チャレンジ

楽しく、自然体で生活しながら、チャレンジし、感じ続ける記録です。

地図のない旅

2004-08-22 19:47:22 | Weblog
 景色のいい場所に行きたくなって海の近くの山をバイクで上った。山頂からは海と瀬戸内海の島々がきれいに見えた。すると突然島に行きたくなった。フェリー乗り場に走り、泊っていたフェリーに乗った。行き先はどこでもよくて、とにかくフェリーにのって島にいきたかった。広島港からは瀬戸内海の島のいろいろな港に船がでているが、たまたまのった船は能美島の三高港行きだった。海の上を吹く風がとても気持ちがよかった。
 35分ほどで三高港についたが、どこに行こうか決めていなかったので、港にあるおおきな地図をながめていると、「どこ行きたいんや?行き方教えたろか?」と港の兄さんさんが声をかけてくれた。「どこ行くのか決めてないんで地図見てます」と私がこたえると。お兄さんは笑いながら、「それやったら、教えられんな」と答えた。たわいもない会話だが、何か幸せな気分になった。

 思いつきで船にのってきたのだから、当然地図ももっていない、地図のない旅のはじまりだ。ただ、地図がなくても不安はなかった。ここは島なので海岸線を走り続ければ、かならずこの場所に帰ってこれるという考えがあった。右に行くことだけを決めて走り出した。
 走り出してからしばらくして、昔の記憶がよみがえってきた。そういえば5年前にこの場所で行われた「牡蠣花卉マラソン」という10kmのマラソン大会に出たことがあった。少しだけだがトレーニングをしていたので、前半はゆっくり走って後半にごぼう抜きをした。
 もう一つ思い出したことは、小学生のころに友達と2人で淡路島を自転車で一周しようと旅したことだ。この旅も思いつきの旅だった。親には内緒で2人でフェリーにのって淡路島に行った。この時は、4時間自転車で走って、とても一周などできないことに気がつき来た道を引き返した。そういえば、この時も地図はもっていなくて、「島だから海沿いに走ったら一周して帰ってこれる」と思っていた。
 
 小学生のころと変わらない考えをしている自分がおかしかった。
 
 海沿いの道は走っていてとても気持ちがよかった。山が海の近くまで迫っている場所も多くあり、海の空気と、山の空気の両方を感じることができた。
 とうぶん遠ざかっていたが、もう一度トレーニングをして、「牡蠣花卉マラソン」に出場しよう。そしてこの場所を今度は自分の足で走ろうと思った。