WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

上田知華さんの訃報に接した

2022年05月01日 | 今日の一枚(U-V)
◎今日の一枚 576◎
上田知華+karyobin
上田知華+karyobin[2]
 上田知華さんの訃報に接した。昨年9月にすい臓がんで亡くなっていたとのことだ。64歳だったらしい。
 上田知華をフォローしてきたわけではない。彼女の作品を聴き続けてきたわけでもない。70年代末か80年代の初頭、巷間で流れる上田知華+karyobinというグループの斬新な編成が何となく気になり、三軒茶屋の貸しレコード屋で作品を借りた。悪くない、と思った。その時、ダビングしたカセットテープを今でも持っている。持っているのは『上田知華+karyobin[2]と『上田知華+karyobin[3]のみだが、結構聴いたと思う。apple musicにあったので、しばらくぶりに聴いている。悪くない。

 今日の一枚は、上田知華+karyobinの1979年作品、『上田知華+karyobin[2]』である。ずっと以前に記したことだが(→こちら)、このアルバムの中の②サンセットという曲が好きだ。学生時代に、図書館の第二閲覧室の窓から眺めた、夕暮れのキャンパスの風景が甦ってくるようだ。
 15年程前に書いたその記事には、こんな文章があった。
 上田知華+KARYOBINは、ピアノ+弦楽四重奏というめずらしい編成でポップスを演奏したグループで'78年夏にデビューしている。上田知華+KARYOBIN[2]というアルバムについては、データがないのではっきりしたことはわからないが、状況から1979年の作品ではないかと推察される。全体的に素人っぽさが感じられ、楽曲や歌詞、サウンドには破綻も多いが、既成のポップスに対して新しい何かを持ち込もうとする清新な気概は感じられる。また、素人っぽいだけに、70年代末の内気で控えめな、あるいはおきゃんでいたずらっぽい女の子の心象風景がリアルに表現されているようにも思う。 
 ちょっと評論家めいた嫌な書き方だが、今日聴いて大体同じような感想をもった。


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