千走新道コース
08:10|登山口
10:20|狩場山
10:30|狩場山
12:10|登山口
登り 2時間10分
下り 1時間40分
(ゆ) 千走川温泉 ちはせ川温泉旅館
曇り気味だが、狩場山の輪郭が見えただけでも御の字
駐車場からすぐに登山口
ツルアリドオシ
サンカヨウの実
ツバメオモトの実
お花畑を行く
チシマフウロ
イワイチョウ
ミネヤナギ
ウメバチソウ
事比羅神社に帰りの安全も祈願
するとほどなくして、ガスの中から食事中のクマさん現る
少し登山道から逸れ、うさ耳ならぬくま耳を立てる
緊迫の最高潮
すれ違ってからもチラ見
食事は続く
ブドウマイマイ
えっ、これがドラゴンウォーター!?(ちゃんと本物は奥にあり。水没していましたが・・・)
高山植物最盛期の7月にたった2回(しかも1回は低山)しか山に行けなかった。
いろいろ忙しかったのもあるが、天気も週末ごとにパッとしなかった。
ようやく未踏の狩場山へ。
今年はコンディションのよい登山には縁遠いので、晴れていなくても、雨風がなかっただけで気分上々だった。
大平山に向かう途中の宮内温泉から賀老の滝方面に向かったところ、ほぼ舗装はされていたものの、生い茂るイタドリを吹き飛ばしながら細い山道を走るかなりの悪路。
距離もあるのでかなり不安になった(もうこの道は使いたくない)。
国道をもう少し走って、島牧の道の駅の先にある「賀老の滝」の看板を左に行けば、こんな思いをしなくて済むと帰りに知った。
登山道から2合目まではdocomoの電波なし。
狭くて足元が滑りやすく、頭上も枝などに衝突する道がしばらく続き、6合目あたりから雰囲気のよいお花畑が出てきた。
惚れ惚れするような立派なクマフンも、ほやほやからカピカピまでたくさん落ちていた。
小さな草の俵のようなフンが多かったので、なんとなく温厚そうなクマなんだろうな~と想像した。
南狩場を過ぎてから山頂までのなだらかな道は再び花の楽園。
エゾカンゾウにキンバイ兄弟、ウサギギクが少々と、ヨツバシオガマ、ハクサンボウフウなどなど。
とりわけイワイチョウの大群落は実に見事だった。
下山開始後、親・子沼を過ぎた辺りだったか、立ち込めたガスの中、登山道の先にクマがいた。
着ぐるみのような巨大な顔がぼや~っと浮かび上がってきて、やがてのしのし向かってきたので、これはイカン!と危険信号が灯った。
登山道をのしのし歩いてきたのだろう、大きな音とか気配はまったくなかった。
こっちも鈴鳴らしてるんだけどな~と思ったが、たぶん、登山者や鈴の音に慣れているか、食事に夢中で気づくのが遅れたのではないか。
さてさて、まずはセオリーどおり、視線を逸らさず、背は向けずにゆっくりと後退する。
しかし、分かっていたことだが、山道をゆっくりと後退するのは結構難しい。
道が凸凹していて歩きづらいし、向こうが目を離した隙に少しでも離れようと気が急いてしまう。
何度かぐらついた石に足を引っかけそうになり、大きい音を出してしまった(こっちはあわあわしていてもクマは落ち着いている)。
相変わらず登山道をのしのしと歩いてくるクマ。大きな立派なクマだ。
少しだけ距離ができたとホッとしたのもつかの間、なんとダッシュで向かってきた!
(うわ、マジか・・・)
このときには右手にカウンターアソールト準備完了。
ブラフチャージあり?なし?とビビッていたところ、開いた距離を詰めるあたりでのしのしに戻った。ホッ
しかし、これ、いつまで続くのか。
一瞬、登山道を外れたところで食事をし始めたので、そのままいなくなってくれるかと期待したが、再び登山道にカムバック。
なんとなく、このクマの行動を見ていて思った。
・きっとこの登山道は毎日の食事ルートなのではないか?(新旧の惚れ惚れフンの主もきっとこのクマで、アピールの意味もあったのかも)
・アピールもしてるのに勝手にこの道を使っているんだからそっちがどけろよ~こっちは食事に集中したいんだからさ~というような気分なのではないか?
・こちらにあからさまな敵意はなさそうだし、堂々と落ち着きのあるクマのようだ。
こちらも作戦を変え、イワイチョウには大変申し訳ないが、登山道から群落の斜面を少し登って大きな岩の上に立ってみた。
すると応じるように、向こうも立ち上がった。(うわわ、でっかい)
両者見合って・・・ほどなくクマは食事再開。こちらもさらに斜面を登って態勢を整える。
クマが先ほどの大きな岩のあたりまで近づいてきた。距離にして10mくらいだろうか。こちらは動かない。
クマは一瞬、その岩に登ろうとするそぶりを見せた。
むー、こっちに来るか・・・?という緊迫の瞬間、思いきって、「大丈夫、何もしないから」と、ナウシカがオウムにそうするように話しかけてみた。
その瞬間、もちろん偶然なのだろうが、「ん、わかった」とばかりにそっぽを向いて、クマは登山道に戻ってのしのし歩き始めた。
こちらもクマが歩いてきた方向に少しずつイワイチョウの斜面を下って行った。
その間もチラチラお互い視線は合わせたまま。
この緊迫感は例えるなら、侍の真剣勝負。今日ほど、丸腰でなくカウンターアソールトを携えていることに安心感を抱いたことはなかった。
クマが完全に見えなくなってから、駆け足気味で一気に4合目くらいまで駆け下りた。
なんとなく別の個体も現れるんじゃないかと、特にお花畑付近を念入りに警戒したが、その後はなにごとも起こらなかった。
登りで心残りだったブドウマイマイにも1匹だけ会えた。
今日もまた山の神様に感謝。