あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

音響

2014-04-15 | 日記
きっかけは今年の夏の終わりにテアナウのトーマス家に遊びに行ったことからだった。
あるお客さんとルートバーンを歩き、その人が僕のサービスに感動してくれて、お礼に日本酒を送ってくれた。
それが何故かテアナウの知り合いへ届いてしまい、それを取りに行きがてらトーマス宅へ遊びに行った。
トーマスとは長い付き合いで、今さらくどくど書くのも面倒くさいので気になる人はこちらを読んでいただきたい。

ミルフォードサウンドとトーマス
トーマスとUパス
トーマスとモレーンクリーク

以前はこうやって一緒に山へ行く機会もあったのだが、お互いに家庭を持つと色々と忙しくなり最近では年に何回か飲むだけになってしまった。
お客さんからいただいたお酒は越の寒梅の純米吟醸。
ニュージーランドではなかなか目にかかれないお酒である。
その晩はトーマス自家製ビールから始まり、越の寒梅、それが終わると白ワインへと移行してテアナウの夜は更けていった。

次の日の朝、トーマスがこんなのいかがでしょう、と日本のラジオを聞かせてくれた。
インターネットで日本のラジオが聞けるのは知っていたが、僕の興味を引いたのはヤツが持っているスピーカーだった。
ワイヤレスのスピーカーでタブレットから音を飛ばせるので持ち運びもできると。
それから小一時間ほど、彼からブルートゥースのレクチャーを受けて、これはいいなと思ったわけだ。
ずいぶん長い前置きだが、今回の話はスピーカーの話である。
要は新しいスピーカーを買ったということだが、それだと一行で終わってしまいブログネタにならないのでこうやって話を膨らませるわけだ。
以前中古で買ったオーディオシステムが壊れてからは、PCに小さなスピーカーをつけたりアイパッド内臓のスピーカーで音を聞いていたが、いい音を聞きたいという思いは前から僕も女房もあった。
僕らの世代だと良い音というと大きなウーファーのスピーカーを部屋の両脇に置くとか真空管アンプとか小さいスピーカーだったらブロックを下に置いて低音を響かせるとかそんな話である。
女房にブルートゥースの話をすると彼女もすでに知っており、乗り気で週末に家族でお買い物という流れとなった。
家電屋さんをいくつか回りたどりついた先が、大橋巨泉みたいな顔がお店のロゴのディックスミス。
ここでボーズのスピーカーに出会ってしまった。
他のメーカーもいろいろな機種があるのだが、スピーカーのメーカーとしては音が売りだ。
ためしに聞いてみたらなかなか音が良い。
その分、値段もいい。
僕は全く異存はないが、我が家の最終決定権は女房が持っている。
女房曰く、清水の舞台から飛び降りたつもりで、というわけでめでたくご購入。
毎度あり~、ちーん。

家に帰り音を出してみるとこれが実に良い。
周りがうるさい家電屋の店内で聞くより数倍良い。
驚愕そして感動。
低音の響きも高音の切れも文句なし。
優歌団を聴けば内田勘太郎のギターソロが冴える。
オーケストラを聴けば一つ一つの楽器の音が拾えるほどだ。
栗コーダーカルテットのリコーダーの響き良し。
ジャズを聴けばベース、ピアノ、ドラム 三つの楽器の音がスピーカーから別々に出て混ざり合う。
ロックはライブの臨場感も一緒に味わえる。
とにかく何を聴いても良いのだ。
小さい音量でもきっちりと良い音が出る。
大きくしても音が割れない。
さすがボーズである。
スピーカーのサイズは30cm幅、高さ15cm、厚さ5cm。
こんなに小さいのに音が良い。
大きなスピーカー世代からみれば不思議でならないのだがこれがテクノロジーというものなのだろう。
そしてこれは充電式でワイヤレスなので持ち運びができる。
庭で音楽を聞きながら野良仕事ができるのだ。
延長コードを引っ張ってきてラジカセ(死語?)をかけながら、という時代ではないのだな。
ちなみに僕の車のカーステレオは未だにカセットである。

我が家ではテレビがないのでラジオを聞いたり音楽をかけることが多い。
故に良い音質の物があるとそれだけで豊かになる。
生活の質と言う言葉があるが、文字通り質が上がるのである。
百均ができて生活の質が下がった、という話をきいたことがあるが頷ける。
かといってそれを全否定するわけではない。
一人暮らしの時など便利な時もある。
僕も日本に居た時にはよく行っていた。
ただ安いからなんでもかんでもというのも考え物だと思う。
僕も安物買いの銭失い、という経験は山ほどある。
逆に良い物をそろえようとして借金だらけになってもダメだろう。
こちらのコマーシャルでも2年間は無利子というような形の宣伝をしているが、要は『買いなさい消費しなさい』ということだ。
良い物は高い。これは仕方がない。
ただし高いものが全て良いわけでもない。
あくまで自分の手の届くところで、と自分の足元をきっちりみつめながら。
これが大切だと思う。
何千ドルもするようなホームシアターを買う人がいて、それはそれでその人のお金の使い方だから構わない。
車やバイクが好きな人はそこにお金を使う。いいじゃないですか。
音に興味の無い人から見れば無駄使い、だが我が家にとっては暮らしを豊かにしてくれる投資。
どんなお金の使い方であれ、自分の暮らしから目が背いたらいけない。
自分の足元を見るというのは、人間が生きていく上で一番大切なことだ。
これを突き詰めると自分の内側を見る内観へと繋がる。
たかがスピーカー、されどスピーカー。
本物の良さを知ったここ数日の出来事の話。

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2 コメント

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Bose!!!! (Thomas)
2014-04-16 18:27:50
ですかぁ、ほんとに清水の舞台から飛び降りちゃいましたねぇ。いやぁ、投資先に共通の理解があるなんてとても幸せなことです。いい音でしょうなぁ
こちらはボリューム上げれば消されるし、庭に持ち出したら近所迷惑と切られるし。。。それでHeadphoneの登場です。ますます引きこもりですな。
ちいさなひとつひとつにありがたや、ありがたや。
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ボーズ ()
2014-04-17 03:47:04
Thomas

あの時にチラッとボーズの話をしたよな。
それが本当になっちゃうから人生面白いよ。
きっかけを与えてくれたトーマスに感謝です。
ちなみにボーズってヘッドフォンも出してるんだよね。
どんな音なんだろうね。
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