Blog・連句の部屋

みんなで楽しく歌仙を巻きましょう♪

エマノン歌仙・60巻記念「聖堂に光」の巻

2013年12月03日 | エマノン歌仙
茶目猫・良流娯・逐電・長者巻・紅蓮・晩菊・山八訪・嗤己・多摩のO脚・柳樹・銀次郎・天遊


発句.....聖堂に光の満つる十二月   茶目猫     
脇句.....島々巡る冬晴の旅  良流娯      
3...........密偵が妻に埃を払われて  逐電    
4...........雨音途絶え深き闇底  長者巻    
5(月)...山の端を照らせよ照らせ今日の月 紅蓮   
6............芋栗団子供えし夕べ  晩菊    
(初折裏)
7............門潜り地獄花摘み天仰ぐ  山八訪  
8............火傷ひりひり焦がす想いよ  嗤己     
9............残り香に心惑うて崖の上  多摩のO脚     
10...........花ふるわせる庭の水仙  柳樹     
11...........ジャージ脱ぎ裸の胸を見せつけて  銀次郎        
12...........湯船に浸かりペンキ絵を見る  天遊    
13(月)..寒月やオレンジ色で落ちんとす  良 
14...........夕陽に染まる段々畑  茶    
15..........人知れず野やまを翔る山窩(さんか)たち  長   
16..........粉をかけつつ踊る末裔   逐   
17(花)..浮かれ咲きあとは侘びしき桜雨  晩 
18..........はかなく消えむ春の夜の夢 紅   
(名残折表)
19..........蛤に砂を吐かせて肴支度 嗤   
20..........十三世紀の物語を読む 山    
21..........厳寒を炬燵より見るは天国か  柳   
22..........赤子に触れるささくれた指  O   
23..........親不孝重ねし母のちゃんちゃんこ  天    
24..........屋根を越えゆく石鹸玉吹く  茶    
25..........薄氷を見つけては踏みはしゃぎおり  良   
26..........ふらここ揺らす逐電男  逐   
27..........散りじりに胸の振り子が乱れたり  長   
28..........オリンピックに魔物がひそむ  紅   
29(月)..陽を浴びて心眼に浮かぶ朔の月  山   
30..........秋燕惑う黄昏の空 晩    
(名残折裏)
31..........枯れ枝に残れる柿のいじらしさ  嗤    
32..........柑橘系も医薬も効ず  O   
33..........黒髪の香に疼く懐かしさ  柳    
34..........北を開ければ部屋広くなり  天    
35(花)..杯を止め口で迎える花の宴  逐   
36..........春は揚げ物還暦祝い  長

<2013 年12月3日~2014年4月11日>

エマノン歌仙・その23「 蕗の薹の巻」

2012年04月07日 | エマノン歌仙
       
参加者=晩菊・少艶・茶目猫・天遊・山八訪・長者巻・多摩のO脚・良流娯・紅蓮・逐電・嗤己


発句.....小雨降る 庭に笑いし 蕗の薹   晩菊         
脇句.....春来たれども ほろ苦きかな  少艶    
3...........若き日を 語る文豪 藍微塵  茶目猫  
4...........粋が身を食い 果ては野だいこ  天遊   
5(月)...月見上げ 横にまた月 無くて有り  山八訪  
6............天穏やかに 大豆実りて  長者巻  
(初折裏)
7............空部屋に 凛と極める 女郎花  多摩のO脚  
8............断捨離おえて 一人さわやか  良流娯    
9............リュック背に 風にまかせて 旅に出ん  紅蓮    
10...........列島南下 気分上昇  逐電    
11...........抜ける空 ぽっかり浮かぶ 飛行船  嗤 己      
12...........秋夕焼に 染まる国境  茶    
13(月).. 日は沈み 月の出を待つ 新番付  少
14...........虫の音冴える 山里の夜  晩    
15..........黎明に 朝霧流る 音もなく  長   
16..........京三条に貝合わせの帯  山   
17(花)..花の下 ここで遇うたが 百年目  天 
18..........春日傘さし 知らんふりする  紅   
(名残折表)  
19..........かげろうや 車で追って はしゃぎし日  良   
20..........人影もなく せまる夕暮れ  O    
21..........何がそう 気に食わぬのか 青嵐  晩   
22..........親 わしゃ偉い 子は偉そげに  嗤    
23..........厨子王が 母に遭うは 佐渡日向ぼこ   逐   
24..........烏賊釣る舟の 灯り眩しく  少    
25..........風鈴を 水平線に つるし置く  茶   
26..........いまだ届かぬ 後朝の文  天   
27.........柚子皮を 砂糖に埋めた 附子の桶  山   
28..........危うきものに にじり寄る性(さが)  長   
29(月)..陰拾い 街を彷徨う 後の月  O   
30..........ラジオききつつ  栗の皮むき  良   
(名残折裏)
31..........山頂で 弁当広げ 紅葉狩り  紅蓮   
32..........政変近しと 叱られる秘書  逐   
33..........常人と 思えぬ輩 跋扈する  嗤    
34..........雨一番に一升酒  山    
35(花)..うとうとと花影の宵夢の中  長   
36..........天変地異の 春は過ぎゆく  紅

<2012 年4 月7 日~7月12日>





エマノン歌仙・その22「走り梅雨の巻」

2011年06月02日 | エマノン歌仙
       
参加者=晩菊・逐電・多摩のO脚・良流娯・少艶・紅蓮・天遊・長者巻・茶目猫・嗤己・山八訪


発句.....冷えびえと 音も静かに 走り梅雨  晩菊         
脇句......枝付き枇杷の届く夕暮れ  逐 電    
3...........朝日浴び 海辺に子らと 戯れて  多摩のO脚  
4...........小瓶に詰めた 貝と思い出  良流娯   
5(月)...世紀超え 月の砂漠を 掘り返す  少 艶  
6............銀河旅行の 夢を果たさむ  紅蓮  
(初折裏)
7............玄米と 味噌と少しの ぬくめ酒  天遊  
8............妾宅に咲く 梔子の花  長者巻    
9............青しぐれ 上り框(かまち)の 火打石  茶目猫    
10...........おこうこお茶で 町内を知り  嗤 己    
11...........ハロウィンの 国へ旅立つ 孫曾孫 山八訪      
12..........透き通る目に 未来を託し O    
13(月)..プロレスの 番狂わせや 冬の月 逐  
14...........鍋を囲めば 話題途絶えず  晩    
15..........アラカンの 女の旅は かしましく  紅  
16..........バイクを駆って西域を行く  少   
17(花)..川辺にて 花見弁当 山近し  良
18..........運気上りて 雪形の馬  茶   
(名残折表)
19..........天翔ける セシウムに乗り 鳥帰る  長   
20..........苦し紛れに 無用の用と  天    
21..........為すべきは 何であろうか 藤枕  晩   
22..........夏の句を詠む から夏が在る  山   
23..........冷汁や へそまで涼し さらさらと  嗤    
24..........無精紐引く 夜は親しき  逐    
25..........夕暮れに 色香漂う 割れしのぶ  O   
26..........順番待ちの 記念撮影  良   
27..........ゼイ オール パスト アウェイ エクセプト ワン  少   
28..........時を忘れて ミステリー読む  紅   
29(月)..待ち侘びて あげくの果ての 雨の月  天   
30..........古老の端に 照紅葉(てりもみじ)添う  長    
(名残折裏)
31..........人信じ 天を敬ひ 秋収め  茶    
32..........拳骨おろし 萬呑み込み  嗤    
33..........光も風も 駘蕩として渡る  山    
34..........春は来にけり 浪路を分けて  少    
35(花)..被災せし 彼の地も花に 癒されむ  紅   
36..........海市の立ちて 満つる人影  茶


<2011 年6月2日~10月4日>

エマノン歌仙・その21 <冬木立の巻>

2011年04月02日 | エマノン歌仙
       
参加者=晩菊・逐電・長者巻・多摩のO脚・茶目猫・山八訪・嗤己・天遊・少艶・良流娯・紅蓮


発句.....雉鳩の 声くぐもりて 冬木立  晩菊         
脇句......胸に鯛焼 あててとどまる  逐電    
3...........北海の 岩場の陰で 糸垂れて  長者巻  
4...........吹雪に向かい まなじり上げる  多摩のO脚   
5(月)...あかあかと 月の真下を 鳥行かむ  茶目猫  
6............絵師艶やかに 菊の美人図  山八訪  
(初折裏)
7............薬師寺の 秋風の立つ 五重塔  嗤己  
8............襟替えの妓の しぐさ色めく  天遊    
9............詫び入るも 小鬢剃られて 都落ち  少艶    
10...........自給自足の 満ち足りた日々  良流娯    
11...........定年後 ふるさとへ向け Uターン  紅蓮      
12...........暇もてあまし 街の灯偲ぶ  長    
13(月)..縁台でパパ将棋さす夏の月  逐  
14...........暫し忘れる 昼の炎天  晩    
15..........目をつむり 心のそこから 愛しなさい  山   
16..........疎水を越えて 木の芽風吹く  茶   
17(花)..五感研ぎ まだかまだかと 花便り  O 
18..........春の夢追う  北国の犬  少   
(名残折表)
19..........伊賀釉の 激しき流れ 康成忌  天   
20..........夢を見させる 虹色雫  嗤    
21..........前向きに 生きて災い 吹き払う  晩   
22..........気持ちをこめて ゴールを決める  紅   
23..........キメポーズ ダンスも楽し 見せ場なり  良    
24..........お開きを待つ 幹事つめたき  逐    
25..........お上から 道楽たたき 今もなお  長   
26..........まどろみ覚めて 残る爪あと  O   
27..........マニキュアに 足す漁火の 遠き赤  茶   
28..........草紅葉踏み 来し方巡らす  山   
29(月)..ぼんやりと月の光に 誘われて  嗤    
30..........新酒たべたべ 烏鷺の戦い  天    
(名残折裏)
31..........断捨離し 敗軍の兵 将を語る  少    
32..........無ければ無いで 生まれる工夫  良   
33..........いままでと 違う世界を 目ざすらん  紅    
34..........鷹鳩と化し 飴屋の真昼  茶    
35(花)..桜散れ また咲くために 散り果てよ  山   
36..........東日本に 春の宵なく  少

<2011年2月1日~5月9日>

エマノン歌仙・その20<乱れ萩の巻>

2010年10月14日 | エマノン歌仙
       
参加者=晩菊・茶目猫・嗤己・多摩のO脚・良流娯・逐電・少艶・長者巻・山八訪・紅蓮・天遊・


発句.....夕風と  戯れおりし  乱れ萩   晩菊         
脇句......秋蝶の描く 空への螺旋 茶目猫    
3(月)...妹の貌 妖しく浮かぶ 無月にて  嗤己  
4...........駿馬駆け抜け 萱の穂揺れる 多摩のO脚   
5...........嬉々として ちゃんばらごっこ 昔の子  良流娯  
6............総領甚六 短か夜の夢  逐 電  
(初折裏)
7............父倒れ 俄か仕込みの 後継者  少艶  
8............日々の手当に 淡き想いを  長者巻    
9...........波騒ぐ 湖畔の立ち湯や 闇の雨  山八訪    
10...........玉砂利を踏む 心地よさかな  紅蓮    
11...........今日だけは 大の字に寝る 掛人  天遊      
12...........かすかに聞こゆ 戸締りの音  嗤    
13(月)..寒月光 ふと目を覚ます 赤ん坊  茶  
14...........いとし盛りの よちよち歩き  晩    
15..........山腹で はやばやと食う 握り飯  逐    
16..........として 海静かなり  良   
17(花)..朝陽浴び 花一面の 吉野山 O 
18..........浪花の場所の 化粧廻しに  山   
(名残折表)
19..........錦絵に 海峡り行く てふてふが  長   
20..........拝金宗から 科学宗へと  少    
21..........待ちわびし 尊き湿り 旱畑(ひでりばた)  晩   
22..........業平調の 歌を詠むなり  天   
23..........時は今 スカイツリーに 歓声が  紅    
24..........カウントダウン 灯の入りにけり  茶    
25..........曙に うっすら浮かぶ 星ひとつ  嗤    
26..........追えば逃げれど 追わねば無風  O   
27.........かけひきも 成就の秘訣 恋の道 良   
28..........叱られること多きこの頃  逐    
29(月)..怖々と 寝待ちの月も 顔出して  少   
30..........吸い物の具に 透けた冬瓜  長    
(名残折裏)
31..........幸来ぬと 目にはさやかに 見えねども  山    
32..........平穏無事に 今年も過ぎぬ  紅   
33..........首すくめ 明日という日を 待つばかり  天    
34..........磨く成田屋 自惚れ鏡  逐    
35(花)..花道を 気合い込め行く 力士かな  良    
36..........踏まれ蹴られて なほ草萌ゆる  長

<2010年10月14日~12月24日>

エマノン歌仙・その19「昼寝の子の巻」

2010年06月18日 | エマノン歌仙
       
参加者=茶目猫・天遊・山八訪・長者巻・紅蓮・少艶・晩菊・多摩のO脚・良流娯・逐電・嗤己


発句.....潮風の わたる座敷や 昼寝の子  茶目猫         
脇句......葉をうちすえる 白き雨脚  天遊    
3...........丑三つに 阿弗利加の笛 鳴り響き  山八訪  
4...........太古の道に いざ分け入りぬ  長者巻   
5(月)...修験者の 足下照らす 望の月  紅蓮  
6............風の盆にも エコ照明を  少 艶  
(初折裏)
7............趣味の本 夜長楽しむ 友とせん  晩 菊  
8...........年を忘れて 幻を追う  多摩のO脚    
9............笹舟に 来世の出逢い 願い込め  良流娯    
10...........選挙のビラを 詰める茶碗屋 逐 電    
11...........金で接ぐ 程ではなくて 接着剤 嗤 己      
12...........掟を破るは 秋の嵐か  山    
13(月)..月影や かいま見し人 忘られず  天  
14...........すすきさ揺るる 透かし垣かな  茶    
15..........不機嫌の 時代を癒す 阿修羅像  少   
16..........若者たちに ブーム起こりて  紅   
17(花)..古戦場 歴女あらわれ 花吹雪   長  
18..........伊吹山にも 春の訪れ  良    
(名残折表)
19..........時を待つ 庭梅の花 つつましく  0   
20.........されど香りは 辺り一面  晩    
21..........湯上りの オーデコロンや モンロー忌  茶   
22..........紙蓋はずし 美味し牛乳  嗤   
23.........靖国や 流れて行かぬ 夏の雲  逐    
24..........山椒魚の 長い嘆息  天    
25..........本節の 尻尾削って 朝餉かな  山   
26..........靴べらあずけ しばしの別れ  長   
27..........新妻の 目にも涙 の時ありて  紅   
28..........頭を垂れて 故郷を憶う  少   
29(月)..半月も 疲れて黄ばむ 熱帯夜  晩   
30..........運動会は 明日に迫りぬ  O    
(名残折裏)
31..........早起きの 母の巻きずし 秋の朝  良    
32..........兄は工場に 姉は事務所に  逐    
33..........カフェ風に 社員食堂 変わりけり  嗤       
34..........漁解かれたか釘煮ぞ嬉し  山   
35(花)..鐘鳴りて 盛りを競う 遅き花  少   
36..........行く春惜しみ 野山をめぐる  良

<2010年6月18日~9月14日>

エマノン歌仙・その18 寒稽古の巻

2010年01月29日 | エマノン歌仙
       
参加者=晩菊・紅蓮・山八訪・天遊・良流娯・多摩のO脚・長者巻・逐電・嗤己・茶目猫・少艶


発句.....剣先に 気迫みなぎる 寒稽古   晩菊         
脇句......凍てつく空を 朝焼け染める  紅蓮      
3...........大向こう 飛び六方に 声掛けて  山八訪  
4...........急いでわたる 横断歩道  天遊   
5(月)...席見つけ 一息つけば  昼の月  良流娯    
6............夜なべする母 小さくなりぬ  多摩のO脚  
(初折裏)
7............湯に浸り 粧う山に 目を細め  長者巻  
8............真に思うて 眠れぬ男  逐電      
9............我が髪を ボタンに絡め ひっそりと待つ  嗤己     
10...........群竹を吹く 風の問うのみ  茶目猫     
11...........箔剥げて 磁気も試薬も 潜り抜け  少艶      
12...........揚げた紅葉に 季節を喰らう  山    
13(月)..渓静か 山気にひたり 月を待つ   紅 
14...........幽かな瀬音 虫の音ばかり  晩    
15..........幼児の 清き歌声 滲みわたり  O   
16..........嫗の目には 涙あふれて  良   
17(花)..物足りて 心むなしい 花の昼  天 
18..........香りひろがる 木の芽田楽  嗤    
(名残折表)
19..........春おぼろ 辞書の手重き 名文家  逐   
20..........五臓六腑に 言霊の鐘  長    
21..........葉桜の 繁る古刹の 夕間暮れ  晩     
22..........木魚叩いて 薮蚊を潰す  少     
23..........血痕に 深まる謎や ラビリンス  茶      
24..........巨人生まれて 百年が過ぎ  紅    
25..........羅馬にも 街道の蟻を 見つけたり  山   
26..........自慢の髪を バッサリと切る  天   
27..........鏡見て ため息尽きぬ 日曜日  良   
28..........姿勢を正し メタボ忘れる  O   
29(月)..月しなり 削ぎ落としたる 美しさ  長   
30..........今宵限りの 国忠の秋  逐    
(名残折裏)
31..........手毬寿司 菊花をのせて ちんまりと  嗤    
32.........仏花に埋まる 師の柩かな.  茶   
33..........年を経し ポッケの小石に 目が覚める  少    
34..........重い鞄に 青春を思う  O    
35(花)..千年も 人惹きつける 滝の花  良   
36..........遅日の庭に遠く二胡の音  逐

<2010年1月28日~5月4日>

エマノン歌仙・その17「こぼれ萩の巻」

2009年09月16日 | エマノン歌仙
       
参加者=茶目猫・良流娯・天遊・少艶・紅蓮・嗤己・長者巻・逐電・多摩のO脚・晩菊・山八訪


発句.....石垣に 残る温もり こぼれ萩  茶目猫         
脇句......秋天映し 濠静かなり  良流娯   
3(月)...いわし焼く 九尺二間に 月澄みて  天遊
4...........底力あり 庶民の絆 少艶
5...........大衆も 味方につけば 変わるらん  紅蓮
6............雷雲や 軒下借りて  嗤己
(初折裏)
7............雨だれの 怒りの雫 岩穿つ  長者巻
8............ 拗ねて眩しき 鎖骨の窪み   逐電 
9............背中刺す 痛みで覚ゆ 過ぎし日々   多摩のO脚 
10...........心の傷も 今は懐かし 晩菊  
11...........芋嵐 こんな大学 やめてやる   山八訪   
12...........何はともあれ 食欲の秋  天    
13(月).. 山の端に 満面の笑み 望の月  良 
14...........丹精込めし 菊かおるなり  茶   
15..........後の世に いや輝ける 源氏かな  嗤   
16..........蛍を追った ふるさと思ふ  紅   
17(花)..姉妹の 晴着姿に 花綻ぶ  少 
18..........記念写真で 霞む母らは  O   
(名残折表)
19..........春愁に ごわごわ痛き シャツの襟  逐   
20..........背筋も伸びる オーダーメイド  長    
21..........大空へ 飛べよと願ふ 吹流し  茶   
22..........ドームが蓋い ライトが照らす  山   
23..........ヤンキース 火を吹くゴジラ MVP  晩    
24..........夏空高く 噴煙走る  良    
25..........むかしなら めしふろ寝るの 三語族  天   
26..........裸のサルや 進化とまらず  少   
27..........ロードショー 衝撃受けし ラストシーン  紅   
28..........闇を透かして 輝く木の葉  嗤   
29(月)..天空に凍えて浮かぶ月の穴  長   
30..........死体役者も囲むてっちり  逐    
(名残折裏)
31..........夢うつつ 振り向き見れば 秋の宵  O    
32..........桜紅葉の 散り敷く小路  晩   
33..........暮れなずむ 竹林深く 涯り無し  山    
34..........巨大迷路を 駆け回る子等  良    
35(花)..よき人の うなじうつくし 花の寺  天   
36..........シタールの音に ゆらぐ糸遊  茶

<2009年9月15日~12月10日>


エマノン歌仙・その16「白もくれんの巻」

2009年05月14日 | エマノン歌仙
参加者=茶目猫・長者巻・紅蓮・天遊・晩菊・多摩のO脚・良流娯・山八訪・嗤己・少艶・逐電


発句.....白もくれん 水迸る 匂ひせり  茶目猫         
脇句......闇に浮き立つ 白き山鳥  長者巻   
3...........風まぶし 銀輪軽く こぎ出して  紅蓮
4...........どいてどいてと よちよち歩き  天遊
5(月)...幼児の ほころぶ笑顔 月さやか 晩菊
6............ひかりかがやく 銀杏の実  多摩のO脚
(初折裏)
7............秋高し 俳句ポストに 投稿す  良流娯
8............上場会社が 倒れて消える   山八訪 
9............残り香や 肘を枕に 君偲び 嗤己 
10...........日本堤で 帯引き取りぬ  少艶   
11...........神職が 飛び入りで打つ タイムリー  逐電    
12...........やんややんやの 喝采浴びて  紅    
13(月).. 一陣の 夕立過ぎて 月浮かぶ  長 
14..........古城の空へ 雁鳴き渡り  茶    
15..........萩の風 川辺に一人 横たわる O   
16..........季節は流れ 若草萌えて  晩   
17(花)..咲き誇る 花の向こうの 遠会釈  天 
18..........月毛の手綱 曳いてのどけし  嗤   
(名残折表)
19..........色褪せし 古書もよろしや 老の恋  山   
20..........押し花見つけ あの日にかえる  良    
21..........草笛や 寝転んで見る 白き雲 茶   
22..........言い勝ちしのちサラダ菜をほめ  逐   
23..........修辞にて 党首の器量 秤るらん  少    
24..........なにがなんでも 鳩ぽっぽかな  長    
25..........黒い森 街道を行く 二人連れ 紅   
26..........五右衛門風呂に つかる弥次喜多  天   
27..........大欅 陽気に騒ぐ 青嵐  晩   
28..........乱れぬ髪の 汗をぬぐいぬ O   
29(月)..階段を のぼった先に 梅雨の月 良   
30..........屋根なき塒で 洋火酒を呷る  山    
(名残折裏)
31..........果てしなく 広がる闇に 素馨の香  嗤    
32..........無名の座には あきは来ぬらし 少   
33..........臆病窓より 一装の令夫人  逐    
34..........たどたどしくも 鶯の声 長    
35(花)..夕暮れの 花の下にて 吹き鳴らす 紅   
36..........冴返るかな ハメルンの笛  茶

<2009年3月14日~6月26日>

エマノン歌仙・その15「茸狩の巻」

2008年10月21日 | エマノン歌仙
参加者=少艶・逐電・天遊・茶目猫・長者巻・嗤己・良流娯・ 紅蓮・山八訪・多摩のO脚 ・晩菊
 

発句.....わけしりの 犬に引かれて 茸狩   少艶            
脇句(月)...手柄照らすな  宵の月影   逐電   
3.........名物を 借りて名残りの 茶会して   天遊
4...........木曽殿の嗣子 水辺にて散る  茶目猫
5..........夏浅し 史跡を巡る 旅に出で  長者巻
6............蝦蟇が鎮座す 地蔵の供に    嗤己
(初折裏)
7............古池で ザリガニ釣りの 親子かな 良流娯
8............ 時は過ぎ去り 新たな出会い 紅蓮 
9............ 同輩の 数多で 送る葬悲し 山八訪 
10...........秘めた思いを 両手でつつむ  多摩のO脚  
11...........雲海の 棚引く如き すすき原   晩菊    
12...........ママさん相撲 うっちゃりばかり   逐    
13(月)..月澄や 徐々にとけゆく 蟠り  天  
14...........口福招く 金平糖よ   少    
15..........角数え 省みる身の せつなさや   嗤   
16..........なすすべも無く  御影(おみかげ)に願  長   
17(花)..満ちたれば 千々に吹かれて 花の谷  茶 
18..........小町忌にあわせ ガラスペン贈る   山   
(名残折表)
19..........春うらら サイン並べて 届け出で 紅   
20..........幸多かれと エール送らん  良    
21..........学ランの 釦はまらず 子に譲り 少   
22..........時の流れを しみじみと知る  晩   
23..........雨風に 黙してひとり すずかけや O    
24..........変と大書し 高僧の笑む  逐    
25..........まれびとの ぷらりと来ては 祝福し 天   
26..........二人で撞きし 幸いの鐘  茶   
27..........響き合う 繕う絆 年越しへ 長   
28..........韃靼の空 天を突き抜け 嗤   
29(月)..冴え冴えと 白い台地に 冬の月  良   
30..........雪になじみて 故郷となる  紅    
(名残折裏)
31..........陰陽の かたち現る 韓の宮 山    
32..........おみくじを見て わが身引き締め  O   
33..........ようやくに 草木は芽吹く 気配なり 晩    
34..........頬なでる風 新しいくつ  天    
35(花)..会長も 花見の座には たいこもち 少   
36..........孫の孫の手 蝶かわし舞う  逐

<2008年10月19日~2009年1月25日>

エマノン歌仙・その14「夏近しの巻」

2008年05月23日 | エマノン歌仙
参加者=逐電・晩菊・良流娯・茶目猫・多摩のO脚・少艶・長者巻・嗤己・紅蓮・山八訪・天遊

発句......石置けば 変わる瀬音や 夏近し  (逐電)           
脇句......太公望の 麦わら帽子  (晩菊)                 
第三......木の陰に しばしねころび まどろみて (良流娯)       
4............大空を舞う 浅き夢見し  (茶目猫)   
5(月)..月見れば うさぎと遊ぶ 幼子や  (多摩のO脚)    
6............南瓜抱えて 手足擦りむく  (少艶)    
(初折裏)
7..........空紅く 黄金に輝く 稲穂かな (長者巻)    
8............玉を忍ばせ 渡すは何時に (嗤己)   
9............古き代に 君に贈るは ひすいなり  (紅蓮)   
10...........ホストクラブに 虚実翔び交う  (山八訪)    
11...........大星の なり手ばかりの 文士劇  (天遊)    
12..........筋はともあれ  我が子撮るのみ  (良)   
13(月). 団欒の 窓覗き居る 望の月 (晩)   
14..........街宣車の行く 三笠の紅葉 (逐)    
15..........白と黄の 菊に飾らる 友の像 (少)   
16..........在りし日偲び 酒を注ぎ交う (O)   
17(花).杯あげて 君へ届けむ 花の風 (茶) 
18..........卒業の日の 喜びに添え  (紅)    
(名残折表)
19..........雛壇に 飾る菱餅 すっきりと (嗤)    
20..........鳥の巣の夢 聖火燃えるか (長)    
21..........よく笑う 弟子や水辺の サボタージュ (逐)   
22..........円空仏のくったくのなさ (天)   
23..........衣剥ぎ 赤肌妖しく コルク樫(山)   
24..........艶やかなるは ワインの酔いか(晩)    
25.........アルプスの ランチタイムが よみがえる  (良)   
26..........ヨーデルひびく 雪渓の谷 (茶)    
27..........うらやまし 汗にまみれて 黒光り (O)    
28..........はずれ馬券の  紙吹雪舞う  (少)    
29(月). 振り向けば おけらの道に 月明かり (長)  
30..........虫の音妖し 眠られもせず (嗤)    
(名残折裏)
31..........夜も更けて 暗がりで飲む 新酒かな (紅)    
32..........孫にも秘密の 松茸の城 (山)    
33..........老饕(ろうとう)の 健啖ぶりに 目を見張り (天)    
34..........尚永らえて 春を迎えん (晩)   
35(花).歌の縁 ありて集うや 花の宴 (良)    
36..........アルトもバスも 訛りあたたか (逐)

<2008年5月23日~9月17日>