チャレンジ

楽しく、自然体で生活しながら、チャレンジし、感じ続ける記録です。

したたかな人達

2008-10-24 23:40:51 | 身近な出来事
ベルギーアントワープからドイツデュッセルドルフへのドライブ。
昨年9月からほぼ毎週の金曜日、平均的に毎週1回以上は続けているから60回くらいは動いたことになる。

ベルギーの会社からドイツのデュッセルドルフのアパートまでの距離はオランダ経由で225km。
ベルギーとオランダ国内でも渋滞区間以外ではスピード制限(120km)を越える140km~160kmで走り、ドイツ国内に入れば追い越し車線をふさがれていないときはアクセル全快の220kmで走る。
それでも金曜日の夕方はラッシュアワーの渋滞と重なるから2時間半はかかる。

今晩はデュッセルドルフで歓送迎会が19時から予定されていたため、2時間半前にベルギーの会社を出た。
順調にいけばぎりぎり開始時刻に間に合う時間。
でも、過去の経験から予定が入っている時に限って必ずいつもより移動に時間がかかることを知っている。前回は3時間、その前2回は4時間近くかかった。

予測は的中して、ラッシュアワー渋滞の後は道路工事による車線規制で長距離の渋滞。
ベルギーの道路工事ははっきりいっておかしい。道路工事で渋滞がおきるのは当たり前だけれど、渋滞を緩和させるやりかたをとっていない。『工事をするので、渋滞します』という予告を事前にするだけで、2車線の道路を簡単に1車線に規制してしまう。
これは私の思うところのベルギーで頻繁に見られる状況、人の思考パターンとも言える。なんとかして状況を少しでもよい方向にもっていこうというよりは、「こういう状況だから仕方ない、あきらめろ」的な発想。
歴史の中でベルギーという小国がドイツ、フランス、イギリス、時にはオランダに征服され、その中でもしたたかに生き延びていくために学んだ知恵なんだろうか、この『状況をかえるのではなく状況を受け入れる』という思考は。

これがドイツだったら道幅をすごく狭くし60kmの速度制限にしたとしても必ず2車線を確保しようとする。ドイツでは決まりがあるのかもしれない。通行量や車線数の状況を踏まえて、道路工事をするときには最低何車線の道路を工事中にも確保しなければいけないという。それがドイツ。

渋滞するハイウェーを降りてベルギーの田舎道を走る。ベルギーの田舎は美しい。自然もそうだけれど建物がとても美しい。この家に住んでみたいなと思える家が次々と現れる。ドイツのどっしりと感じとは違う、繊細さを感じさせる家。ドイツもベルギーもレンガや石、コンクリートを使った建築である点は同じなのに、その違いは大きい。建築にはベルギー独特の様式があるように感じる。ベルギーのこだわりを感じる。『状況をかえるのではなく状況を受け入れる』感覚の中にもしたたかに持ち続けているものがある、そんなベルギー人の気質の表れかなと思う。

ハイウェーが渋滞していなければこれから先もドライブすることは無かったであろう道を走りながら考え、感じていた。

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