あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

キャンプ

2014-04-29 | 日記
♪キャンプだホーイ、キャンプだホーイ、キャンプだホイホイホイ。
というわけでキャンプの話である。
今ニュージーランドの学校は2週間の秋休み。
友達に誘われて娘と一緒に(奥さんは仕事があるので)2泊3日のキャンプに行ってきた。
友達のマサトはアウトドア繋がりで、ヤツの嫁さんの親が湖のほとりに小さな別荘を持っているのでそこでキャンプをしようという話になった。
マサトとは家族ぐるみの付き合いで子供が3人、上から5歳、3歳の娘達と長男は生まれたばかりで3ヶ月。
そしてこれまた仲の良い友達のマサ。彼のところは長男が9歳と3歳の娘。
そして我が家の12歳の娘は一番のお姉ちゃん、馬が合う仲間で合同キャンプである。
場所はテカポのそばにあるレイク・アレキサンドリナ。
テカポは観光地なのだがこの湖は訪れる人も少なく、ローカルの隠れ家のような雰囲気だ。



土曜日の午後に現地集合。
クライストチャーチから3時間弱という距離は手ごろで、何かあってもすぐに帰ってこれるという安心感がある。
僕はこの湖に12年前に来たことがある。
ちょうど娘が生まれたばかりの時に家族でキャンプに来た。
目の前を魚がウヨウヨ泳いでいるのが見えるのによっぽどヘタクソだったのか全く釣れず、頭にきてそれ以来釣りをやめてしまった思い出の場所だ。
今回の目的は釣りではなくただの遊び、天気が良ければ足を伸ばしてマウントクックまで子供達を連れてハイキングなどと考えてのキャンプだ。
マサト曰く、小屋には薪ストーブのオーブンがあるのでそこで調理もできるし食器類は揃っているので食い物と酒と調味料だけもっていけばよいとのこと。
足りないものがあっても10分も走ればテカポなのでそこで買い物はできる。
行ってみて感じたのだが距離的にはテカポのすぐ近くなのだが、感覚的には人里からはるかに離れた場所。
モーターボートの乗り入れも禁止なのでうるさいエンジン音もない。
一般道からちょっと離れて、窪みになっている地形なので車の音も全く聞こえない。
静かさというのは今の世の中では贅沢なものなのかもしれないな。
外界から隔離された空間というのが僕の印象だ。



小屋に着いたらまず寝床の確保、テントを貼る。
我が家のテントはマックパックの15年ぐらい前のテントだ。
丈夫で使い勝手が良く、とても気に入っている。
マサトはマックパックのスタッフでもあり製品にも詳しい。
タグをチェックして彼が言った。
「ああ、これはメイド・イン・ニュージーランドのタイプで物が良いんだよね」
マックパックはニュージーランドのブランドだが、最近ではメイド・イン・チャイナだ。
質実剛健のこの国のブランドも時代の波には逆らえない。



テントを張り終え、マットを敷いて寝袋を出して、とやっているとマサ一家が到着。
大人は荷物を下ろし、子供は薪を拾う。
薪ストーブに火を入れたところでビールを出して乾杯。
ビールを飲みながらダラダラと飯を作り、飯をつまみながらスパークリングワインからピノノアールへ。
いつものとおり酔いに任せその場で思いついた歌をやる頃には満天の星が瞬いていた。



釣り師の朝は早い。
夜が明ける前から誰かが湖にボートを漕ぎ出す音が聞こえた。
鳥の声も多い。
辺りが明るくなり、マサファミリーが起きてきたがマサト達はまだ寝ているので水辺を朝の散歩。
湖畔沿いを歩いているとちょうど朝日が山の肩から昇ってきた。
僕は何の気なしに手を合わせ拝んだ。
こうやって楽しく仲間と時を過ごせる事に感謝。
遊ばせてくれる大地に感謝。
その大地を照らしてくれる太陽に感謝。



朝飯を食べたら午前のアクティビティー、ボート漕ぎ。
人数が多いので2回に分け、僕は娘とマサの3人で漕ぎ出した。
水の上からの景色というのはまた違うものがある。
こんなのでゆっくり釣りなんかやったらいいだろうになあ。
湖沿いの柳が黄葉になってきれいだ。
湖から戻ってきたらもう昼の準備だ。
薪ストーブの火を見ながらゆっくりと飯を作る。
大皿にどーんと乗せ各自で適当に食べるのだ。



午後もまったりと時を過ごす。
僕とマサでギターとハープのセッション。
マサはカメラを引っ張り出して、深雪の写真を撮っている。
ちびっ子達はハンモックをブランコ代わりに遊んでいる。
天気が良ければドライブして別の所へ遊びに、なんて考えていたのだが天気は下り坂。
テカポ周辺は晴れているが、上空にはレンズ雲が浮かぶ。
この雲が出たら上空は風が強く天気は崩れる。
南アルプスの方はすでに雨が降り始めているかもしれない。
となったら無理に動かなくてもいいか。
自然の中での行動はお天気に相談をしながらだ。
夕方みんなで松林に松ぼっくりを拾いに行った。
燃料を採取。こういった仕事も皆でやると楽しい。



ポツリポツリと雨の雫がテントに当たる。
夕暮れ時まではすぐ近くまで雨雲が押し寄せて来たのが見えたが、夜半に耐え切れなくなりこの湖も雨に煙った。
それでもテントを張ってある場所は水はけがいいので中まで濡れることはない。
気温は上がらず山の方は雪になっていることだろう。
こうなると寝袋のぬくもりから出るのがおっくうで、明るくなってからも2人とも寝袋の中で本を読みふける。
テントなんてのは薄い膜一枚のものだが、それでも中と外での温度の差は大きい。
正直な話、出たくはないがいつまでもこうしているわけにもいかない。
気合一発、寝袋から抜け出し服を着替えた。
雨の中のキャンプ撤収は楽ではないが、僕の車はハイエースで後ろのドアを開けると軒になり雨が遮られ、そこで作業ができる。
娘にテントの中のものを片付けさせ、僕はそれをポンポンと車に放り込んでいく。
最後に濡れたテントを後ろの荷物室にバサっと乗せて撤収終了。
大きな車はこれが出来るから楽だ。
小屋の片付けをする時も深雪が小さい子供の面倒を見るので大人は煩わされることなく仕事ができる。
まだ子供だと思っていたがずいぶん頼りになるものだ。
帰り道、テカポの近くの丘でも雪になっていた。
冬の足音を聞くのにはまだ早いのになあ。
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