あたたかな太陽の花

このたび
ちょっと心が温まる出来事があったので
ご紹介しますぜ。




ちょうど1年ほど前に
勤務先の会社が移転して
自宅から歩いて20～30分の場所に
離れてしまいました。

不便になりましたが、まぁ
日頃の運動不足を解消する
いい機会でもあるので
天気のいい日は、できるだけ
徒歩通勤するようにしています。

その通勤路の途中で出会ったのが
天神の中心地の近くにある、一軒家。

建物自体は、普通の戸建てなのですが
住人がガーデニング好きのようで
敷地から溢れんばかりに
たくさんの鉢植えが並んでいるのです。

その様は、まるで
「天神植物園」とでも呼びたくなるほど！


（勝手に撮影してゴメン）

春夏秋冬、四季折々の花々が
たくさんの種類、常に咲き乱れていて
道を通る人たちの目を
楽しませてくれています。

ワタシは、朝はカフェに立ち寄り
まったり過ごすのがルーチンなので
割と早い時間（朝7時台）に
そのお宅の前を通るのですが

たまに（週に1回くらい）
住人さん（お爺ちゃん）が
水やりをしているところに遭遇します。

まだ、道を歩く人もほとんどいない、早朝。
冬だと、まだ薄暗いくらいの時間帯です。

そんな早い時間から
毎日たゆまぬ手入れをしてくださって
そのおかげで、都会の真ん中だというのに
こんなに美しい植物園ができているのです。

何の関係もない（ご近所さんですらない）
全くの赤の他人のくせに
その恩恵にあずかっている身としては
ただただ頭が下がるばかり。

いつもありがとうございます！




んでね。

この家の前を通る時は、心の中で
「いつもありがとうございます！」と
ご挨拶していたのですが
お爺ちゃん自身には、に直接面と向かって
お礼を言ったことはありませんでした。

だって、見ず知らずの人間が
いきなり話しかけたりしたら
不審者扱いされる時代じゃないですか。

ましてや
「いつもありがとうございます！」と
お礼を言ったところで
「いや、別に
　お前のために育ててるわけじゃないし！」
と、ドン引きされるの可能性も大。

というわけで、しばらくの間は
心の中で合掌をするだけに収めていました。




しかし、考えてみると
お爺ちゃんともある世代であれば
ご近所同士の挨拶には
慣れているかもしれません。

挨拶をしたからといって
福岡市LINEに通報するような
世知辛い真似はしないはず・・・（きっと）

そう考え直し、
半年くらい経った頃から
頑張って勇気を出して
挨拶をしてみるようにしました。

まずは
「おはようございます！いつも綺麗ですね！」
といった声掛けから始めて。

そしたら、お爺ちゃんも
感じよく対応してくれました。

それからは、バッタリお会いした時には
一言二言、たわいもない会話を
交わす仲になりました。

会話の内容はもっぱら
「蕾がほころんできましたね！」
「この花は何という名前ですか？」
といった、目の前にある花の事ばかりです。

自己紹介をする必要もないので
お互い、名前も素性も知らないまま
当たり障りもない会話しかしない
薄～い人間関係です。




そして、そんな中。

先日、会話をしているときに
ヒマワリの話題になり

「あなたも育ててみませんか？」と
ヒマワリの苗をいただいたのです。

ヒマワリを育てるなんて、小学生の頃以来！
無事に咲くまで育てられるかな？！

でも、せっかくだから
ぜひチャレンジしてみようと思い
ありがたくいただきました。

そして、ワタシとしては
ちょうど、友人I 嬢（実家が農家）から
ソラマメを段ボールいっぱい
送ってもらったばかりだったので

苗をもらった翌日に、お礼がてら
採れたて新鮮ソラマメを
お爺ちゃんへお裾分けいたしました。




・・・はい。

話は以上です。




・・・どうよ？！

名前も素性も正体知らない
見ず知らずの、赤の他人と
花や野菜のやりとりをするなんて
今の時代に珍しい（まるで昭和のような）
粋な交流だと思いませんか？

人間関係は
近づくほど良いというわけでもないので
お爺ちゃんとは、多分これからも
名前も素性も正体も、言わない・聞かない、
大人の距離感のままでしょうが

知らない人には、うっかり挨拶もできない
挨拶しようものなら、不審者扱いされる
この世知辛い時代に
こんなハートウォーミングな出来事が
天神の都会で起こった、ということが
とても嬉しかったのです。

しかも
自分で買った鉢植えを育てたり
形式的に頂いた花束を飾ったりするのとは
訳が違うもんね。

思いがけないタイミングで
赤の他人から
純粋な善意で
頂いたものなので
嬉しさもひとしおです。

絶対に枯らすわけにいかないので
週末は、ホームセンターに行って
プランターと土を買ってこようと思います。

2年前のヒヤスンス革命に続き
今年は、ヒマワリ革命を起こすのだ！





（お金を出さないと作れない
　人間関係もあるようだ）
　





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