山の頂から

やさしい風

ホッと・ふっと・ほっと・・・

2011-06-08 23:33:16 | Weblog
 4月の下旬ころだったか、知的障害を持つ少年が行方不明となり、
必死で捜し回る親御さんのことを書いたことがあった。
どうしたことかと案じていたが、その後のことは分からないでいた。
昨日の午後、ソフトアイスをと店先に立ったファミリーがあった。
「あっ!」と思わず声に出してしまったが、
なんとあの少年とご両親であった。

 「あの節はご迷惑をおかけしました」と、
母親が申し訳なさそうに頭を下げた。
少年は自宅から13キロも離れた場所の踏切の中で動かず、
電車を止める騒動を起こして家族に連絡が入ったという。
冷雨の降る夜をどこでどう過ごしたのか、
翌朝早い時間に発見され大事に至らなかったようだ。
何か製造業を営んでいる風に見受けられる父親も、
震災により仕事が相次いだ為、中々当地へ来られずにいたと、
母親同様に申し訳なさそうに頭をさげた。
時折思い出しては気に掛けていたので、フッと心が軽くなった。

 間もなくして静岡県の知人から早取りのトウモロコシが届いた。
昨年も頂戴したが糖度が高く、本当に美味しい。
ホッとしたニュースに続いてふっと和む味が楽しめた。

 そうして午後7時。友人数人で会食に出掛けた。前回は忘れもしない3月11日。
一体何が起こったのかも理解できない状況の中、
予約の店に出向き気もそぞろながらに会食をしたのだ。
生涯忘れることはないであろうと久し振りに集った友人たちは異口同音に発した。
昨夜は【ポアロ】というイタリアンの店。\3,500のコースを予約しておいた。
こじんまりとした店内は十数人でキチキチ満席となる規模だった。

 魚介類のクリーム味のパスタは絶品。
その他出される料理はどれも美味しかった。
デザートは目でも楽しませてくれる心憎さ。
シェフの繊細な感性と腕が光った代物だった。
食後のコーヒーも上質。ホッとした数時間であった。

 彼は40歳代。元教師だと言うが才能はシェフで発揮されたようだ。
「明日の夜から出発します」 店内に張られた休業のチラシに問うたらそう答えた。
被災地にボランティアに行くのだそうだ。今回で2度目とか。
気仙沼の高台地区はボランティアの手が届かないことを知って、
ならばと出掛けたのがきっかけだそうだ。
彼は生粋の栃木県人。被災地には縁もゆかりもないという。
本当に偉い心掛けだ。日本の若者も捨てたものでない!!と、
心からそう思う。戦後のアメリカの追撃戦に於いても、
日本人の民度は破壊されることなく脈々と受け継がれたと頼もしく感じた。
それにしても政治家たちのお粗末さ。国を守り抜くぞ~という気概の欠如。
私信を捨て命をかける!!という偉大なリーダーはいないものなのか!?
要らぬ!スッコメ~との合唱に怯むことのない現政権担当者たち。
「カ~~ン」と鐘一つ。 ハイ、残念でした!

    【紫陽花や政つらふ者の二枚舌】 初桜