茶目猫・良流娯・逐電・長者巻・紅蓮・晩菊・山八訪・嗤己・多摩のO脚・柳樹・銀次郎・天遊
発句.....聖堂に光の満つる十二月 茶目猫
脇句.....島々巡る冬晴の旅 良流娯
3...........密偵が妻に埃を払われて 逐電
4...........雨音途絶え深き闇底 長者巻
5(月)...山の端を照らせよ照らせ今日の月 紅蓮
6............芋栗団子供えし夕べ 晩菊
(初折裏)
7............門潜り地獄花摘み天仰ぐ 山八訪
8............火傷ひりひり焦がす想いよ 嗤己
9............残り香に心惑うて崖の上 多摩のO脚
10...........花ふるわせる庭の水仙 柳樹
11...........ジャージ脱ぎ裸の胸を見せつけて 銀次郎
12...........湯船に浸かりペンキ絵を見る 天遊
13(月)..寒月やオレンジ色で落ちんとす 良
14...........夕陽に染まる段々畑 茶
15..........人知れず野やまを翔る山窩(さんか)たち 長
16..........粉をかけつつ踊る末裔 逐
17(花)..浮かれ咲きあとは侘びしき桜雨 晩
18..........はかなく消えむ春の夜の夢 紅
(名残折表)
19..........蛤に砂を吐かせて肴支度 嗤
20..........十三世紀の物語を読む 山
21..........厳寒を炬燵より見るは天国か 柳
22..........赤子に触れるささくれた指 O
23..........親不孝重ねし母のちゃんちゃんこ 天
24..........屋根を越えゆく石鹸玉吹く 茶
25..........薄氷を見つけては踏みはしゃぎおり 良
26..........ふらここ揺らす逐電男 逐
27..........散りじりに胸の振り子が乱れたり 長
28..........オリンピックに魔物がひそむ 紅
29(月)..陽を浴びて心眼に浮かぶ朔の月 山
30..........秋燕惑う黄昏の空 晩
(名残折裏)
31..........枯れ枝に残れる柿のいじらしさ 嗤
32..........柑橘系も医薬も効ず O
33..........黒髪の香に疼く懐かしさ 柳
34..........北を開ければ部屋広くなり 天
35(花)..杯を止め口で迎える花の宴 逐
36..........春は揚げ物還暦祝い 長
<2013 年12月3日~2014年4月11日>