お年始

なんかケーキ食べたいなと言いながら家を出た。これから行くのは素敵なおうちだけど動物がいないのがつまんないと、失礼なこと言いつつ親戚の家に向かった。

お正月、風は冷たいけど日差しは暖かい。

滅多に会わないとてもいいひとたちと美味しいお節をいただきながら、全く重要じゃない内容のおしゃべりを交わす。

キッチンに立つのは適当に代わる代わるで、女だけじゃないのもいいなと思う（娘も息子も参加させる）。

そうだ、ケーキがあるんだよ、といとこが言ってそれぞれに好きなのを選ばせてくれた。飾りの獅子舞がチョコかプラスチックかでしばらく盛り上がる。

いとこは悲しげな目をした大人しい犬を連れてきていて、常々憧れていた「犬の散歩」をさせてもらった。

子どもたちは大きくなり大人たちは年老いていく。もういない人もいれば新しく加わる人もいる。年に一度、定点観測のような穏やかな数時間。

私の人生がひと連なりのネックレスであったら、後から見渡した時にお正月の玉はとてもよく光って目立つだろう。