北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ハリコフ州滑空爆弾攻撃が劇的に減少,ウクライナ軍クルスク州戦略補給路上橋梁破壊成功

2024-08-21 07:00:57 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 F-16のポテンシャルなのかともおもいましたが実際のところどうなのか、我が国が学ぶ戦訓はどういったところから見い出すべきなのか。

 ロシア軍のハリコフ州への滑空爆弾攻撃が顕著に減少している、ISWアメリカ戦争研究所が8月15日に発表したウクライナ戦況報告によれば、ハリコフ軍集団報道官サランツエフ大佐の発表として、ロシア空軍はハリコフ州北部へ毎日3発前後の滑空爆弾が投下しているとしつつ、クルスク逆攻撃前には30発から50発が投下されていたとした。

 ウクライナ軍に対してロシア軍が使用していた滑空爆弾はSu-34戦闘爆撃機などから投下する3t程度の強力なもので、精密誘導爆弾ではあるものの強力な破壊力により堅固な陣地でも1発で大きく破壊され、ロシア軍の攻撃を支えていましたが、この運用が十分の一いかに激減した事は、ロシア軍の攻撃衝力を大幅に低下させたことを意味します。

 滑空爆弾の運用が減少している背景、クルスク州のウクライナ軍攻撃に滑空爆弾が使用されているという情報もありますが、イギリス国防省の戦況報告ではウクライナ軍が無人機によりロシア軍飛行場攻撃を強化しているという状況もあるようで、滑空爆弾によるハリコフ州攻撃が減少した背景は様々な複合的要素があるということなのでしょうか。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 緩衝地帯設置が目的なのでしょうか。自衛隊はウクライナの戦況から学ぶとした場合はこの逆攻撃による戦況の大きな変動をどのように学ぶべきなのだろうか。

 ウクライナ軍はクルスク州の橋梁を破壊に成功した、ISWアメリカ戦争研究所は8月16日付ウクライナ戦況報告において、ロシア軍の戦略補給路を破壊したと分析を発表しました。破壊したのはクルスク州のコレネヴォ南西、セイム川に架かるグルシュコヴォ橋梁とズバノイエ橋梁、橋梁はかなり大きく、重要な補給路になっていたとのこと。

 イギリスBBCは17日付報道で、ロシア当局がクルスク州のルシュコヴォ近くでのウクライナの軍事作戦で同地域の一部が寸断されたことを認めたと報じています。戦略補給路の破壊は、クルスク州からハリコフ方面へのロシア軍侵攻部隊の補給を遮断するとともに、クルスク州からウクライナ軍が撤収した場合でも北部攻撃を難しくする効果がある。

 北部攻撃というのは、ロシア軍がハリコフ州再侵攻を実施した際に、ウクライナ軍とロシア本土との間に砲兵火力などに対する緩衝地帯を設置する目的ではないかと分析されましたが、逆に今回はウクライナ軍がハリコフ州への砲撃に対する緩衝地帯を設置する事が目的なのかもしれません、しかし、確証或る分析にはもう少し情報が必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【防衛情報】イージスシステ... | トップ | 【京都幕間旅情】五山送り火... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事