難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

情報通信審議会地デジ検討会の議事録の公表

2008年04月17日 08時37分40秒 | 放送・通信
080416_0830~001.jpg080416_0826~001.jpg総務省のホームページに、視聴覚障害者当事者が地上デジタル放送の移行にどのような問題があり、なぜ起きたのか、どういう方向で解決すべきかをのべた記録が掲載された。
pdf文は資格障害者に読み取れるリーダーがあるのだろうか


ラビット 記
・・・・・・・
2/29日に、開催された情報通信審議会情報通信政策部会「地上デジタル放送移行に関わる検討会」で、視聴覚障害者が意見陳述した内容が総務省のホームページにアップされている。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/chijo-digital.html

2008年2月29日の審議会の案内
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/080229_1.html

審議会当日の資料は、
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/pdf/080229_1_bt.pdf

審議会議事録は
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/pdf/080229_2.pdf






インターネットテレビの国際規格とアクセシビリティ

2008年04月16日 22時36分13秒 | 放送・通信
080416_1841~001.jpg今日の日経新聞の夕刊1面に、インターネットテレビの国際規格が年内にも制定される見通しと報じられていた。

昨年の暮れに日本でこの規格制定のための国際会議が開かれ、紹介した。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6588042.html
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6913181.html

海外から参加した関係者の中には障害者が含まれていたそうだが、日本では呼ばれていないだろう。
障害者の国際ネットワークやアクセシビリティに関する技術者たちはもちろん、この問題に関わっている。
しかし、なぜ我が国は優れた技術を持ちながらアクセシビリティに関する技術となると一歩も二歩も遅れてしまうのだろうか。

技術系の聴覚障害学生が学ぶ環境が整備されていないのか、技術の開発の現場でコミュニケーションが壁になって関与出来ないのか?
アクセシビリティに関わる仕事は収益に繋がらないので後回しにされたのだろうか。

携帯電話の拡声機能を持つドコモのサウンドリーフは難聴児を持つ父親が中心になって開発されたと聞く。

聴覚障害を持つ当時者が聴覚障害者のコミュニケーションバリアをなくす機器やサービスの開発に関わって欲しい。


ラビット 記




職場の要約筆記派遣

2008年04月15日 22時58分48秒 | 要約筆記事業
080415_1340~001.jpg080415_0927~001.jpg要約筆記者の派遣元に新たに今年度登録を申し込まれた人を対象にした説明会が約24人くらい参加して開かれた。

派遣は、都県レベルの要約筆記派遣は形の上では残っているが、区市の契約による派遣、企業や個人の依頼による派遣が大部分だ。

その中でも、企業に派遣される要約筆記は少ない。企業が派遣を依頼する場合、難聴者が企業に要望して派遣したというよりは企業が新人研修の際に難聴者に配慮して派遣したケースが多いのではないか。
難聴者が職場に要約筆記を派遣を希望する場合、幾つものハードルがある。

一つは、難聴者自身が要約筆記を通訳として認識しているかどうかが鍵だ。
さらに、自分の職務に必要なコミュニケーション支援の力を持っていることに確信が持てなければ、以下に述べる要約筆記に対する誤解、偏見を払拭出来ない。

二つ目は、難聴者と要約筆記に対する理解がないか浅いことだ。
少しゆっくり話せば分かるだろうとか、後で会議の結果を知らせるからとか私がメモをとってあげるから大丈夫と言われたりする。

三つ目は、職場に第三者を入れることに対する不安感や違和感だ。企業秘密の漏出に対する不安感があるのか、単なる口実なのかは分からないが。

四つ目は、費用だ。奉仕員と違って、要約筆記「者」の派遣単価は手話通訳ほどではないが、地域のパートや派遣会社のそれよりかなり高い。


これらのハードルを越えるには、現在の就労に対する要約筆記が技術の上でもモラルの上でも高いレベルを維持していなくてはならない。
要約筆記に対する信用はいったん崩れると中々取り返しが付かないからだ。

企業や一般社会に対して要約筆記そのものの理解を求める啓発も必要だろう。

そうして初めて、聴覚障害者の権利保障としての合理的配慮に、要約筆記が入ってくる。


ラビット 記 



難聴者のサークル活動の意味

2008年04月14日 23時00分11秒 | エンパワメント
080414_1919~001.jpg080414_1918~001.jpg難聴者協会の中にはいろいろなサークルがある。
手話や読話のコミュニケーション学習に関わるサークルもあれば歌や書道、読書など文化やスポーツなどの趣味サークルもある。
協会外にもいろいろな「会」かある。


難聴者等のサークルや「会」の活動はいろいろな意味で重要だ。

一つは難聴者自身の自発的な意思による活動への参加の具体的な表れということだ。
自らの意思による参加という行動は自立への第一歩だ。

二つ目は、コミュニケーションへの積極的な意欲の表れだ。
集団への参加はコミュニケーションを生む。その中に所属すれば意思の疎通のために、様々な形でのコミュニケーションが必要になり、難聴者としてのコミュニケーションに対する姿勢が醸成される。
相手にも自分にも分かるようなコミュニケーションの仕方、理解の仕方を考えるきっかけになる。

三つ目は、難聴者としての自己を客観視する機会になる。
難聴者の集団と言えども、メンバーに社会の中にいる難聴者像を見い出すのだ。コミュニケーションの非成立状態の難聴者の言動、明確な意思表示の出来ない難聴者の心理等を見ることで、自己を客観視することになる。

四つ目は、集団の中の協調性や指導力の発揮など一般社会でなかなか発揮しにくい能力の開花や向上がある。

五つ目は、難聴者であっても自分の好きなことを通じて自己表現出来ることだ。

五つ目が一番重要かもしれない。


ラビット 記
夜の繁華街で火事!?



東京医科大学聴覚・人工内耳センターの開設

2008年04月14日 19時17分29秒 | 人工内耳
080413_1234~002.jpg080413_1230~001.jpgコンピュータの世界ではリナックスLINUXのようなオープン・システムはあるが、医療、耳科学の分野の「オープン・システム」というのは聞いたことがない。
いろいろの関係者、医療関係者や当事者も含めて、問題解決にあたることらしいがその解決のためのシステムについて詳しく知りたい。


難聴の治療には、医療だけではなく、福祉の制度や技術の支援が必要だし、心理的サポートも必要だ。
難聴者の生活する場面に応じて、教育、介護、就労分野の専門家の連携が必要になる。
また、同じ難聴者の関わりもピアメンタリングから難聴者協会による社会や行政への働きかけなどが考えられる。

河野先生とは、医療、福祉、教育、就労などの関わりを持つ「ヒアリングセンター」構想について賛同を頂いたことがある。
聴覚・人工内耳センターとヒアリングセンターの関係は地域へのアウトリーチ活動(啓発、相談)をするかしないかだろうと思う。

地域の難聴者協会もこうしたセンターや機関に関わるにはきちんとした体制や法人格が必要に思う。


ラビット 記
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東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター 開設記念フォーラムのお知らせとプログラム
平成20年4月17日  14時~18時
東京医科大学病院 6階 臨床講堂
参加費:¥1,000円(一般の方は無料です)
テーマ「聴覚・人工内耳センター設立にあたり」
http://www.acictmu.jp/forconcern/topic080417.html
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東京医科大学病院
聴覚・人工内耳センター長より
皆様へのごあいさつ
(中略)
 当センターでは、難聴者への補聴器や人工内耳に関する医療を中心に、医師、言語聴覚士を中心としたチーム医療という観点から、聴覚障害でお困りの患者様のケア(先天性高度難聴小児の場合には、言葉のケアも含め)の遂行を行い、多くの関係者の皆様のご支援、ご協力を得ながら、本邦における本領域の医療においての最先端
モデル(オープン型の医療システム構築)を構築することをめざしております。

 当センターでは、広く関心のある方と相互に交流を行いながら活動を充実させていくことをめざしており、関心のある方はどうぞ遠慮なくご意見をお願い申し上げます。
http://www.acictmu.jp/proc/login.php
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高齢者社会の到来といわれ幾久しくなりますが、70歳では他に耳の疾患がない場合でも、3分の1は難聴があるといわれています。日本も欧米の影響を受け、市場原理主義が蔓延し経済や医療の問題もある中、グローバル化の時代と言っても、まだまだ保守的な思考は健在で、特に補聴器など外見へのこだわりがある人は少ないとは
言えません。しかし高齢化のおり70歳でも現役として働いている方も多く、また若くしても聴覚障害があれば、仕事上聴覚障害の補償が必要となります。
(中略)
 一方医療水準の進歩に伴い予防医学の観点から新生児聴覚スクリーニングが始まり10年の月日がたとうとしています。早期に聴覚障害の可能性が疑われた場合には医療のみではなく、療育、教育、さらには行政による支援という協力体制が必要です。
http://www.acictmu.jp/forgeneral/contents01.html
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 本施設名は、東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター(聴こえと言葉のケア)ACICTMU (AUDITORY AND COCHLEAR IMPLANT CENTER OF TOKYO MEDICAL UNIVERSITY - CARE FOR HEARING AND LANGUAGE)と称し、主に補聴器や人工内耳の治療や装用が必要と思われる対象となる方または病状 を対象とする専門施設です。
(以下、省略)
http://www.acictmu.jp/forgeneral/contents02.html




職場の拡声機能付き電話

2008年04月14日 08時42分27秒 | 就労
080413_1734~001.jpg080413_1735~001.jpg昨日も日曜一人勤務だった。
電話はかかってきた。

確かに、電話がネックではあるが、幾つか対応を取っている。
1.会社の電話に増幅器を付けた。
メーカー仕様電話のままでは拡声機能が不十分なためだ。
販売自立コム

2.上司、同僚、営業担当者、関連会社の担当者にメールでのやりとりが必要で確実なことを理解してもらい、携帯アドレスを教えてもらう

3.携帯は音質の良い、音量も十分な補聴器に妨害電波の入らない機種にする
現在はウィルコムのPHS WX310Kを使用

4.補聴器にTコイル対応のものにする。
カスタム型の補聴器によってはコイル機能のないものが多い。
また電話の受話器にコイル内蔵でないものが多かった。

5.ファックスの使用
普通、ファックスには電話で話すような説明文は書かないが手書きで書くこともある

個々の対応は、社会の理解とバリアフリーの通信機器や通信ネットワークがあってこそ出来る。

ラビット 記



字幕放送の字幕の重なりをなくす特許

2008年04月13日 12時02分48秒 | 放送・通信
080412_1930~002.jpg
080419_1921~002.jpg生放送の字幕放送は、字幕が遅れて表示される上、画面のテロップやその他の情報が隠れてしまうことが難点だった。
携帯のワンセグ放送は、映像の外に字幕を表示するアウトリーチ方式方式だが、フルデジタル放送も同様になって欲しい。

これを解消する特許があるのを見つけた。
BSデジタル放送における字幕の表示の重なりを解消するものだが、地上デジタルにも適用されると思われる。
こうした技術は、デジタル放送のアクセスガイドラインの制定の際に、各企業から提供して欲しいものだ。


ラビット 記
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【発明の名称】 字幕表示装置及び字幕表示プログラム
【発明者】
 【氏名】福田 雅裕
 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内
 【氏名】泉 丙完
 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内
【要約】
 【課題】オープンキャプションと字幕の表示位置が重なることがない様に字幕の表示位置を自動的に変更する。
http://www.j-tokkyo.com/2004/H04N/JP2004-208014.shtml





視覚障害者のデジタル放送へのアクセシビリティ

2008年04月13日 10時43分38秒 | 放送・通信
080412_1930~001.jpg080413_1028~001.jpg店頭で、デジタル放送テレビの価格が大幅に下落している。
北京オリンピックを控えて、ニューモデルが投入される前の在庫処分かも知れない。

視覚障害者にとって、デジタル放送はまず購入した後の設定そのものがバリアーになっている。画面を見ながら設定しなければならないからだ。
さらに、デジタル放送には、チャンネルのボタン以外にもデータ放送のためのボタンや双方向通信するためのボタンもあ里、区別が付かない。さらにこれらは文字や映像だけの表示なので、視覚障害者には使えない。

聴覚障害者も字幕放送拡充の初期には、文字放送を受信するテレビが少なく、文字放送受信回路内蔵のテレビが同じサイズのテレビより3万円前後割高になっていたので、文字放送デコーダーの厚生省(当時)に身体障害者日常生活用具の採用を働きかけた。また、
字幕放送録画機能や価格の低廉化等ハードに対する要望を重ねていた。


ラビット 記
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「なんばウォーク」でワンセグの視聴が可能に-AM・FMラジオも対応
高崎経済新聞
大阪・ミナミの地下街「なんばウォーク」で3月31日より、地上デジタル放送(ワンセグ)とAM・FMラジオの受信が可能になった。
同事業は、デジタルラジオ推進協会が事業主体となり、在阪各放送局と大阪地下街で結成する大阪地下街遮へい対策事業協議会が進めていたもの。 ...
http://namba.keizai.biz/headline/330/

WDLC、PC上でのTV視聴を訴求する合同キャンペーン
PC Watch
例えば、地上デジタル放送の立ち上げにともない、PCとTVとの連携をどうやっていくかについて、マイクロソフトやTV局の関係者が「テレビPC利用協
議会」を立ち上げた。ここでは、市場動向、技術動向、海外動向などを有識者を招いて協議してきた。その最初の成果として、各局 ...
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0411/wdlc.htm

ビックカメラ、3D立体放送対応の液晶テレビを世界で初めて発売
BCNランキング
BSデジタル放送「BS11デジタル」で、毎日放送している「3D立体革命」を3D映像で観ることができる。なお、3D立体放送の視聴には、専用の3Dメガネが必要。
解像度は1920×1080ドット、アスペクト比は16:9、コントラスト比は1200:1。地上・BS・110度CSデジタルチューナー...
http://bcnranking.jp/news/0804/080411_10435.html

マスプロ電工、ブースター内蔵の地上デジタル放送用UHFアンテナを4月中旬に発売
nikkei BPnet
マスプロ電工は2008年4月8日、地上デジタル放送用UHFアンテナの新製品「SPM2B」を、4月中旬に発売すると発表した。ブースターを内蔵して
おり、屋外からの引き込みケーブルが長かったり、室内で放送波を分配していたりする場合でも、放送波を安定して受信できるという。 ...
http://www.nikkeibp.co.jp/news/it08q1/567503/

地上デジタル放送受信のための共同受信施設用増幅器を開発
日経プレスリリース
○NHKは宮崎電線工業株式会社と共同で、地上デジタル放送を既設の小規模テレビ共同受信施設に導入するための線路増幅器を開発し、6月19~21日に 東京ビッグサイトで開催される「ケーブルテレビショー2008」に展示します(※1)。
○既設の小規模テレビ共同受信 ...
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=186776&lindID=5

FCC、デジタルTV非対応TVの販売で小売店に罰金
CNET Japan
新しく製造されたTVのほとんどがデジタル放送に対応している。だが、市場ではアナログにしか対応していないTVも販売されている。2007年5月にFCCは小売店に対し、アナログのみに対応した製品にはラベルを貼るなどして、コンバータなしではデジタルTVを視聴できないことを ...
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20371261,00.htm

NHK、デジタルテレビ極微小電力局用小型・低価格の屋外型中継局送信機を開発
日経プレスリリース
○NHKは(株)NHKアイテックと共同で、地上デジタル放送の極微小電力局に適用する屋外設置が可能な中継局送信機を開発しました。機器の大幅な小型化と工事の効率化を実現し、比較的小エリアをサービス対象とする極微小電力局のデジタル整備の低廉化が期待されます。...
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=186780&lindID=5

プリンストンテクノロジー、HDCP対応22インチワイド液晶ディスプレーを発売
日経プレスリリース
Blu-ray
Discや地上波デジタル放送などの著作権保護されたデジタルコンテンツの再生が可能です。その他、環境保護にも配慮し、有害物質の使用を抑制する「RoHS指令」や、特定の化学物質の含有率が基準値以下であることを示す「J-Moss」規格にも準拠...
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=186770&lindID=1





人工内耳の聞こえ方(4) 補聴器で補聴する

2008年04月13日 05時54分36秒 | 人工内耳
080410_1557~002.jpg080410_1557~001.jpg装用から4ヶ月に経って、人工内耳の聞き取りにはあと少しと聴力検査の時に感じた。
母音の違いは何とか分かるが、子音の違いを聞き分けるのが難しいからだ。
後もう少しで聞き取れるのに、補聴器と一緒に検査していたら前より聞こえていたのにと考えていた。

人工内耳と補聴器を使っている時は、補聴器で聞き取りながら人工内耳はとにかく付けているだけだ。人工内耳はピピーガガーと聞こえるだけで補聴器の聞き取りに邪魔だと思ってきた。

人工内耳でテレビを聞いても字幕があれば分かるが、字幕のないCMは分からない(早く字幕を付けて欲しい)。
人工内耳を使いながら、補聴器のボリュウムをちょっとあげてみた。すると、人工内耳が聞こえる。
人工内耳のアンテナを外すと補聴器だけでは音量が小さすぎて何を言っているか分からない。
アンテナを付けるとテレビの言葉がわかる。
なるほど。後少しだ。人工内耳は声の何かがちょっと加わると言葉が分かるのだ。

今までは、補聴器の聞こえを人工内耳で補おうとしていたが、逆に人工内耳の聞こえを補聴器で補うという逆転の発想だ。


まだ右耳が化膿しているので、補聴器が長時間付けられないが、勤務先ではボリュウムを最小限にしていよう。
月曜は異動して来た人に1日ガイダンスをする。


ラビット 記
写真は病院のチューリップ



人工内耳の聞こえ方(3) 反響したような声

2008年04月13日 05時48分52秒 | 人工内耳
080411_0844~002.jpg「反響したような」というのは人工内耳が微小な反響音を拾って増幅しているので、直接音源からの音と混じって反響しているかのように思えるが、実際には「反響」していないと思われる。実際に反響しているのか、一度実験して欲しい。

補聴器と人工内耳の聞こえにわずかな時間差があって、反響しているように聞こえるとも言われたがそれも確認したい。

「反響しているように」聞こえるのは、音や声のある情報が入らないので、それが反響音のように聞こえるだけではないかと思われる。


ラビット 記




字幕付き演劇は増えて欲しい

2008年04月12日 19時27分09秒 | 生活
080412_1809~002.jpg
jimakutukiengeki.jpg字幕付きオペラや外国語演劇に字幕が付くことはあるが、日本語演劇に字幕が付くのは珍しい。

字幕が付くようになったいきさつは分からないが、今後も継続して欲しいし、増えて欲しい。

今後のことを考えると「登録要約筆記者協会」や要約筆記サークルではなく、字幕制作サークルや字幕制作プロダクションに担われていって欲しい。聴覚障害者のことを理解した字幕は外国語の字幕とは違うし、字幕制作の専門性は要約筆記とは違うからだ。

需要が増えた時にどっちも不足しては困る。

障害者の権利条約の第30条には演劇など文化的作品の鑑賞もアクセスの保障を求めている。
演劇の所轄官庁は、文化庁か経済産業省か分からないが、劇場の物理的アクセスだけに終わっても困る。情報アクセスもきちんと対応するために当事者からの要望が必要だ。


ラビット 記

写真は「京浜協同劇団」(申し込み先Fax044-533-6694)の「ミスター・チムニー 天空百三十尺の男」のチラシ
4月27日の14時からの回に字幕が付く。




人工内耳の聞え方(2) 4ヶ月目の聞こえ

2008年04月12日 10時58分50秒 | 人工内耳
080410_1902~001.jpg080410_1902~002.jpg4月10日は、装用四ヶ月後の人工内耳の聴力検査を行った。
結果はまだだが、人工内耳だけではまだまだ聞き取れない。
「あか」、「あさ」、「あた」、「あな」、「あま」、「あは」、「あや」、「あわ」、「あば」、「あぱ」の区別は難しい。みな同じに聞こえる。

その後の検査では母音の区別は出来ているようだ。
「や」は「ま」や「ら」に聞こえることはあっても「よ」には聞こえない。
同じオンの列、イ列はことの他、聞き分けが難しかった。
「ひ」、「き」、「し」、「り」など区別がない。
単語の聞き取りも言葉の長さやイントネーションで類推しようとするが分からない。
文章はなおさら分からなかった。

人工内耳の聞こえ方は説明が難しい。聞こえているのは分からなくても口の動きを見るとそれが言葉に聞こえる。相手が見えない時でもこう言っているのではないかと思って聞くと分かることもある。
犬は吠えているのを見るとワンワンと聞こえるが見てないとピピーガーのままだ。
三ヶ月目と比べれば聞こえるように感じるのは自分の声も相手の声も同じように聞こえるからだ。前は相手の声はもっと聞こえなかった。
自分の声は、補聴器のチューブに水が詰まったような感じ、くぐもって聞こえるが相手も同じだ。
「くぐもった声」とは浴室で聞くような反響したような聞こえとは少し違ってきた。
「ギザギザした声」に聞こえると表現したが。


4ヶ月目の聞こえはゴールを補聴器なしでも聞こえるとすれば2合目くらいか。
後2ヶ月で半年が経過するのでその時は4合目には行きたい。1年経ったら8合目か9合目か。


ラビット 記



聴覚障害者と「フォーラム障害者とICT 2008」

2008年04月11日 20時14分03秒 | 生活

080411_0844~002.jpg難聴者などは、電話が出来ないため、毎日のコミュニケーションを渇望していた。
1970年代の終りにパソコン通信が始まるとニフティ・サーブやPCVANに難聴者などのフォーラムなどのコミュニティを作っていた。

その中には、テレビの台風情報をチャットで提供したり、パソコン通信の手解きをしてくれる仲間がボランティアで活動していた。
その中から、テレビのセリフをチャットで配信する活動が提起され、1999年の著作権法改正を経て、リアルタイム字幕配信は著作権者の許諾を経ないで出来るようになった。

パソコンボランティアの活動が、聴覚障害者の情報・コミュニケーションの権利保障と結び付いていたのだ。つまり、社会の制度を変えたということだ。

権利は障害者個々のレベルで保障を考えることも必要だが、社会のレベル、制度的にもインフラ的にも考える必要がある。

例えば、聴覚障害者の電話通信する権利は守られているだろうか。欧米では事業なっている電話リレーサービスすらない。
テレビに字幕放送は増えたが生放送は複数の人が話す番組はまず少ない。
手話放送にいたっては見つけるのが大変なくらいだ。
地上デジタル放送などはICTの固まりみたいなものだ。
しかし、2月29日の情報通信審議会情報通信政策部会「地上デジタル放送の移行に関する検討会」で視聴覚障害者当事者が様々な問題を指摘したことから、地上デジタル放送にはアクセシビリティには大きな欠陥があることがわかった。


パソコン通信の時から30年、著作権法改正から10年。
ITCによる聴覚障害者への情報保障、情報アクセス権、情報発信権の保障はどこまで進んだのだろうか。


ラビット 記
・・・・・・・・・・・

080411_0844~001.jpg「フォーラム障害者とICT 2008」ご紹介のお願い

関係者のみなさんには、ごぶさたしております。
さて、つぎのような企画を成功させようと現在とりくみをすすめています。
みなさんの関係するメディアなどで、より多くのみなさんにご紹介していただければ幸いです。

薗部英夫
日本障害者協議会(JD)情報通信委員長
http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/

以下、転載大歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。
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「フォーラム障害者とICT 2008」にご参加ください!
http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/ict2008.html
                                
すべての人びとに人と人とがつながり、
だれもが幸せに生きることのできるICT(情報コミュニケーション技術)を!


障害者権利条約は、差別をなくし、真の平等をめざすための方策を広範囲にわたって規定しています。
また、すべての人のために不可欠な権利としてアクセシビリティの保障とその利活用を位置づけています。
この10年の間に、パソコンやインターネット、携帯電話などの環境は激変しました。
教育や就労をめぐってもとりくみがすすめられている一方で、利活用における格差も広がっています。

JD(日本障害者協議会)は、この間、パソコンボランティアなど、人と人との支援のネットワーク化をはかってきました。
今日の状況のもとで、障害のある人の実態をさまざまな視点から明らかにし、内外の激動する情勢を的確に学びあいたいと思います。

また、私たちは、IT(Information Technology)と表現してきたこの分野を、権利条約が表現する Information and Communication Technology=ICT(情報コミュニケーション技術)として、人と人とをつなぐ人間のコミュニケーションの不可欠な道具として、より積極的に位置づけたいと思います。

今、障害のある人びととICT利活用のための課題を深めあう場が必要であると考え、当フォーラムを企画しました。
ぜひ、ご参加ください。
                                       
日時=2008年5月25日(日)9時半~16時半 
   前夜祭=5月24日(土)16時~19時
会場=東京・セシオン杉並(丸ノ内線・東高円寺駅 徒歩5分)
主催=日本障害者協議会
共催=杉並区
後援=内閣府、厚生労働省、文部科学省、総務省、経済産業省、東京都など予定
協賛=日本障害フォーラム、日本障害者リハビリテーション協会、東京都障害者ITサポートセンターなど予定

■企画内容
25日(日)午前
●学習・実践セミナー
1)ホームページで障害者運動を一歩前へ!
     -みえる・きこえる・操作できるホームページにするために-
    講師=岩渕正樹(坂戸パソボラ代表)
         田中克典(埼玉県立越谷総合技術高等学校教諭)
2)迷惑メールが名簿を盗む?!
     -情報セキュリティとトラブル対策のために-
    講師=寺田慶治(有・コンピュメンター社長)他

3)情報アクセシビリティと障害者権利条約を読み解く
    講師=梅垣正宏(情報アクセシビリティ研究者)他

25日(日)午後
●あいさつ 杉並区長
●記念講演=畠山卓朗(早稲田大学人間科学学術院教授)
       ともに生きる喜びと気づき -技術支援の実践を通して-
●基調提案=薗部英夫(日本障害者協議会情報通信委員長)
●記念シンポジウム
 目的達成の手段としてのICTの利活用と権利-障害者権利条約の実現にむけて-
  コーディネーター=伊藤英一(長野大学社会福祉学部教授)
  シンポジスト=堀込真理子(東京都障害者ITサポートセンター)
          岡村章三(視覚障害者・埼玉障害者協議会)
          井上吉郎(中途障害者・WEBマガジン「福祉広場」)
          ほか
●レインボーブロジェクト企画展 24日、25日
杉並区立こども発達センターと女子美術大学の共同研究「レインボープロジェクト」の展示です。
障害児療育支援ソフト「たっちゃんのコネク島」などさわって楽しめ、丁寧な解説もあります。
    
■参加費(資料代)=2000円 (当日受付にてお支払い下さい)
■前夜祭参加費(軽食代など)=後日参加希望者にメールでお知らせします

■参加申込みは、以下のフォーマットに書き込んで、jdict@nginet.or.jp までメールください。
1)お名前
2)ケータイなど、連絡のつけやすい電話番号
3)胸につける名札に書き込むご自身を表すお仕事、肩書、ご所属など
4)メールアドレス
5)午前中の参加予定
  □学習・実践セミナー1(ホームページ)
  □学習・実践セミナー2(トラブル対策)
  □学習・実践セミナー3(権利条約)
   以上はいづれか一つの選択となります。
会場と教材の都合でぜひ事前にお知らせください。
6)手話通訳、要約筆記
  □手話通訳が必要
  □要約筆記が必要
7)前夜祭
  □参加する





難聴者等は、デジタル放送に何を求めているか

2008年04月10日 15時05分13秒 | 放送・通信
080307_0816~003.jpg080307_0816~001.jpgデジタル放送時代に聴覚障害者、中途失聴・難聴者は何を求めているか。

地上デジタル放送に何を期待するかについては、
一番多かったのが86.9%で「字幕放送の拡大」だった。
二番目が55.6%で「きれいな画質」で、字幕もきれいに見えることが評価されているのかも知れない。
「手話放送の拡充」が25.6%だった。手話放送の実施されている割合が1%以下を考えると強い期待がある。
「大きな画面」は価格の問題もあるのか、18.2%しかなかった。
デジタル放送ならではの機能の「インターネットとの併用」は11.3%しかなく、まだよく機能がしられていないようだ。(複数回答)

全国の難聴者協会の会員、及び一般聴覚障害者を対象に実施された。
各県協会事務局を通じて、会員にアンケート用紙を配布し、集約してあるいは直接ファックスで回答を求める方法で回収した。また、全難聴のウェブでも公開し、メールで回答を得た。
実施期間は2008年2月8日に各協会に通知し、2月29日までに当会事務所に届いたものを集計した回収数は390通である。