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ウクライナ情勢-ロシアアフリカ首脳会議の不調とウクライナ軍ザポリージャ州西部主抵抗線接敵

2023-07-31 07:00:39 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 本日から"臨時情報ウクライナ情勢"を"防衛情報ウクライナ情勢"と改めます。さてウクライナの反撃はやはり機械化部隊が主軸となっているもよう。

 ウクライナ軍はザポリージャ州西部においてロシア軍防衛陣地の一部を突破した、ISWアメリカ戦争研究所7月26日付戦況分析に明示されました。この反撃は7月26日に機械化部隊を中心に実施され、ザポリージャ州西部のオリヒウおよびロボティンにおいてロシア軍主抵抗線に接敵、一部では突破した可能性がある。反撃が次の段階へ進むか。

 オリヒウおよびロボティンでの戦闘は、これまでウクライナ軍はロシア軍防衛線の前哨陣地を突破できない状況で一か月半を要していましたが、第一次防衛線を突破した可能性を示しています。ただ、ロシア軍は2010年代後半に発表した戦闘教範において防衛戦闘は20㎞幅を確保した防御陣地を示しており、安易に反撃成功とは言えません。
■南部戦線二箇所
 南部戦線の反撃について。

 ウクライナ南部戦線での戦闘が激化している、オリキウ南のロボティネ村とクレミンナ西方のセレブリャンスクの森において過去48時間の戦闘が激化している、29日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が発表しました。セレブリャンスクの森ではロシア空挺軍隷下部隊が再攻勢を試みているものの大きな戦果には至っていないとのこと。

 ロボティネ村はロシア軍第58諸兵科連合軍の担当地域で、このうち同軍隷下のロシア空挺軍第247親衛空中機動連隊がウクライナ軍攻撃を受け後退したとされています。ロシア軍はロシア本土からの補給線を維持できる東部戦線での再攻勢の動きを見せウクライナ軍をけん制していますが、ウクライナ軍南部での反転攻勢は緩んでいません。
■ロシアアフリカ首脳会議
 アフリカ諸国の主張は穀物安全保障の観点からロシアはさっさと諦めて手を引けという事のもよう。現状では船団護衛さえままならずアフリカは改めて干上がる。

 サンクトペテルブルクで行われたロシアアフリカ首脳会議について、参加国が前回の43か国から17か国まで減少したとのこと。7月28日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が発表しました。これはロシアが脱退した黒海穀物合意による3000万トンに及ぶ小麦などのアフリカ向け穀物輸出が中断していることへの影響が考えられます。

 ロシアアフリカ首脳会議はロシアの黒海穀物合意離脱から10日後となっています。これによりわずか数日間でもエチオピア、ケニア、ソマリア、スーダンなどの各国ではパンなどの生活必需品の価格上昇が始まっており、今後二年間のアフリカ全体での食料不安深刻化が確実視され、ロシアは代替輸出を提案していますがまだ確証がありません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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