平和党http://www.heiwatou.jp
貨幣が、ゼロ金利、あるいはマイナス金利としての正当化がなされる時代がくるであろうと予言したのは、シルヴィオ・ゲゼル(Silvio Gesell 1862~1930)というドイツ(父はドイツ人、母はフランス人でルクセンブルグ国境近くにて出生)の「異端」経済学者である。
私は、マイナス金利という方法が今後の経済にとって重要な位置を占めるであろうと考えていたが、そのような経済政策の基礎となる理論経済学は存在しないと思っていた。ところが、J・Mケインズは、第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制で、もう二度と世界大戦を起こさせないための経済政策とはこれだということで、マイナス利子論に基づくものを提案していた。そしてそれは採用されなかったが、その論拠となるものが『一般理論』(塩野谷祐一訳)の中でゲゼル理論が紹介されているのを見て、先人の中にも、マイナス金利の正当性を主張していた経済学者が存在していたことを知った。
ケインズはS・ゲゼルを「風変わりな、不当に無視された予言者」として紹介している。ケインズはゲゼルに対して、以前は「彼のきわめて独創的な労作を変人の議論にすぎないものとみなしていた」が、「彼の著作の意義は、私が私自身の方法で結論に到達した後に初めて明らかとなった」としている。
さらに「それは自由放任主義に対する一つの反動ではあるが、そのよって立つ理論的基礎が、古典派の仮説ではなくてその非認の上に立ち、競争の廃止ではなくてその開放の上に立っている点において、マルクスの基礎とは全く異なっている。将来の人々はマルクスの精神よりもゲゼルの精神からより多くのものを学ぶであろうと私は信ずる。」と記述している。
マルクスの思想は政府による資本主義であるが、ゲゼルの場合は、土地を国有化するものの、それは国家が収奪するのではなく、買い上げることにより、また徹底した自由な市場が保障され、官僚がいなくても成り立つ国家を目指している。貨幣の発行も自由であるところから、資本主義にあらず、共産主義にあらずという、新時代の常識となるであろうと思う。
ケインズは、後世の人々はマルクスよりもゲゼルから学ぶと予言したが、マルクス主義国家は誕生したが、ゲゼルについてはその著書に日本語訳も存在しないほど、今のところは開花していない。しかし、そろそろケインズの予言が実現される時代に突入したと思う。それは、ケインズ自身が示した経済理論が効用をなくすほど現代経済が、進歩したからであり、絶えず膨張しなければならない資本主義経済の限界が刻一刻と近づいてきているからである。
ゲゼルの著書全集は十八巻あり、ドイツ語によって書かれてある。異端扱いされているためか、全巻の日本語訳はなさそうである。そこで、ケインズが説明するところに従って読解してみた。
要は、利子というものが存在するからこそ、実物の資本が成長しないということである。この利子という制度をやめてしまえば、実物資本が成長するのでゼロ金利が正当化されるという。
つまり、一億円を銀行に預けておけば、利子が付いて増えるけれど、一億円で工場を建てれば、工場はやがて消耗し、価値は下がるというのが現状の経済制度である。これを改めるには、利子制度をなくすことによって、銀行に預けて時間が経つと価値は減る。一方、預金せずに工場を建てた場合は、時間が経つと相対的にその工場の価値が上がるというのである。
これは期限が来ると価値が下がる通貨ということになる。繁華街を歩くと、居酒屋の店員が道端でチラシを配っている。そこには「生ビール無料券」がついており、期限が何年何月何日までと記載されている。これは生ビールという特定の商品に限定されてはいるが、一つの貨幣であると見れば、期限付き貨幣ということになる。また、ある大手家電販売店で利用するポイントカードの場合は一年間何も買わず、ポイント還元も利用していないと無効になる。持っていても、早く使わなければ価値がなくなってしまう、若しくは価値が減るというこの制度は、現実の市場の中にないわけではない。これを一般の通貨に適用するという新しい経済価値観がゲゼル理論である。
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貨幣が、ゼロ金利、あるいはマイナス金利としての正当化がなされる時代がくるであろうと予言したのは、シルヴィオ・ゲゼル(Silvio Gesell 1862~1930)というドイツ(父はドイツ人、母はフランス人でルクセンブルグ国境近くにて出生)の「異端」経済学者である。
私は、マイナス金利という方法が今後の経済にとって重要な位置を占めるであろうと考えていたが、そのような経済政策の基礎となる理論経済学は存在しないと思っていた。ところが、J・Mケインズは、第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制で、もう二度と世界大戦を起こさせないための経済政策とはこれだということで、マイナス利子論に基づくものを提案していた。そしてそれは採用されなかったが、その論拠となるものが『一般理論』(塩野谷祐一訳)の中でゲゼル理論が紹介されているのを見て、先人の中にも、マイナス金利の正当性を主張していた経済学者が存在していたことを知った。
ケインズはS・ゲゼルを「風変わりな、不当に無視された予言者」として紹介している。ケインズはゲゼルに対して、以前は「彼のきわめて独創的な労作を変人の議論にすぎないものとみなしていた」が、「彼の著作の意義は、私が私自身の方法で結論に到達した後に初めて明らかとなった」としている。
さらに「それは自由放任主義に対する一つの反動ではあるが、そのよって立つ理論的基礎が、古典派の仮説ではなくてその非認の上に立ち、競争の廃止ではなくてその開放の上に立っている点において、マルクスの基礎とは全く異なっている。将来の人々はマルクスの精神よりもゲゼルの精神からより多くのものを学ぶであろうと私は信ずる。」と記述している。
マルクスの思想は政府による資本主義であるが、ゲゼルの場合は、土地を国有化するものの、それは国家が収奪するのではなく、買い上げることにより、また徹底した自由な市場が保障され、官僚がいなくても成り立つ国家を目指している。貨幣の発行も自由であるところから、資本主義にあらず、共産主義にあらずという、新時代の常識となるであろうと思う。
ケインズは、後世の人々はマルクスよりもゲゼルから学ぶと予言したが、マルクス主義国家は誕生したが、ゲゼルについてはその著書に日本語訳も存在しないほど、今のところは開花していない。しかし、そろそろケインズの予言が実現される時代に突入したと思う。それは、ケインズ自身が示した経済理論が効用をなくすほど現代経済が、進歩したからであり、絶えず膨張しなければならない資本主義経済の限界が刻一刻と近づいてきているからである。
ゲゼルの著書全集は十八巻あり、ドイツ語によって書かれてある。異端扱いされているためか、全巻の日本語訳はなさそうである。そこで、ケインズが説明するところに従って読解してみた。
要は、利子というものが存在するからこそ、実物の資本が成長しないということである。この利子という制度をやめてしまえば、実物資本が成長するのでゼロ金利が正当化されるという。
つまり、一億円を銀行に預けておけば、利子が付いて増えるけれど、一億円で工場を建てれば、工場はやがて消耗し、価値は下がるというのが現状の経済制度である。これを改めるには、利子制度をなくすことによって、銀行に預けて時間が経つと価値は減る。一方、預金せずに工場を建てた場合は、時間が経つと相対的にその工場の価値が上がるというのである。
これは期限が来ると価値が下がる通貨ということになる。繁華街を歩くと、居酒屋の店員が道端でチラシを配っている。そこには「生ビール無料券」がついており、期限が何年何月何日までと記載されている。これは生ビールという特定の商品に限定されてはいるが、一つの貨幣であると見れば、期限付き貨幣ということになる。また、ある大手家電販売店で利用するポイントカードの場合は一年間何も買わず、ポイント還元も利用していないと無効になる。持っていても、早く使わなければ価値がなくなってしまう、若しくは価値が減るというこの制度は、現実の市場の中にないわけではない。これを一般の通貨に適用するという新しい経済価値観がゲゼル理論である。
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