その55 「豊の秋の巻」

2023年12月26日 | せっかち歌仙
参加者=茶目猫・晩菊・多摩のO脚・紅蓮・逐電・良流娯・山八訪・永井人生・長者巻



発句........豊の秋そらまで届く千枚田  茶目猫     
脇句........稲作祝う声もあちこち  晩菊       
3(月)..手を合わせ満月の笑み中東に  多摩のO脚     
4...........義兄の郷で足跡たどる  紅蓮        
5...........ほたる狩り何かが起こる気配して  逐電     
6............歌声誘う花蜜柑の香  良流娯      
(初折裏)
7............カラオケの集ひの前にひとっ風呂  山八訪    
8............貴方のために有るラブソング  永井人生         
9............「燃える秋」ハイファイセットめぐる愛  長者巻       
10...........小布施を訪ね焼きポン食らふ  O       
11...........楽しみは腹を満たしたその後に  晩        
12...........そぞろ歩きの海岸通り  茶    
13(月)..寝袋に包まれ夢へ寒月夜  良  
14...........手管あるらん老猫の恋  逐    
15..........赤ん坊笑えばみなもほころびて  紅   
16..........辰の震撼平らかであれ  長   
17(花)..生きていることが孝行花見酒  永 
18..........春幾百の要塞跡で  山   
(名残折表)
19..........百千鳥聞きつ樹下にて浅き夢  茶   
20..........目覚め見上げる青空眩し  晩    
21..........福井城幾重もの堀どこまでも  O   
22..........子らは喜ぶ恐竜の森  紅   
23..........きぐるみを脱げば美男の現われて  逐    
24..........背に汗にじむ歩荷の笑顔  良    
25..........初摘みの新茶とわかる人減りぬ   山   
26..........何処も彼処も過疎高齢化  永   
27..........たっしゃでな介護の天使ありがとな  長   
28..........お迎えうれし寄り道しよう  O   
29(月)..にこやかに月を見上げる帰り道  晩   
30..........虫の音のなか言葉はいらぬ  茶    
(名残折裏)
31..........選手等の行き交うサイン秋日和  良    
32..........バスが曲がれば客皆傾ぐ  逐   
33..........御別れも御迎えもあり春の駅  永    
34..........もらい損ねた卒業証書  長    
35(花)..師とともに花見したのはいつの日か  紅   
36..........ゆく春ありてくる春のある  山

<2023 年10月 12日~2024年3月14日>


せっかち歌仙・その54「明日葉の巻」

2023年04月26日 | せっかち歌仙
参加者=紅蓮・多摩のO脚・長者巻・良流娯・永井人生・逐電・山八訪・茶目猫・晩菊



発句........明日葉の一直線に生えそろひ  紅蓮    
脇句........ランドセル揺れ歯なしの笑顔  多摩のO脚         
3..........みどりの日富士まで遥か車中にて  長者巻      
4...........土産は無事故という看板  良流娯            
5(月)..恍惚の父の手に在る月の石  永井人生     
6............路地の夜長を童謡が行く  逐電     
(初折裏)
7............戦場の廃墟漂う赤とんぼ  山八訪        
8............待てど暮せど帰らぬ人よ  茶目猫           
9...........唯一人募る思いを如何にせん  晩菊       
10...........巨大古墳を飛鳥に訪ね  長     
11...........森の中命を懸けて子を守り  O        
12...........思いを馳せる未来の地球  紅    
13(月)..赫き月主奥より景徳鎮   逐 
14...........芸術よりも食欲の秋  永    
15..........校門の場所取りの列運動会  良   
16..........競技や遊戯見るのも楽し  晩   
17(花)..村人のみな花守や千年樹 茶 
18..........眼凝らせば権瑞の玉  山   
(名残折表)
19..........顔をあげ軒先見れば蜂の群れ  紅   
20..........気ははやれどももつれる足下  O    
21..........階段を手摺りに頼りて上がり下り  長   
22..........安らぎ与ふ屋上緑化  良   
23..........向日葵のような笑顔の人と居て  永    
24..........つい振り返る匂う人妻  逐    
25..........ハンケチのヘリオトロープ想いだし  山   
26..........シャワーを浴びてビールが旨し  茶   
27..........とりあえず一息ついて二杯目も  晩   
28..........耳に貝殻静かな海辺  長   
29(月)..後悔の有明の月目を覚ます  O   
30..........無心になりて秋遍路ゆく  紅    
(名残折裏)
31..........蟹茹でて卓を埋めて山の贅  逐    
32..........酒なくなれど話しは尽きぬ  永   
33..........明け方に書き出す手紙春を待つ  茶    
34..........芽吹く草木も微笑むように  晩    
35(花)..米寿越え電動カーの花見かな 良   
36.......... 終わりよければ極楽の春  山

<2023 年4月 26日~8月3日   >




せっかち歌仙・その53「葱の一抱え」の巻

2022年12月01日 | せっかち歌仙
参加者=茶目猫・逐電・山八訪・良流娯・多摩のO脚・紅蓮・晩菊・長者巻・永井人生



発句........新聞紙はみだす葱の一抱へ  茶目猫     
脇句........待ってましたと寺は寄せ鍋  逐電       
3..........権禰宜の掃く玉砂利に塵もなく  山八訪      
4...........ボール追いかけ小川飛び越え  良流娯        
5(月)..国防も原子力も後の月  多摩のO脚     
6............夜寒に祈る世界の平和  紅蓮      
(初折裏)
7............秋深し争い事は絶え間無く  晩菊    
8............耐第8波とろろそば喰う  長者巻       
9............もしもしのトーンで全て分かる君  永井人生       
10........... 駒音交わす新古の鬼才  山       
11...........宴席でいやさかの後なにわ節  逐          
12...........村人こぞり豊年祭り  茶      
13(月)..どんどどん月出ずるまで太鼓なる  紅   
14...........花野にひびく子らの甲声  O      
15..........置き去りの青い水筒雨に濡れ  良     
16..........錆びてゆけども今が青春  永     
17(花)..山桜散り際も又潔し 晩   
18..........蜂の巣に吠え跳ね飛ぶ子犬  長     
(名残折表)
19..........剪定の庭師が空を切り揃へ  茶     
20..........そらみたことか春の泥ふむ  逐      
21..........冷戦の終結の島波静か 山     
22..........暗黒の夜の満天の星  良     
23..........画布に見ゆ塗り重ねたるその一世(ひとよ)  O      
24..........南仏にいきマティスに出会う  紅        
25..........長旅の果てに幸有るプレゼント  晩     
26..........片恋の熱老いてなお燃ゆ  長     
27..........本命が二人のバレンタインデー  永     
28..........季節を問わぬ推し活の女子  山     
29(月)..四階の母に手を振る月の道 逐     
30..........えんま蟋蟀踊り場で鳴き  茶      
(名残折裏)
31..........ニワトリの飼料高騰暮れの秋  紅      
32..........願い叶わじ力によっては  O     
33..........混声の歌声響く大ホール  良      
34..........客も味方におおシャンゼリゼ  永      
35(花)..大通り桜綻びいいことが 長     
36..........心も弾み春めく世間 晩  

<2022年12月 1日~2023年3月5日>


せっかち歌仙・その52「梅雨空の巻」

2022年06月17日 | せっかち歌仙
参加者=紅蓮・晩菊・茶目猫・長者巻・逐電・良流娯・多摩のO脚・山八訪



発句........島やさい梅雨空越えて届けられ  紅蓮     
脇句........ 夏大根の辛み楽しむ   晩菊      
3..........目薬を差して夏書の僧ならむ  茶目猫      
4...........老いに追われて文字かすみゆく   長者巻       
5(月)..娘と庭で鶏さばきおり望の月  逐電     
6............もろこし焼く香道にも流る   良流娯     
(初折裏)
7............三島祭水辺をたどり碑を偲ぶ   多摩のO脚   
8............牢屋の窄に立ちて動けず   山八訪      
9............もどかしく狭まる思い痛ましや  晩     
10...........素足で浜を駆ける夢見し  紅     
11...........汗滲み目覚めの後の徒労感  長        
12...........自然薯掘るも途中で折れて  茶    
13(月).. 友招き果てぬ家飲み冬の月   良 
14...........不運の話題尽きず丑三つ  逐    
15..........登頂の想望弾む夜明け前  山   
16..........齢重ねて暑さわからず  O   
17(花)..花の宴あと何回と思うなり  紅 
18..........迎える春はいついつ迄も  晩   
(名残折表)
19..........初つばめ風に任せて瀬田泊り  茶   
20..........窓から投げる紙ひこうきや  長    
21..........質屋爺あいさつ好きは困り者  逐   
22..........あやせば笑う子に励まされ  良   
23..........手花火も気楽にできぬいつからか  O    
24..........片足立ちにふらふらゆらり  山    
25..........酒だけは今も変わらぬ八十路なり  晩   
26..........差しつ差されつ夜もふけゆく  紅   
27..........宇宙(そら)かなた星降る夜にプロポーズ  長   
28..........産卵終えて亀海へ発つ  良   
29(月)..月光の届き竜宮城ひらく  茶   
30..........太郎嘆くな姫肥ゆる秋  逐    
(名残折裏)
31..........天高く下見所歩む競走馬  山    
32..........美瑛の丘を爽やかに吹け  O   
33..........かろやかにクロカンはいてCafeに寄り  紅    
34..........ウッドデッキで聞く百千鳥  茶    
35(花)..咲き競う花々達も賑やかに  晩   
36..........初音の鼓(つづみ)舞あでやかに  長

<2022 年6月 17日~9月16日>


せっかち歌仙・その51「花菜風の巻」

2022年03月02日 | せっかち歌仙
参加者=茶目猫・紅蓮・逐電・山八訪・長者巻・良流娯・晩菊



発句........寝転んで雲と流れて花菜風 茶目猫     
脇句........川辺ではしゃぐ野遊びの子ら  紅蓮       
3..........春泥を戦車蹴散らし進むらむ  逐電      
4...........強そな四股名並ぶ番付  山八訪        
5(月)..土砂降りのクリミヤ渡る月の暈  長者巻     
6............蹲を洗い色鳥を待つ  良流娯      
(初折裏)
7............案山子など無視した様に群雀  晩菊    
8............きみは追い込めわがかすみ網  逐       
9............見送りのテープをにぎり邁進す  紅     
10...........青と黄の旗国境越えて  茶     
11...........ニュース見て地図を広げる勉強家  良        
12...........反抗的に生きよとカミュ   長   
13(月)..月に居て地球を見れば何思う  山  
14...........争い治め酌む今年酒   晩   
15..........手打ち会締めは在所の走り蕎麦  茶   
16..........新居に荷物いれて寛ぐ  紅   
17(花)..いとはんは四駆を駆って花の宴  逐 
18..........行く春肴に杖置き二合  山   
(名残折表)
19..........つばくらめ蒼天裂いて何処へか  長   
20..........平和へ進化何世紀後  良    
21..........先見えぬけれど望みは失わず  晩   
22..........母にグリムを読み聞かせつつ  逐   
23..........冒険の森で童心に返らむ  紅    
24..........山彦で呼ぶ狼の声  茶    
25..........繁殖し鳥の楽園無人島  良   
26..........誰を待つやら小枝に一羽  長   
27..........立ち飲みの暖簾をくぐる秋の宵 山   
28..........雑談交わし灯火親しむ 晩   
29(月)..月明り一人静かに渉猟す  茶   
30.......... 栞替わりの満天星紅葉 良    
(名残折裏)
31..........受付で何度も呼ばれている愁思  逐    
32..........手元覗けばケイタイのゲーム  山   
33..........なつかしき通勤地獄よみがえり  長    
34..........トラクター借り今日は農道  良    
35(花)..咲き誇る桜の花に迎えられ  晩   
36..........春光浴びて我が道いかん  紅


<2022 年3月 2日~5月2日>


せっかち歌仙・その50 「金木犀の巻」

2021年09月18日 | せっかち歌仙
参加者=茶目猫・良流娯・長者巻・山八訪・紅蓮・逐電・晩菊



発句........窓開けて金木犀の風通す  茶目猫  
脇句(月)月の光の田園に降る  良流娯       
3..........虫すだく草むらの露かがやきて  長者巻      
4.........朝の挨拶交う路線バス  山八訪       
5.........初めての定期に心うきうきと  紅蓮     
6............ここぞと転びつかむ要職  逐電      
(初折裏)
7............幸せな巡り合わせの摩訶不思議  晩菊    
8............終の棲家に隠れ住む女(ひと)  長       
9............遠距離も障害はなしオンライン  良     
10...........震度五弱に警報の鳴る  茶     
11...........妾宅の子らは静かに泣き出して  逐        
12...........映画「ダンボ」に心ふるわす  紅    
13(月)..ガネーシャの折れた片牙笑う月  山  
14...........飲み友集う秋の夕暮れ  晩    
15..........はるかには初冠雪の富士を置き  茶   
16..........次々と湧くパラグライダー  良   
17(花)..山の際(ま)に風まかせゆく花ふぶき  長 
18..........便りのとどく里はゆく春  山   
(名残折表)
19..........手作りの蓬の餅のなつかしき  紅   
20..........烏骨鶏なき後は鶏卵  逐    
21..........独り身は手間を省いて目玉焼き  晩   
22..........サスティナブルって言えば済み  長   
23..........熱帯夜枕元にもマイボトル  良    
24..........組体操を崩す夕立  茶    
25..........腰低く生きだんだんと利己主義者  逐   
26..........欠点あれど心惹かれる  紅   
27..........共白髪歩む峠に秋深む  山   
28..........揺れて輝く紅葉眺めて  晩   
29(月)..身に享くる青き波動や月今宵  茶   
30..........新小豆炊く香の満ちる朝    良    
(名残折裏)
31..........枯れ枝に鳥戯れてひと葉散る   長   
32..........ニューモ手にして勇むアイドル  逐   
33..........最期には欲・見栄もなく浄化され  紅    
34..........孫の親は子東風舞いもどる  山      
35(花)..咲く花を家族揃いて眺めたり  晩   
36..........生け垣超えてしゃぼん玉舞ふ  良

<2021 年9月 18日~12月1日>


せっかち歌仙・その49 「囀りの巻」

2021年04月01日 | せっかち歌仙
参加者=紅蓮・茶目猫・逐電・良流娯・長者巻・晩菊・山八訪



発句........囀りに囲まれながら畑仕事  紅蓮     
脇句........背山妹山笑みかはしつつ  茶目猫       
3..........手の平で春雨を受け歩き出し  逐電      
4...........宛名滲んだ絵手紙届く  良流娯        
5(月)..酔いしれて見上げる月に話しかけ  長者巻     
6............家路辿れば鈴虫の声  晩菊      
(初折裏)
7............海染まり秋夕映えの新世界  山八訪    
8............丁稚の悩むこいはんの理科  逐       
9............付け文を見せ合ふ姉妹奥座敷  茶     
10...........コロナなければ温泉がよし  紅     
11...........出かけたいけれど足留めこの辛さ  晩        
12...........禁酒を誓い胃カメラでバレ  長    
13(月).. 月涼しライトの要らぬ散歩道  良   
14...........馬籠妻籠に薫風渡る  山    
15..........連休は映画三昧家ごもり  紅   
16..........一雨過ぎて春の虹立つ  茶   
17(花)..花堤妾宅めがけてまっしぐら  逐 
18..........鳥雲に入る拾ふ貝殻  良   
(名残折表)
19..........ふるさとは遠くはるかに春霞む  長   
20..........馴染みし山河ふと思い出す   晩   
21..........我が星も四十六億齢重ね  山   
22..........褒め上手の弁日々新たなり  逐   
23..........滾々と小石躍らせ湧清水  茶    
24..........ないものねだりの島のくらし  紅    
25..........何もかも有れば有ったで迷いごと  晩   
26..........獲物に魅入る蜘蛛の片恋  長   
27..........竜に乗りゲドと旅する夢の中  良   
28..........帙入りの巻繰れば虫の音  山   
29(月)..満月にこの地を去りぬかぐや姫  紅   
30..........十日の菊の残り香を聞く  茶    
(名残折裏)
31..........祖母宅で気鋭も食べるふかし芋  逐    
32..........人形座る幼児用いす  良   
33..........ゆるむ顔マスクに隠し足早に   長   
34..........そっと見上げる夜空霞みし  晩    
35(花)..宴無く花散る中の寛永寺  山   
36..........友と逸るる義士祭かな  茶

<2021 年4月1日~6月10日>


せっかち歌仙・その48「冬銀河の巻」

2020年12月06日 | せっかち歌仙
参加者=良流娯・長者巻・山八訪・ターボ・晩菊・紅蓮・茶目猫・逐電



発句........白みゆく空に溶け行く冬銀河  良流娯     
脇句........玉手箱抱きはやぶさ還る  長者巻       
3..........海原へ島の湯けむりたなびきて 山八訪      
4...........帰港の汽笛いと柔らかし  ターボ        
5(月)..明け方の空に三日月耀けり  晩菊     
6............BGMは鈴虫の声  紅蓮      
(初折裏)
7............貼り替へし障子に映る人の影  茶目猫    
8............帯くるくるとほどけ行くらむ  逐電       
9............不義負うて死への道行き歌舞伎観る  長     
10...........絵の鑑賞に音声ガイド  良     
11...........オリオン座大の字にねて仰ぎけり  タ        
12...........天地の色は嗚呼モスグリン  山    
13(月)..月清く母の面影浮かびくる  紅  
14...........思い出尽きぬ爽やかな宵   晩   
15..........秋深し学食に散る旅のビラ  逐   
16..........卒業式もリモートならむ  茶   
17(花)..晴れ着着てライトアップの花見かな  良 
18..........暖かな縁ねこ丸く寝る 長   
(名残折表)
19..........漱石よ水甕前に何想ふ  山   
20..........発見に沸く発掘現場  タ(良・代理)    
21..........古(いにしえ)の世界を偲ぶ宝物  晩   
22..........初詣にも時差の呼びかけ  紅   
23..........狛犬の阿吽を隠す大マスク  茶    
24..........咬み殺して過ぐ苦き諧謔  逐    
25..........眼鏡かけメガネを探す齢かな  長   
26..........良き人に逢う待った甲斐あり  良   
27..........すべりこみセーフの吾に熱視線  タ(紅・代理)   
28..........倶にした日を呼ぶ秋彼岸  山   
29(月)..未来にも未来はありや望の月  逐   
30.......... 中天高く身に染む光り 晩    
(名残折裏)
31..........大晦日やる気満々鐘をつく  紅    
32..........空に足掛け見栄切るめ組  茶   
33..........過疎の地の野次馬集む撮影車  良    
34..........殺陣斬られ役永遠の旅路へ  長    
35(花)..花屑の中にうづもる造り花  山   
36..........春の雲には君の面影  紅蓮

<2020 年12月 6日~2021年1月12日>


せっかち歌仙・その47「虫しぐれの巻」

2020年09月20日 | せっかち歌仙

       

参加者=茶目猫・逐電・良流娯・長者巻・紅蓮・晩菊・山八訪



発句........真夜覚めて全身で聴く虫しぐれ  茶目猫      
脇句........新酒の酔いの去って虚しき  逐電      
3(月)..月明り釣り具車に飛ばすらん  良流娯    
4...........黄金に燿(ひかる)本牧の鯵  長者巻      
5...........グループサウンズの時代胸よぎり  紅蓮   
6............思い起こすは懐かしきこと  晩菊    
(初折裏)
7...........綺羅きらりひとひらごとの雪の舞  山八訪  
8............傘はないふり相合傘に  良       
9............マスクして明日を語るももどかしく  逐     
10...........オペラ座閉まり燕も帰る 茶     
11...........旧友と交す盃秋夜長  晩        
12...........松茸飯でたまのぜいたく  紅    
13(月)..go toで星のリゾート月を待つ  長  
14...........運も尽きたかクラスターとは  山   
15..........逆転の人生知れば湧く力  良   
16..........子に投げられて四股ふみ始む  逐   
17(花)..花あらし両国の雲ちぎれ飛ぶ  茶 
18..........風光る街マスクはずして  長   
(名残折表)
19..........県またぎ春の連休ふるさとへ  紅   
20..........眺める小川静かな流れ  晩    
21..........ひたむきに滝を超え跳ぶサクラマス  山   
22..........目を輝かせ転職の友    良   
23..........立身の扉で自動ドアはなし   逐    
24..........ガラスの壁に体当たりして  茶    
25..........暫し待てさてどうするかこの後は  晩   
26..........心を決めて一歩近づく  紅   
27..........老いらくのおそれなき恋赫奕(かくやく)と  長   
28..........機会・動機と正当化絶つ  山   
29(月)..月に泣く2番目の医師は名医なり  逐   
30..........柿照りの中結願札所  茶    
(名残折裏)
31..........秋天や爆音響く南隅路  良    
32..........米国選挙一喜一憂  長   
33..........世は常に思い通りにいかぬもの  紅    
34.........一息ついて春迎えれば  晩    
35(花)..古本を繰ると栞の櫻花  山   
36..........断捨離終える別れ雪かな  良

<2020 年9月20 日~10月27日>


せっかち歌仙・その46「飛魚の巻」

2020年05月10日 | せっかち歌仙

       

参加者=茶目猫・多摩のO脚・晩菊・長者巻・ターボ・紅蓮・山八訪・逐電・良流娯



発句........飛魚の太平洋を尾でたたく  茶目猫      
脇句........ひかりかがやき涼む山翡翠  多摩のO脚      
3...........青葉陰暫し渓流覗くらん  晩菊    
4...........そぞろ歩きに昔日思う  長者巻    
5(月)...願わくは盃交わしたき夕月夜  紅蓮   
6............ほどよく離れ豊年踊  山八訪      
(初折裏)
7............上役はコロナの秋に遠く下知  逐電        
8............反抗心に恋の種あり  良流娯       
9............はねかえり心高鳴る酔い心  O       
10...........自粛解かれて先ずは句会へ  茶       
11...........侘び寂びも間と間の間(あわい)ディスタンス  長          
12...........味わい深くもの静かなり  晩      
13(月)..オンライン顔を並べて月の宴  山    
14...........サンマ塩焼き鮭はムニエル  紅      
15..........とりあえずコイン精米今年米  良     
16..........不景気になり干上がる歯医者  逐     
17(花)..飛花落花去りゆく時をただ眺め  茶   
18..........シャボン玉に今日は何人  O     
(名残折表)
19..........子供等の楽しむ空に春の虹  晩     
20..........遊び疲れてカラスと帰る  長      
21..........替え歌で笑わせし人世を去りぬ  紅     
22..........免疫力だニコニコわはは  山     
23..........席亭の大入りの日や今いずこ  逐      
24..........扇ひらけば友詠みし和歌  良      
25..........舟釣りの智栄はどこへ父辛し  O     
26..........夢の中まで面影を曳き  茶     
27..........決心し手紙に込めて解き放つ  長     
28..........心晴ればれ希望に燃えて  晩     
29(月)..病癒え軽い足取り望の月  良     
30..........カメラ向けるは紅葉の山か  紅     
(名残折裏)
31..........田の中に実りたる穂を待つ案山子  山      
32..........雨の降るまで雨乞いをする  逐     
33..........青空の一滴となり糸とんぼ  茶     
34..........飛び去るもよし居座るもよし  O        
35(花)..迷いつつ今年は桜そっと見る  晩     
36..........笑ふ山背に記念撮影  ターボ  

<2020 年5 月10 日~6月26日>


せっかち歌仙・その45「春告鳥の巻」

2020年03月02日 | せっかち歌仙

       

参加者=ターボ・紅蓮・晩菊・茶目猫・長者巻・多摩のO脚・逐電・良流娯・山八訪



発句........長調へ春告鳥の声転ず   ターボ      
脇句........島吹き渡るあたたかな風  紅蓮      
3...........ゆすらうめゆらりゆらりと咲き初めて 晩菊    
4...........観覧車より日没の見ゆ  茶目猫    
5(月)..十六夜はためらいながら山の端に 長者巻   
6............人ごみ避けて庭木刈る日々  多摩のO脚    
(初折裏)
7............祭りはて胸整える女衆  逐電  
8............勇姿が決め手変わらぬ思い  良流娯     
9............閉館しマスクをかけるダビデ像  山八訪     
10...........世間騒がすコロナウイルス  晩     
11...........空を飛び想定外の場所に行く  紅        
12...........しばし寄らばや清らの薩摩  タ    
13(月)..盃と噴煙照らす後の月  O  
14...........なびく稲穂にかかし踏ん張る  長    
15..........バス待てば越後の空の赤とんぼ  茶   
16..........地球の裏は何する人ぞ  八   
17(花)..3Dのあふれる花に夢心地  良 
18..........被災地低く霞たなびく  逐   
(名残折表)
19..........永き日にあち見こち見の風見鶏  タ   
20..........気の向くままに旅に出でたし  紅    
21..........のんびりと知らぬ土地での独り酒  晩   
22..........身震いひとつ転寝の覚め  茶   
23..........検温しエリマキ巻いて戦場へ  長    
24..........願い叶えよ雑踏の雪  O    
25..........丑三つに小僧和尚の蜜を舐め  逐   
26..........心震える甘いささやき  良   
27..........こらえ抜け島根鳥取岩手県  八   
28..........尋常成らず先は見えぬが  晩   
29(月)..世界中明るく照らせ今日の月  紅   
30..........倭国は澄みて方舟なるらん  タ    
(名残折裏)
31..........炉火恋し友と語らう世迷言  O    
32.........古希越した今あとはお返し  長   
33..........報われる宝のようなありがとう  良    
34..........道辺の草も春の宣言  八    
35(花)..人と人影は接触花堤  茶   
36..........のどかの橋を犬猫の行く  逐

<2020 年3 月2 日~4月10日>