前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

TBSラジオ 「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」

2012-06-23 23:00:16 | そのほか
かつて、まだ「オタク」などという言葉が今ほど一般的でなかった頃、
フジテレビの深夜に「カルトQ」というクイズ番組がありました。

番組のキャッチコピー

  「どうしてそこまで知っている!?」

という言葉が示すとおり、
ある特定の(極めて限られた)分野に驚くほどの知識?をもった猛者たちがいました。

そのテーマ(問題)も、
ポップアートやウィリアム・バロウズといった立派に研究テーマに成り得るようなものから、
ファミリーレストラン、東急ハンズといった、サブカルチャーですらないものまで多岐に渡りました。
(東急ハンズの店員さんの写真を見て「何階の何フロアの人か?」なんて問題に、
ちゃんと正解する人がいましたね)


一つの道?を極めるという意味では、
プロのミュージシャン、役者、お笑い芸人等の方々も同じだと思いますが、
そういう方々は(もともとの気質がそうなのか)得てして、
"本業"以外の分野でも専門家に匹敵する知識と分析力をお持ちの方がいらっしゃいます。

菊地成孔さんなどは、ジャズミュージシャン(サックス奏者)、音楽講師、
格闘技や服飾の評論など、本業・副業の区別がつかない・・・というか全て本業か。


最近(遅ればせながら)知って「まだまだ凄い方がいるんだなあ」と驚いたのが、
HIPHOPグループ「RHYMESTER」の宇多丸さんです。

パーソナリティを務めるTBSラジオ「ウィークエンド・シャッフル」でやっている映画評論コーナー
「シネマハスラー」を教えて頂いて聴いたのがきっかけでした。


毎週、賽の目で決まった作品を翌週のコーナーで評論します。
過去作品からの膨大な映画の知識や「マニア」ならではの視点と分析力もさることながら、
なにより「(誇り高き)映画人」に対する尊敬と敬意に溢れるお言葉。
(逆に「なめた」作品に対しては容赦ない)

評論にあたり、原作本を読んだり、TV番組の映画版の場合はTV放送分を見直したり、
時には対象作品を2度観に行ったりと、ラジオで気楽に聴くのが憚られるほどです。
(様々な層の人が聴いているラジオ番組でやる以上"最低限の準備"、ということを
インタビューでおっしゃっていました)


そしてテレビ番組と違い(参照映像を使えない)言葉だけの評論でありながら、
(しかもなるべく"ネタバレ"しないように注意しながら)
聴いていてどんな場面か、その情景を思い浮かべることができるほどの、しゃべりの上手さ!

その上、スポンサーや局など無数の"しがらみ"があるなかでの(生放送内での)評論ですから。
冷静に考えると本当に凄いことです(で、放送はとことん面白い!)。


宇多丸さん自身の守備範囲も、映画だけでなくアイドル論、J-POP論など広範囲におよびますが、
「その道」の専門家(あるいは求道者?)を招いて「その道」についてとことん語ってもらう
「サタデーナイト・ラボ」のコーナーも大変タメになります。
例えば・・・

  「西寺郷太の『小沢一郎・マイケルジャクソンほぼ同一人物説』特集」
  「音楽ファンに捧ぐ!食わず嫌いのための嵐特集」
  「春の文具ウォーズ ~エピソード2 三菱帝国の逆襲~」
  「エンドロールに出ない仕事人 ~スクリプト・ドクターというお仕事~」
  「海外R&B馬鹿リリック大行進!」
  「ブルボン総選挙」(注:ブルボンはお菓子のブルボンのことです)
  「ファンキー・コタ特集」
  「ア↑コガレ特集」

どれも、この番組でしか聴けないような(且つ若干の説明が必要な)「専門分野」の数々です。

シネマハスラー」、「サタデーナイト・ラボ」とも
過去放送分がポッドキャストで聴けるのもありがたいです。オススメです!