WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

数十年ぶりに聴いてみた

2013年10月20日 | 今日の一枚(A-B)

◎今日の一枚 351◎

Bill Evans

At The Montreux Jazz Festival

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 今日は、HCを務める高校女子バスケットボール部の部員を連れて、Winter Cup 2013 宮城県予選の女子決勝、聖和学園 vs 明成を見学(観戦)してきた。高校総体同様息詰まる接戦、好ゲームで、結局、同点の残り2秒で聖和学園がファールをもらい、フリースローを2本決めて、2点差で明成を下した。ゲームの中には、いくつもの見どころ、ターニングポイントがあったが、特に残り2分の両チームの駆け引き、精神戦は見ごたえがあった。ゲームの展開の中に、人生を重ね合わせてしまうのは、やはり私も年を取ったということであろうか。

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 ビル・エヴァンスの1968年録音盤、『モントレー・ジャズ・フェスティバルのビル・エヴァンス』である。

 ジャズを聴き始めのころ(学生時代だ)、ジャズ入門本に名盤としてよく紹介されていた。レンタルレコードを借りて、テープに録音して何度か聞いたのだが、正直いってどの辺が名盤なのか、その良さがよくわからなかった。というか、全然いいと思わなかった。その後、CDを買って聴いてみたが、やはりよくわからなかった。CDは、その後聴かなくなり、今日、気づいたらジャケットにカビが生えていた(上の方)。それを消そうと消しゴムでこすったら、色が薄くなってしまった。

 今、数十年ぶりに聴いている。以前より、「理解」はできるようになったと思う。決して、毛嫌いするような作品ではないことはよくわかった。とくに、前半の数曲の疾走感は悪くない。けれども、心に響かない。グッとこない。ベースの深さが足りないのだろうか。サウンド全体が妙に薄っぺらく、小手先だけの音楽のように感じてしまう。エディ・ゴメスのベースはややスタンド・プレー気味のように感じるし、ジャック・ディジョネットのドラムも何だかシャカシャカうるさい。全体的にみんな自己顕示欲が強すぎるんじゃないの。恐らく当時は、先鋭的なインタープレイの作品として評価は高かったのであろう。けれども、それを取り去った後の、音楽としての評価はどうなのであろう。そういえば、最近のジャズ本でこのアルバムの紹介を見たことがない。なぜだろう。時代というろ過装置をくぐり抜けられなかったということではないか。

 と、ここまで否定的なことを記してきたが、書きながら聴いていたら、何だか結構乗りが良くて面白い作品のようにも思えてきた。もう少し聴きこんでみる必要があるかもしれない。もしかしたら、この記事を修正する必要があるかもしれない。今、断定的なことを記すのは留保した方がよさそうである。

 結局、私は何をいいたかったのだろう。