感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

道具の年季と手入れ具合で解る職人の想い

2012-11-22 19:07:06 | 家づくり職人物語
今日は岡山市北区高松へ以前から注文していた材料を引き取りに向います。

今回の材料と言うのが特殊なもので探しに探した「麻ロープ」。

これは現在新築中の現場の柱に巻くためのものなのですが・・・

当初は簡単に考えていたのですが柱一本分を一本のロープで巻き上げるにはロープの太さが10mmとしても150mほどの長さが必要。

これを一本物で取り扱っている材料屋さんが中々、見つからず苦労しましたが無事に注文していたロープも手に入れ意気揚々と現場へ向います。

現場の方では「しんちゃん」、「まっちゃん」が車庫部分のコンクリートの下準備を開始。

小型の重機を使い「鋤取」と呼ばれる掘削作業を行っています。

屋外では水道屋さんが排水の接続なども開始して現場の方は急ピッチで工事が進んでいる様子、内部では塗装屋さんと電気屋さんが各々の作業に取り組んでくれているようです。

そんな中、写真は左官職人さんが勝手口などの踏み台を仕上てくれている所。

熟練の職人さんが使い込んだ金コテを使いモルタルを仕上ていくとみるみる内にモルタルがピカピカになっていきますね。

私たち大工の道具、「ノミ」や「カンナ」の様に日々の手入れが成されているのでしょう。

こちらの左官職人さんが私が大工の世界に弟子入りした頃に言ってくれた言葉の中で特に心に残るのが「職人の道具は常に綺麗にしておかないと成らない」と言った一言。

当時は道具の手入れもろくに出来なかった私にはとても重い言葉ではありました。

刃先がボロボロになったノミやカンナ、錆びてしまった鋸、汚れてしまった金づちなど、そういった道具で施工されるお客さんの気持ち考えればを当然の事ではあります。

この熟練の左官さんに会う度に、あの時の言葉から大工道具の手入れが出来るよう懸命に取組んだ頃の私を思い出します。

当時から十数年、今も変わらず使い込んだピカピカのコテでモルタルを押えるこちらの左官さんに改めて感謝。

そう思えば職人の道具とは決して「新しければ良い」と言うものではないようです。

日々の道具の手入れ具合で職人さんの技量や家づくりに対しての想いは推し量れるようでも・・・

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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