前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

『ラヴズ・ボディ-生と性を巡る表現 』 (東京都写真美術館)

2010-11-08 08:48:05 | 美術関係
東京都写真美術館で
『ラヴズ・ボディ-生と性を巡る表現 』と
『写真新世紀東京展2010』
を観てきました。

正直に言いますが
心を動かされるものは何もありませんでした。


『ラヴズ・ボディ-生と性を巡る表現 』は
エイズ問題や性的マイノリティなどテーマは深刻ですが、
ドキュメンタリーなのかアートなのかもハッキリしません。

エイズに罹った恋人の連作写真はコメントつきで、
私には単なる「ブログ」の日記にしか見えません。


『写真新世紀東京展2010』は
優秀賞受賞者の作品や審査員が選んだ佳作作品が
展示されていましたが、感想は同様です。


私自身の『写真』に対する見方が確立していない、
あるいは他の方々と違うのかもしれません。

私は昔から
「写真は『芸術』ではなく『技術』である」
と思っています。

だからといって写真を低く見ているわけではありませんが。


写真には(その種類にもよると思いますが)、
撮影者が、大量に撮影した中からいいものを「取捨選択する」
という作業が含まれます。
そのことに何がしかの"引っかかり"を感じています。
うまく説明できませんが。


若い女性の日常のスナップショットのような展示も、
そこから「内面」だとか「感情」だとかを
見出すことはできません。
("意味"を見出す必要もありませんが)
やはり「ブログ」と同じです。

どうしても「作品そのものだけ」で完結せず、
それに対する「(言葉での)説明」を
必要としているものばかり、と感じました。

それは私にとって「芸術」ではありません。


「表現」ということでいえば、
ファッション雑誌のグラビアなどの商業写真の方が、
言葉での説明を必要としないという点で、
「作品」として優れていると思います。

以前に観た「報道写真展」の方が遥かに面白かったです。


これは単に好みの問題なのかもしれません。
ただ、好む好まないに関係なく、
色々なものを観ることは大切だなとは感じました。
なぜ「心動かされないのか」を考えるきっかけになりますし、
逆に自分が好きなもの、心動かされるものを
改めて考えることにも繋がりますので。