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ひのっき

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「忍びの国」は金の亡者と化した忍者の恐ろしさに痺れる傑作

2017年07月18日 | 絵日記
忍びの国 (新潮文庫)
和田 竜
新潮社

和田竜先生の「忍びの国」を読みました。

面白かったです。一気に読みました。

織田信長覇権の時代、忍者の里伊賀の隣国に信長の息子信雄が領主としてやってきます。

信雄は新領主として何かアピールしたいと、伊賀の攻略を画策します。

伊賀には数千人の忍者がいますが、白昼堂々圧倒的な人数で正攻法で攻めれば普通の兵隊となんら変わらないはず。

しかし忍者には普通の兵隊とは決定的に違う、ある特徴がありました。 徹底的な個人主義かつ拝金主義で、組織的な行動なんかしないしお金にならない仕事は一切しません。

信雄侵攻の報を聞いても、給金の出ない戦いなどばかばかしくてできるかとやる気のない忍者たち。

しかし一人の女の決意と、一人の男の激が状況を動かします。

果たして忍者たちは信雄軍を打ち破り、伊賀の里を守ることができるのか!・・・というお話。

忍者達がユーモラスな筆致で究極の屑として描かれてますが、屑もここまでくるといっそ清々しいなあ。

金の亡者と化した忍者どもの恐ろしさを痛快に体感できる傑作エンターテイメント小説です。