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【日曜特集】海上自衛隊60周年観艦式【19】こんごう型後継-日米韓駆逐艦共同開発の論調(2012-10-08)

2023-10-29 20:22:15 | 海上自衛隊 催事
■いまの駆逐艦は凄いぞ
 ミサイル防衛専用艦改めイージスシステム搭載艦をアメリカも採用しようという流れなのでしょうか。

 アメリカと日本と韓国の駆逐艦を統合共通設計とできないか、アメリカではこうした論調があるようです。日米間の駆逐艦共通化、日本の場合は駆逐艦ではなく護衛艦ですが、その論調の背景にはやはりといいますか中国海軍に対応するインド太平洋戦略がある。

 いまの駆逐艦は凄いぞ最高だ、という台詞がSF映画にありましたが、日本の場合は実際に全通飛行甲板型護衛艦という、DD艦隊駆逐艦の符号を有する艦艇としては満載排水量で三万tちかい“駆逐艦”なんてものが存在する、ただアメリカはもう少し違うものを。

 こんごう型ミサイル護衛艦の後継か、若しくは汎用護衛艦として一時代を築いた護衛艦むらさめ型の後継艦などを想定しているのでしょう。韓国は長らく陸軍国ではありましたが、先ごろセジョンデワン級ミサイル駆逐艦の4番艦が公試開始の一方が記憶に新しい。

 海上自衛隊の場合は今後、ミサイル防衛専従艦改めイージスシステム搭載艦が建造、基準排水量1万2000t前後のかなり大型の水上戦闘艦を整備します、長期の警戒監視とミサイル防衛を見込んだ結果であり、満載排水量は1万7000t規模くらいとなるのでしょう。

 ひゅうが型護衛艦が基準排水量1万3500tで満載排水量が1万9000tですので、こうした全通飛行甲板型の護衛艦と比較しますと、多少は収まっているような印象が生まれるのですが、それでも、これぞ水上戦闘艦、という艦容を備えた艦艇の中では破格の大きさ。

 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の後継艦研究がアメリカでは開始されています、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦で対応できるものではなく、空母打撃群を防衛する防空中枢艦は相応の指揮能力と司令部機能を求められるため、やはりどうしても大型艦が、と。

 セジョンデワン級、しかし問題はセジョンデワン級4番艦の公試を開始したばかりの韓国で、イージスシステム搭載艦の大きさ、有名なドクト級揚陸艦に排水量で迫る水上戦闘艦となると大きすぎるとともに、4番艦はバッチ2の1番艦、設計は変えられない。

 まや型護衛艦として日本はイージス艦の整備をひと段落していて、いや決してイージスシステム搭載艦が、こんごう型代替艦になるという決定は無い故に、どう展開するのかは分からないのですが、インド太平洋を中心に考える日米と歩調は合うのか、という疑問も。

 むらさめ型後継艦が大型化する可能性、ここで考えるのは海上自衛隊幹部学校記事など内部での自由な議論に、オールイージスという、汎用護衛艦の艦隊防空能力を抜本的に強化しなければ中国海軍の海軍力増強に対応できないという危機感に基づく提言が。

 蘭州型ミサイル駆逐艦から始まった艦隊防空艦整備は、既にDDGに当たる広域防空艦が基本であり、江凱Ⅱ型フリゲイトなど艦隊護衛艦の段階でスタンダードSM-2ミサイルの射程を凌駕する長射程の艦対空ミサイルをVLS垂直発射装置に常備し、普及する。

 あさひ型護衛艦の満載排水量は7000tに達しており、イージス艦フリチョフナンセン級よりも五割大型であり、アルバロデバサン級ミサイル駆逐艦より若干大型となっている、続く汎用護衛艦が、これまで通り一割五分大型化すると、イージスシステム搭載は。

 日本で建造し、アメリカ海軍のアーレイバーク級駆逐艦を補完する艦隊防空艦を、FMS域外調達の逆方式でアメリカに供給し、コンステレーション級ミサイルフリゲイトとともに運用する選択肢はあるのかもしれませんが、向こうの識者の視座、実に興味深い。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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