WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

エアロスミスのTシャツを買った!

2022年07月31日 | 今日の一枚(A-B)
◎今日の一枚 586◎
Aerosmith
Live! Bootleg
 エアロスミスのロゴマーク入りのTシャツを買った。綿製の安っぽいTシャツだ。エアロスミスは高校生の頃、よく聴いていたのだ。2週間程前、気仙沼市のイオンで見つけた。買おうかなとも思ったが、いい年をしてエアロスミスのTシャツを買うという行為が気恥しく、また綿製のやや厚手のものにもかかわらず、1700円という値札が付いていたため、ちょっと高いなと思い、スルーした。一昨日、妻と東北歴博(→こちら)に行った帰りに石巻市のイオンに立ち寄ったところ、同じものと思われるTシャツを発見。地元から遠い石巻で、しかも1000円に値下がりしていたこともあって、ついに購入。ちょっとした禁忌を犯したような気分だ。
 エアロスミスは、初期において何度かロゴマークを変更しており、このTシャツのロゴマークは現在のもののようだ。私見によれば、1978年の『LIVE ! BOOTLEG』に刻印されたのが最初ではなかろうか。という訳で、このTシャツを着て、この暑い日に暑苦しいエアロスミスを聴いている。

 今日の一枚は、エアロスミスの1978年作品、『ライブ・ブートレック』である。高校生の頃、ラジオやロック雑誌で宣伝していた。欲しかったが、2枚組ということもあり、その時は断念せざるを得なかった。また、ブリテッシュ・ロックかぶれの高校生の私にとって、アメリカの能天気なバンドを聴くのはちょっとした秘密めいた行為だった。特に、グランドファンクとエアロスミスについては、友達にいったら馬鹿にされるんじゃないかと思ったものだ。LPを買うことはなおさらのことだったと思う。したがって、このアルバムについては、少し後にFMでエアチェックしたテープで聴くことになった。
 エアロスミスの何枚かのCDは、大人になってから購入したが、このアルバムのことはすっかり忘れていた。今日は、Apple music のハイレゾロスレスで聴いている。iPadから外付けDACを通してステレオ装置で聴いている。録音状態もあるのだろう。それ程音がいいとは感じない。
 到底いい演奏とは言えない気がするが、LIVEの高揚感は伝わってくる。スピード感が生かされた演奏もあるが、鈍臭い演奏も目立つ。もちろんたまにはLIVEも悪くないが、どちらかというとエアロはスタジオ録音盤が好きた。サウンドが緻密に練られている気がする。LIVEとスタジオ盤ではサウンドの水準がかなり違う。LIVEで不必要な動きを繰り返し、演奏も薄っぺらい感じがするジョー・ペリーというギタリストに私は懐疑的だ。本当のところはよくわからないが、バークリー音楽院を卒業したブラッド・ウィットフォード というもう一人のギタリストが、エアロのスタジオ録音を支えてしたのかもしれない。
 

欲望の昭和

2022年07月30日 | 今日の一枚(W-X)
◎今日の一枚 585◎
Walter Rodrigues jr.
Close To You

 昨日は、妻と一緒に、東北歴史博物館で開催中の特別展『欲望の昭和』を見学してきた。
 「欲望の実現としての消費」をキーワードに、戦後史を「豊かな人並みの暮らし」の実現から、「自分らしさ」や「自分にとっての豊かさの実現」への変化としてとらえた展示会は、なかなか興味深いものだった。何より、自分が生きてきた時代のモノやコトがたくさん展示されていて、楽しかった。
 自分か生きてきた時代のモノやコトを振り返ることで、現在立っている地点が鮮明になり、勇気のようなものを感じることができた。遠い過去を学問的な視座から展示したものももちろん興味深いが、身近な過去を確認することで人々に勇気を与え、心を穏やかにすることも博物館の重要な機能だろう。このような展示はしばしばやってもらいたいとも思った。
夏季特別展『欲望の昭和~戦後日本と若者たち』
令和4年7/16(土)~9/11(日)
東北歴史博物館(宮城県多賀城市)

 今日の一枚は、ブラジル出身のギタリスト、ウォルター・ロドリゲス・ジュニアの2019年作品『クロス・トゥ・ユー』である。このギタリストを知ったのは、昨年の入院中のことだった。退屈しのぎに You Tube を見ていて巡り合った。ガットギターの音色が美しいと思った。You Tube で見るウォルター・ロドリゲス・ジュニアは、実に楽しそうに音楽を奏でる。ゴダン(godin)のエレガットの音色が美しく響く。退院後、エレガットを購入してソロギターを始めたが、そのきっかけになった一人である。
  2019年作品のこのアルバムは、有名なポップス曲を集めたもので、大変親しみやすい。一曲の演奏時間が短いことで曲のエッセンスが凝縮され、冗長にならずに透明で美しい響きを楽しむことができる。ギターをいたわり慈しむように奏でられる、優しい音色が素晴らしい。暑苦しい夏には、最適の一枚である。
Isn't She Lovely
Can't Help Falling in love
Fly Me to The Moon
Besame Mucho
What a Wonderful World
(They Long to Be) Close to you
You Are the Sunshine of My Life
Don't Know Why
They Can't Take That Away from Me
Over the Rainbow
How Deep is Your Love

増殖するきゅうり

2022年07月24日 | 今日の一枚(I-J)
◎今日の一枚 584◎
板橋文夫
 数年前から家庭菜園をやっている。畳にすればわずか3~4畳程度の広さだ。全くの素人なので、見よう見まねや思い付き、思い込みでやっている。そんな私が植えたのにそれなりに育ってくれて収穫できるのがうれしい。今年は、畑にはオクラ・ピーマン・パプリカ・しし唐・唐辛子・きゅうり・かぼちゃ・ナス・トマトを植え、プランターではトマトとナスを育てている。他に、数年前に植えたアスパラガスとミョウガは毎年その時期になると収穫できる。
 
 今はきゅうりの収穫期だ。毎日、1~2本収穫できる。ところがである。近隣のお年寄りたちが次々にきゅうりを持ってきてくれるのである。素人の手習いで畑を運営している私を見かねてか、こうした方がいい、ああした方がいいと助言・指導に来てくれるのである。それ自体は苦ではない。助言されて、なるほどと合点がいくことも多々ある。困っているのは、そのたびに大量のきゅうりを持ってきてくれることだ。近くに住む母親も自分の畑で採れたきゅうりを持ってきてくれることもあって、私の家のキッチンはきゅうりでいっぱいである。そして、私の頭の中は、これらのきゅうりをどう料理しどう処分するかでいつぱいである。

 今日の一枚は、板橋文夫の1976年作品『涛』である。アップルミュージックのハイレゾロスレスで聴いている。ちょっと前に電源付きのライトニングケーブル用コネクタを購入し、iPadから外付けDACにつないで聴いている。音がいい。音の鮮度がいいのがはっきりわかる。誰てもわかるレベルで音が違う。
 板橋文夫の作品については、これまでに数作、このブログで取り上げた。その際も記したことであるが(→こちら)、もう20年ほど前に気仙沼市本吉町の「はまなすホール」で見たライブが忘れられない。板橋の作品を聴くと、いつもあの時の情景が甦ってくる。