goo blog サービス終了のお知らせ 

鬼のパンツはどこから?

2020年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム
 ずっと気になっているのが、鬼のパンツです。
 原曲は1890年イタリアの「フニクリフニクラ」で、これはカンパーニャ州のヴェスヴィオ山の登山鉄道のコマーシャルソングとしてつくられましたが、「オーソレミオ」や「サンタルチア」と並んで、ナポリ民謡かの如く定着しています。
 フニクリフニクラは登山鉄道の愛称ですが、それがどうして日本で「鬼のパンツ」にはき替えらえたのでしょう。
 鬼のパンツはいいパンツ、つよいぞ、トラの毛皮でできている、5年はいても、10年はいても破れない、みんなではこう。
 この歌詞は何を意味しているのか?
 鬼のパンツがトラの毛皮なのは、角が丑で、パンツが寅で、鬼門の丑寅、ということはわかりますね。
 長持ちするということで、エコロジーの啓蒙歌なのか?
 「鬼のパンツ」はNHKの歌のお兄さんだった田中星児が1975年に発表しています。
 1971年に阿久悠作詞の「ピンポンパン体操」が発表されており、トラのプロレスラーはシマシマパンツ、はいてもはいてもすぐとれる、がんばらなくちゃ~ の歌詞があるので、「鬼のパンツ」はそれに対する返歌か!と膝を打ったのですが、
 田中星児の「鬼のパンツ」のクレジットでは作詞者は不明となっていて、どうやらこの替え歌は1975年以前からあったようで、歌詞の内容からも阿久悠さんのほうが、当時流行っていたタイガーマスクと掛けた返歌をつくられたと解釈でき、私のこの説は却下。
 日独伊三国同盟下に戦時の物資不足を補うための曲だったのか?、1962年、64年にリーグ優勝した阪神タイガースに関連するのか?、私の「鬼のパンツ」調査はこれからも続きます。
 登山鉄道フニクリフニクラは1944年のヴェスヴィオ山の噴火により破壊され、廃線になってしまいました。小説や映画の「ポンペイ最後の日」で有名な西暦79年の噴火では、麓の都市ポンペイが一夜にして火山灰の下に沈んでいます。
 イタリア人は懲りないですね。
 今、日本では「鬼のパンツ」をアベノマスクにした替え歌が流行っているようです。