WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

立原正秋箴言集(9)

2013年10月30日 | 立原正秋箴言集

午後の静かなひととき、陽のさす部屋で編物をしていると、波の音がきこえてくる日があった。風のない日であった。痴呆になったような幸福感を味わうこともあった。(『はましぎ』)

道太郎と結婚した信子の思いです。何という静寂感と安らぎの感覚なのでしょう。すごい表現だと思います。この部分を何度も読み返して感じ入ったものです。