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和歌山県北部地震 東日本大震災以後の地震が続く日本は“平時”か“有事”か

2011-07-05 23:20:46 | 防災・災害派遣

◆海外からの視点を考える事が重要

 本日、和歌山県を震源とする震度五強の地震が発生しました。先日長野県の松本にて同様の地震が発生しています。

Img_07_04 和歌山県で震度5強 余震注意:7月5日 22時43分  ・・・5日夜、和歌山県北部で地震があり、和歌山県広川町と日高川町で震度5強の強い揺れを観測しました。気象庁は、数日間は強い揺れの余震に十分注意するよう呼びかけています。5日午後7時18分ごろ、和歌山県北部で地震があり、▽和歌山県広川町と日高川町で震度5強の揺れを観測したほか、▽和歌山県有田市と湯浅町で震度5弱の揺れを観測しました。

Img_8489  ▽また、和歌山県海南市や御坊市徳島県阿南市、高松市、それに香川県さぬき市などで震度4の揺れを観測し、▽和歌山市や大阪・泉南市、兵庫県姫路市、岡山市中区、広島県尾道市、それに高知市など、近畿と中国・四国地方の各地で震度3の揺れを観測しました。さらに、▽東日本と西日本の広い範囲で震度2や1の揺れを観測しました。この地震による津波はありません。気象庁の観測によりますと、震源地は和歌山県北部で、震源の深さは7キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.5と推定されています。

Img_0354 和歌山県北部ではその後、余震が相次ぎ、およそ15分後の午後7時34分ごろには、和歌山県湯浅町と広川町、それに日高川町で、震度4の揺れを観測しました。気象庁の永井章地震津波監視課長は「今後も数日間は震度4から震度5弱程度の揺れとなる余震のおそれがある。揺れの強かった地域では、固定していない家具やブロック塀が倒れたり、ガラスが割れたりする被害が起きているおそれがあるほか、土砂災害の危険性が高くなっているので、十分注意してほしい」と話しています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110705/t10014000961000.html

Img_72_07  3月11日以降の東日本大震災以来、海外の特派員は日本での派遣体制を重視しており、世界の耳目、特に地震に対する注目度は過去にない程に二hんへの関心が集まっているという状況があり、こうした中で、静岡、新潟、長野、和歌山と比較的大きな地震が続いて発生している、という状況。

Img_1445  自衛隊の災害派遣はその都度報道されているようで、第二次大戦後には実戦を経験していない事でその能力に懐疑的な姿勢があった日本の軍事機構である自衛隊については、災害派遣を通じてその即応性の高さと作戦継続能力の高さ、そして士気の高さを世界に示す事が出来た訳です。

Img_4486  他方で本日発生したような地震であっても、耐震強度が重視されている日本に置いては大きな被害は出ないものの、マグニチュードや震度の視点からは比較的大きな地震が発生している実情は、世界に対していち早く配信されるわけでして、日本と言えば3月11日以降地震が相次いでいる危険な国、という印象を与えています。

Img_0894  特に5月6日に菅首相が東海地震g迫っているという事を根拠に静岡県の浜岡原発を原子炉停止へ強く要請し、中部電力がこれを認めたことから、海外では東海地震が発生するまでは日本では群発地震が発生し、危険なのではないのか、という首相による風評被害というべき状況が続いています。

Img_6685  総理発言では、東海地震の危険性が切迫している、という表現を用いていますが、表現に限界がある英語に訳した場合、一両日中に起きる可能性が高い、というニュアンスで東海地震の危険性が海外に流布されているという状況でして、加えて東南海地震と南海地震が連動するというM9規模の地震の危険性を示唆する内容で海外では報じられているという実情。

Img_9696  こうした発言の下で、本日の自sんを含めて昨今の地震発生を俯瞰すれば、和歌山県の地震でさえも南海地震の前兆現象なのではないか、という事を印象付けるものとなっていまして、日本は次の大地震が間近に迫っている、有事という情勢にあるのではないか、という印象さえ与えてしまっています。

Img_8230_1  この点難しいものがありまして、もう少し地震予知に関する研究が進み、高い精度で地震発生の警戒情報を出せるようになっていれば、切迫、とはいっても危険性がかねてより提唱されているものであり今後百年単位で発生する可能性は未知数、という事を証明できればいいのですが、これも出来ない状況。

Img_1184  すると、日本は次の大地震に備えている有事、という状況にある事を印象付けている事でして、この状況が続く限り、日本企業への大規模地震対策に限界がある、企業の努力では今回のような津波への対策は限界がある事ですので、この状況が続く限り日本との企業間国際分業提携や資本提携にリスクを残すことになってしまいます。

Img_7717  ただ、この実情だけはいわば浜岡停止要求に代表される政府による風評被害という結果生まれた事ですから、相当確度の高い地震予測、今の観測体制では不可能なのですけれども、科学的に根拠づけられる地震予測を行い、危険性は特に切迫しているものではないという事を表明できない限り、払しょくは不可能。

Img_6430  すると、どうしても日本に対して、もっとも原子力災害により差引出来ない規模での信頼喪失はあると言えるのですが、日本への投資と通商関係は安全である、ということを善意ではなく純粋な商関係において求めるのには不確定要素がある、ということを乗り越えるのは難しいという現状。

Img_35_34  日本は内需には限界があることから世界とのグローバルな関係に依拠して日本経済を維持しているのですし、この現状は実は認識されている以上に憂うべき問題で、失言と失策が事後対応できないように現状の日本への負の印象も、乗り越えることは実のところ非常に困難という問題があります。

Img_8718  国内では、復興担当大臣に都道府県とマスコミ恫喝を行い反省しない、屑のような復興担当大臣が事実上の更迭された事に国民の関心が集まっているのですが、政治がバカアホウの状況に陥っている中で、日本全体への日本リスクというべき負の付加価値をつけて認識されている、ということが忘れられているように危惧します。

Img_27083  実のところ、東日本大震災という実情としての被害、東海地震切迫という首相発言に起因する風評被害、そして全国で続く一定規模の、とはいえ日本としては過去に通常の地震として記録される程度の地震発生、これらを海外の視点から複合的に見た場合では、国内で感じられる“空気”とは別のものがある事を認識せねばなりません。

Img_2180  個人的には地震予測の難しさを基本てjきな知識として知っているので、この手の情報には注意を要するとは考えるのですが、和歌山の地震であっても、東日本大震災の三日前には三陸沖で一定規模の地震があった事を思い出さずにはいられない訳です、そして日本は大丈夫なのか、と。

Img_4_551  しかし、その前の段階として東日本では復旧が終わって復興に入れるのはいつなのか、という基本的な問題でもめている訳でして、大臣が毎日失言を繰り返し逃げ出したばかり、国内の視点からはこれで手一杯な訳です。その状況下でも、日本は地震被害から復興しつつある平時の状態か、次の地震が切迫している有事の警戒態勢下にあるのか、これは世界に対し、説得できる内容で説明しなければならないのでは、と考える次第です。

北大路機関:はるな

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