北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

巨大地震注意-南海トラフ臨時情報で気象庁が初の発令,想定地域での準備強化と避難対策準備を

2024-08-09 07:00:52 | 防災・災害派遣
巨大地震注意
 8日1915時、気象庁により巨大地震注意が初めて発令されています。

 南海トラフにおいて最大規模の地震が発生した場合は九州から首都圏に掛け大きな地震の揺れが襲い、沖縄を含む太平洋岸に大きな津波が発生する事が警戒されています。南海トラフ地震が今後一週間で確実に発生するという事ではかならずしもありませんが、家屋の防災準備や避難路の確認と家族との連絡方法の確認を呼びかけました。

 気象庁の今回の発表を受け、九州四国及び本州の対策強化地域自治体は必要に応じ避難施設設置などの準備を進めます。また、まもなくお盆の長期休暇を迎えるところとなりますが、東海道新幹線と東海道本線および中央本線などは一部区間において徐行運転を行い、寝台特急の短縮運転や一部列車の運休措置を取ると対策の具体さくを発表しました。

 宮崎県において発生した地震では、複数の負傷者や家屋倒壊などが消防により確認されていますが幸い死者だけは出ていません。また津波注意報は1900時で宮崎県を除き解除され、2200時には宮崎県に発令されていた注意報も解除、今回の津波は最大潮位が0.5mであり、こちらも僥倖というべきでしょうか、津波による犠牲者などは発生しませんでした。

 宮崎県では今年四月にも地震が発生していますが、今回のようなマグニチュード7規模の地震は40年ぶりということであり、旧耐震基準に基づき建設された建築物等に被害が在ったほか、一部地域で落石などの確認もあり、電線の切断や水道網への麻痺などが有りましたが、地震と津波による被害は限られた規模であった事はやはり僥倖というべきか。

 南海トラフ地震は東海地震と東南海地震および南海地震という、海溝プレートに沿ったプレート境界地震として過去定期的に発生しており、プレートにたまるひずみをそのエネルギーとして断層の破断により発生する巨大地震です。過去に発生した東南海地震は1944年、南海地震は1946年となっており、年々その蓋然性の高まりが指摘されていたもの。

 震度七の激震が広い地域に及ぶことと、また地震の揺れの最中に津波の第一波が到達すると懸念されていることから、政府は2012年の脅威想定により最大37万名もの死者が発生するとし、気象庁は2019年より震源区域における特異な事例、一定以上の規模の地震が発生した場合に南海トラフ臨時情報を出す事とし、今回はその初の事例となりました。


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