朝のプラットホームに人が溢れそうになっている。
アナウンスがポイント故障と振り替え輸送の案内を告げる。
小さな制服の小学生たちが相談して電話をかけてママに回収されていく。
高校生たちの声がはしゃいでいる。
後から家を出た娘が追いついて行列の後ろについたけれど、人波の向こうで声も届かない。
運転再開した電車で私は座れたけど、彼女はギュウギュウの車内のどこでつぶれているやら。
乗り換え駅でもはぐれてみつからない。
やっとみつけて大丈夫?と声をかけると「おもしろかったよ」「じゃね」と去っていく。
別の電車を待ちながら、そうか、育ったんだなと思う。
あんなに迷って苦しんでいたこどもでも、もう育ったんだ。
目の前を娘の乗った電車が走り抜けて行く。
目の前を娘の乗った電車が走り抜けて行く。