WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

「自由党を祭る文」

2015年07月18日 | つまらない雑談

歳は庚子に在り八月某夜、金風浙瀝として露白く天高きの時、一星惚焉として堕ちて声あり。嗚呼自由党死す矣。而して其栄光ある歴史は全く抹殺されぬ。(中略)汝自由党が自由平等の為に戦ひ、文明進歩の為闘ふや、義を見て進み正を踏で懼れず、千座屈せず百折撓まず、凜乎たる意気精神、真に秋霜烈日の慨ありき。而して今安くに在る哉。(中略)見よ、今や諸君は退去令発布の総理伊藤侯、退去令発布の内相山県侯の忠実なる政友として、汝自由党の死を視る路人の如く、吾人は独り朝報の孤塁に拠って尚ほ自由平等文明進歩の為に奮闘しつつあることを。

 議会主義を嘲笑するようなやり方で、立憲主義を踏みにじるような「安保法案」が衆議院で可決されたのを知り、なぜだか、幸徳秋水の「自由党を祭る文」を思い出してしまった。