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【日曜特集】練習艦隊江田島出航2021(2)帽振れ送る乗艦と空の祝賀飛行(2021-03-13)

2021-09-19 20:00:54 | 海上自衛隊 催事
■空征く祝賀飛行と出航準備
 今年も卒業式は縮小挙行となりましたが、COVID-19猛威振るう中でも粛々と行事の体裁は整え出航へと進んでゆきます。

 江田内の俯瞰風景を広角にて。江田内の壮大な風景、というところですが、てんりゅう船体規模がよくわかります。昔艦内を見学させてもらった事もありますが、少なくない候補生課程修了者が乗艦した場合に充分な艦内容積の余裕はあるのかな、気になってしまう。

 かしま、うらが、てんりゅう。大型護衛艦信仰、という訳ではないのですが、海上自衛隊の任務増大、裏返せば周辺情勢の緊迫化、これに伴い航海期間は長期化するものですから、居住性を考えますと少しでもまともな、そう乗りたくなる護衛艦へ転換するのが望ましい。

 将官艇、かしま左舷に接舷しています。外国訪問の多い練習艦かしま、国家元首の表敬訪問などの接遇機会もあり、将官艇を搭載します。あきづき、むらくも、たちかぜ、が護衛艦隊旗艦であった時代には将官艇が無く、司令官は内火艇で荒天の日には苦労したという。

 祝賀飛行へSH-60K哨戒ヘリコプター3機が飛来しました、小松島航空基地第24航空隊の所属機です。例年は続々と編隊が飛来するのですが昨年はCOVID-19影響により中止、悪天候でも中止されますので、エンジン音にわあっと歓声上げてしまう編隊飛行の飛来です。

 SH-60K哨戒ヘリコプターは海上自衛隊の主力艦載機、対潜戦闘に哨戒飛行と特殊警備隊輸送から軽輸送に対艦ミサイル誘導、対艦ミサイルを搭載しミサイル艇狩りまで成し遂げる高性能機、その分取得費用も高く、あの陸上自衛隊のAH-64D戦闘ヘリコプターより高い。

 ヘリコプター搭載護衛艦の大型化と共に汎用護衛艦は勿論、イージス艦でのヘリコプター運用能力の付与、小型護衛艦と掃海艇を置換えるFFM多機能護衛艦にもヘリコプターが搭載される時代、陸上からも艦上からも運用できますが基本は艦載機として運用されている。

 小月航空基地より飛来したT-5練習機です、海上自衛隊では広範に航空要員養成に用いられる初等練習機ですが、小月航空基地祭以外ではなかなか編隊飛行を観る機会がありません、観艦式にも小月からは参加しませんので江田島基地上空の祝賀飛行は貴重な機会ですね。

 P-1哨戒機が飛行して参りました。厚木航空基地か鹿屋航空基地か、どちらの所属でしょうか。例年はP-3C哨戒機の編隊飛行とともにP-1哨戒機が参加しますが、年々P-1哨戒機の量産は進んでいまして、着実に運用部隊が増えているのはおどろく新鮮さという印象です。

 祝賀飛行と練習艦隊、広角で撮影です。練習艦隊、しかしこの構図に護衛艦や護衛艦転用練習艦の姿が見えないのは、不思議な印象ですね。イージス艦まや竣工により余剰が生まれ、練習艦隊にはこの程ミサイル護衛艦はたかぜ、が練習艦はたかぜ、となりました。

 はたかぜ、はこの艦隊出航の時点で南方に展開していたのですね。護衛艦ゆうぎり、練習艦せとゆき、はたかぜ、と共に2月9日より3月16日まで、第54期部内一般幹部候補生課程修了者を乗艦させ、グアムおよびミクロネシアへ外洋練習航海へと出発しています。

 かしま。基準排水量4050tで満載排水量5400tの練習艦です。装備は76mm単装砲と68式3連装短魚雷発射管2基のみ、あとはシミュレーターのみであり水上戦闘艦の様な勇ましい外見ではありませんが、国家元首の来賓接遇も想定し内装特別公室を設置しています。

 乗艦した新任幹部は甲板上に整列を開始しています、これは登舷礼といいまして、ここから第71期一般幹部候補生課程修了者は近海練習航海へ、第73期飛行幹部候補生課程修了者は外洋練習航海へと向かいます。近海練習航海、日本を一周し治験と交流を深めるもの。

 これは“初級幹部に対し、艦上における訓練作業を通じて遠洋練習航海に連接するために必要な基礎的事項を修得させ、艦内生活への慣熟を図り、初級幹部としての素養を育成し、シーマンシップを体得させるとともに、我が国及び海上自衛隊の現状を理解させる”と。

 うらが、てんりゅう、乗艦が進んでいます。てんりゅう、訓練支援艦なのですが、上部構造物を比較しますと、うらが、てんりゅう、その大きさの違いが端的に見えていますね。訓練支援艦は、しかし近海練習航海の様な一ヶ月半の航海を想定しているのかな、とも。

 練習艦隊司令官石巻 義康海将補を指揮官として出航するこの令和3年近海練習航海は、71期一般幹部候補生課程修了者約160名を含む590名が前半を航海します。江田島発して呉、沖縄と佐世保、大湊から舞鶴と横須賀、呉に戻り阪神基地を経てまた呉、という行程です。

 令和3年近海練習航海は3月13日から4月30日までを前半とし、後半は参加艦を練習艦かしま、せとゆき、とした上で5月11日から5月23日という日程、参加部隊の規模も3隻から2隻となりますので、71期一般幹部候補生課程修了者約160名を含む510名という。

 令和2年度外洋練習航海は第3護衛隊司令濱崎真吾1等海佐を指揮官として護衛艦あけぼの、及び艦載機1機、第73期飛行幹部候補生課程修了者59名を含む240名が参加しています。飛行幹部は航空教育集団隷下に操縦要員教育を受ける為、この航海以降陸に上がる。

 かしま、ゆっくりと前進を始めました。牡蠣筏の並ぶ江田内、この撮影位置は岩風呂山という、ちょっと標高の高い所まで登った所でして、これに備えて一年間、岐阜基地近くの三井山とか撮影機材を担いでの低山登山の訓練を怠らなかった成果が、活かされたのかな。

 うらが、出航始めました。岩風呂山登山、完全装備で頑張ったぜ、と格好よく書きたいところですが、実はそれも途中まで、毎年お世話になています大阪のY様に拾っていただきまして、なんというか、コロナ時代、運動不足になってしまったのは反省しているところ。

 てんりゅう、先行して掃海母艦うらが、という。そして周囲には新任三尉を送り届けた交通船が遊弋しているところ。艦隊は予定時間通りに出航してゆく、二年ほど前に主錨が抜けなくなった旗艦を僚艦が先行して出航した事がありますが、自衛隊は時間厳守なのだ。

 あけぼの出航へ。先程まで山影で見えなかった護衛艦あけぼの、その姿を現しました。岩風呂山、もう少し登れば見える位置なのですが、木立が津久茂瀬戸の航路を隠してしまっていまして、少し考えて、撮影位置を少し下げたこの位置にて陣地変換していたのですね。

 海上自衛隊の小型艦艇と護衛艦あけぼの。江田島出航は毎回撮影位置というものを、今年は此処で来年はあのあたりから撮影してみよう、と考えるのが実に楽しいのですね。私はここ数年、公民館前で撮影していましたが、今年は神社手前の参道から撮影しています。

 江田島、中には墓地の中から、酷いのは墓石を足場にしている方も居ますが、そこまでして撮影する写真に価値はあるのかな、と思ったりします。公民館前は単縦陣を少し斜めから撮影する事になり、真正面となればその立地しかないようですが、一寸それは、なあ。

 高田港、最初の頃はこの当たりで、しかし、いろいろな場所を数時間かけて吟味したところでして、そんな中で美味しい牡蠣と巡り合ったり、呉空襲を視ていたご老人に物凄い経験談を聞いたりしまして、これは撮影ではなく海軍の体験なのだな、考えたものでしたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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